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日産自動車株式会社と株式会社プロダクション・アイジーは4日、11月24日にDVDリリースを予定している、アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」の劇中に、日産のコンセプトカーを登場させるコラボレーション企画を発表。日産の銀座ギャラリーにて、コンセプトカーの展示を実施。神山健治監督らも出席した。 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」(以下SSS)は、テレビアニメシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の続編として製作されている約105分の長編。9月1日から「スカパー! パーフェクトチョイス160」のPPVにて先行オンエアされ、DVDはバンダイビジュアルが11月24日リリースする。価格は10,290円。
今回のコラボレーションは、SSSの劇中に日産のコンセプトカーが登場するというもの。2005年ニューヨーク国際オートショーに出展された「スポーツコンセプト」と、同じく2005年北米国際自動車ショーに出展したインフィニティ「クラーザ」の2車種。自動車メーカーがアニメ作品に参画するのは、珍しい試みと言える。
このコラボのキッカケについて、プロダクションI.Gの石川光久社長は「あるイベントで六本木ヒルズに行って、2次会で沖浦(アニメーターの沖浦啓之氏)と飲んでいた。2人ともヒルズの雰囲気に溶け込めなくて、すみっこの方にいたのだけれど、そこに似たような雰囲気の2人が現れた。それが日産のデザイナーの方だった」と説明。 両氏はパトレイバーや攻殻機動隊SACなどのファンで、「攻殻機動隊に出てくるバトーの車がカッコいい」などの話で盛り上がったという。そして、神山監督も交えてSSSでのコラボが決定。コンセプトカーの内装から外装まで、全てのデータをIGへ送ってもらい、それをもとにアニメスタジオで3D化し、映像の中に登場させた。 石川社長によれば「本物の車のデータを頂いて、アニメの中で原寸大に再現した作品は今まで無いんじゃないか。もちろん、ただ単にデータを入れただけではなく、テールライトの光り方1つに至るまで、監督がこだわりぬいて映像化している」と見所を語った。
記事初出時、日産のチーフデザイナーの中島敬氏の肩書きと氏名が誤っておりました。お詫びして訂正いたします。 コンセプトカーのデザインについて、日産のチーフデザイナーの中島敬氏は「スポーツコンセプトは、私がデザインしたティーダという車をベースにしています。一見すると、そぐそこを通り過ぎてもおかしくないような、ベーシックなデザインです。しかし、じっくりと細部を見ると、ラインやパーツが突然変異的な個性を持っている。“現実的に見えるのに非現実的”。そこが面白い所です」と解説。 自らがデザインした車がアニメの中を走ることに関しては「若手を中心に、車のデザイナーもアニメなどに影響を受けている人が多い。そんな中、アニメの中で我々の車が走るという非常に光栄なこと。我々のモチベーションを高める方法として、今後も考えていきたい」と喜びを語った。 神山監督は、SACシリーズと車の関係について「SACシリーズでは、意識的に車を多く登場させていた。ネット社会を描いた作品なのだが、ネットの中を情報が走っているだけでは映像にならないし、疾走感もない。そこで、ネットワークがここまで広がる前、一番エレガントに疾走していたインフラとはなにか? それを考えると自動車だった」と語った。
なお、コラボが決定した時、既にSSSの制作は開始されており「スケジュール的に急遽コンセプトカーを入れるのはギリギリだった」という。しかし「9課のメンバーがこの車に乗るというイマジネーションが広がってしまって、どうしても入れたかった。スタッフに助けられてなんとか間に合いました」と笑顔を見せた。 ちなみに、神山監督が初めて買った車は日産のパルサーGTi-R。偶然にも中島氏がデザインした車だ。さらに、石川社長はエルグランドが愛車。今までは白い車種に乗っていたが、株式上場後は「黒字にしなきゃならないなと、黒いエルグランドに買い換えた」と笑う。両名とも、個人的にも日産との付き合いは深いようだ。 DVDの仕様やSSSのストーリーなどの詳細は既報の通り。
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■ タチコマ・ロボも登場。コンセプトカーの一般公開も
会場には、自立し、動くタチコマのロボットも登場。こちらについては僚誌Robot Watchで詳しく紹介する。
また、日産の銀座ギャラリーでは「攻殻機動隊 S.A.C. meets NISSAN」と題して、今回のコンセプトカーの一般公開も行なう。日時は8月5日から8月14日まで。開場時間は10時から20時まで。車の展示だけでなく、SSSの絵コンテや、最新トレーラー映像も楽しめる、ファン必見の内容だ。
□日産のホームページ
(2006年8月4日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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