|
セイコーエプソン株式会社は、地上デジタル対応テレビとLAN接続することで、地上デジタルのデータ放送などの情報を印刷できるインクジェットプリンタ「PM-T990」を11月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円台後半の見込み。 A4サイズに対応するプリンタ/スキャナ/コピー機能を備えた複合機のフラッグシップモデル。Ethernet端子と無線LAN機能を搭載しており、地上デジタルのデータ放送画面に含まれる情報をプリントアウトできる「テレビプリント」が可能。 同機能は、対応するデジタルテレビとLAN接続することで、データ放送のコンテンツから印刷用の情報をプリントアウトできるというもの。印刷用の情報は放送局が用意したxHTML-Printデータで、データ放送画面自体のキャプチャは放送局が許諾した画面のみ印刷可能。 9月26日現在の対応テレビは、松下のPZ/PX/LX600シリーズや、PX/LX500シリーズ、PX/LX300シリーズの計20モデル。また、2007年度中に各メーカーから発売される見込みとなっている、テレビのインターネット接続規格「ネットTV」対応製品にも接続できる予定。 そのほか、松下のテレビ用インターネットサービス「Tナビ」にも対応し、コンテンツをそのままキャプチャした印刷が可能。 印刷は、テレビのリモコンで操作。印刷が可能なデータ放送画面の受信時に「印刷する」というメニューが表示され、LAN接続されたPM-T990から出力が行なえるため、パソコンでのネットワークプリンタに近い利用がテレビで行なえる。
プリンタ機能としては、画質の自動補正技術「オートフォトファイン! EX」を搭載し、従来よりも人の肌色を中心とした積極的な補正を行なうことで、色かぶりなどを解消したという。また、発色性や耐光性、耐オゾン性を向上させた「つよインク200」により、アルバム保存時の寿命は200年としている。 ドットサイズを従来の3種類から5種類に強化し、階調表現を向上させた新開発の「Advanced-MSDT(Multi Sized Dot Technology)」を搭載。さらに、画像処理エンジン「REALOID」(リアロイド)により、ダイレクトプリント時でも印刷開始までの時間短縮を可能にしたという。 4型液晶ディスプレイを搭載し、11月上旬発売のフォトビューワ「P-5000」と同様に高画質化した液晶技術「Photo Fine Ultra」を採用し、印刷プレビューに加えて補正後の仕上がり確認も可能。そのほか、CD-R/RW書き込み/読み込みとDVD-R/RW読み込みが可能なコンボドライブや、19種類対応のメモリーカードスロットも搭載する。
■ “テレプリパ”をプリンタ第3の軸に
9月26日に行なわれた発表会では、PM-T990を含む複合機5モデル、プリンタ専用機3モデルを発表。10~12月の年末商戦では、市場規模が前年比105%となる206万台に達すると見込む。副社長の丹羽憲夫氏はシェア目標を52%以上とし、「テレビプリント」による新たな市場創出も狙うと述べた。 「テレビプリント」機能について同社は「テレビにプリンタをつないでパッ!とプリント」を意味する「テレプリパ」というキャッチフレーズで展開。 今後のサービスとしては料理番組でのレシピや、地域イベントの告知、ニュースの詳細情報などテレビでは伝えきれない情報を入手可能にするといった利用を提案し、「パソコンからのプリントを第1、メモリーカードなどからのダイレクトプリントを第2の軸ととらえ、テレビからのプリントを第3の軸として市場創出を先導する」とした。 現在対応しているコンテンツは、ニュースや旅行番組などデータ放送の一部のみで、今後のコンテンツ拡充予定については、「放送業者を含め検討中のため未定」(同社)としている。
□エプソンのホームページ (2006年9月26日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|