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国内向けにBlu-ray Discソフトの発売を予定しているソフトメーカーと、対応するハードウェアの投入を予定しているメーカーが合同で「Blu-ray Disc発表会」を開催。全75本のタイトルラインナップ発表や、ハードウエアの参考展示が行なわれた。 ソニーのコーポレート・エグゼクティブSVP 西谷清氏は、今回の発表会を開催した理由について「新しいフォーマットを立ち上げるには、ソフトメーカーの協力無しではなしえない。各メーカーのタイトルを一挙に紹介することで、皆様にBDの今後の可能性を一番良くわかっていただけるのではないかと考えた」と説明。
さらに、'98年の末にブルーレーザーを使ってディスクにHD映像信号を記録した頃を振り返り「ハードウェアメーカーが集まり、BDを大きなものに育てていこうという大きな夢を抱いた。その当時から考えると、こんなに多くの企業や人に集まっていただき、感慨深いものがある」と喜びを語った。 BDの魅力については「映画館と同じような高画質、高音質を楽しめる。そしてそれだけではなく、インタラクティブな機能も備え、映画館で味わえる以上の体験ができる」と紹介した。 なお、これによりHD DVDとの本格的な対決が秋から開始されることとなったが、HD DVDプレーヤー「HD-XA1」の発表時に東芝上席常務 デジタルメディアネットワーク社の藤井美英社長が「BDの方が凄く良かった場合は土下座をして謝ります」と語ったことについて質問されると「藤井さんの発言の意図は知らないが、プレーヤー/レコーダなどのハードウェアについては、ユーザーに買って良かったと思ってもらえるものを出すことが務めだと思っている。良い機器を出せば、(HD DVD vs BDの結果は)市場が判断してくれることだと思う」と語った。 なお、会場にはブエナ・ビスタや角川エンタテイメントなど、BD-ROMソフトのリリースを予定している12社の代表が参加。さらにバンダイビジュアルとポニーキャニオンの2社を含めた計14社から、合計75タイトルが発表された。
■ 「BD-ROMが2層化できないなんてことはまったくない」 技術的な解説は、松下電器 蓄積デバイス事業戦略室の小塚雅之室長が担当。「オーサリング現場では超高画質なH.264/MPEG-4 AVCの圧縮に取り組み、オーサリング機能の搭載も進んでいる。また、ディスクを2層化できないなどという話もあるが、そんなことはまったくなく、スピンコート技術などを用いて、クリスマス頃には2層ディスクも登場する予定。オーサリング/ディスク製造のどちらの面でも、BDは期待に応えられるものだ」と説明した。
■ 麻倉氏「BD-ROMに大いに期待する!!」 次いで、デジタル・メディア評論家の麻倉怜士氏が、ハイビジョンラバーかつ、HDソフトを待ちわびるユーザーの代表として講演。麻倉氏はVHSビデオやMUSE・LDなど、これまでAVメディアの変遷を振り返りながら「SD映像は単なる情報や記号のようなもので、何が映っているか以上のことはわからない。HDはものの本質、被写体の本当の姿を正確に映し出し、情緒や情感までも伝えられる。HDとはいわば“本物映像”だ」と魅力を語る。 ほかにも、麻倉氏が感じた「メディアによる感動度」をグラフで示すなど、ユニークな手法でHDソフトへの期待感を表現。また、HD放送でエアチェックした「風と共に去りぬ」(BShi)や「ザルツブルグ音楽祭 椿姫」(BShi)の映像/音声クオリティを称え、「こうしたデジタル放送を遥かに超える高音質/高画質をBD-ROMソフトでは実現できる。1人のユーザーとしてもBD-ROMに大いに期待している」と締めくくった。
今回の発表会に参加した企業は以下の通り。 【ソフトウェアメーカー】
□Blu-ray Disc Associationのホームページ
(2006年8月29日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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