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アルパイン株式会社は、AV機能を備えたHDDカーナビゲーションシステムの新シリーズとして、OSに国内で初めてWindows Automotive 5.0(WA 5.0)を搭載した「モービル・メディア・ステーション X07」や車載スピーカーなどを11月上旬より順次発売する。各モデルの仕様、型番、価格は下表の通り。
■ モービル・メディア・ステーション X07
いずれも、DVD/CDデッキとアナログテレビ/FM/AMチューナ内蔵の2DINユニット。違いは、VIE-X07B1/S1には外付けのワンセグユニットが付属するが、VIE-X07B/Sには付属しない点のみ。カラーはブラックとシルバー。 DVD/CD部は、DVDビデオのほかに、DVDオーディオやDVD-R/RW再生が可能。新たに、デジタル放送を録画したVRモードのディスク再生もサポート。CD-R/RWやSDカードに記録したMP3/WMAの再生も行なえる。ただし、音楽配信で購入したファイルなど、DRM付きの楽曲は再生できない。
40GBのHDDも内蔵し、6倍速でのCDリッピングも可能。リッピング時のフォーマットはWMAで、ビットレートは最大128kbps。楽曲に使用できるHDD領域は8GB。 解像度800×480ドットの7型タッチパネル液晶ディスプレイを搭載。iPod接続用のケーブルが付属し、Dockコネクタを備えた第3世代以降のiPodやiPod photo/mini/nanoをサポート。ディスプレイ上からiPodの操作も行なえるほか、iPodの充電も可能。なお、iPodのビデオ再生には対応しない。
アンプ出力は最大45W×4ch。バーチャルサラウンド機能として、ダイマジックと共同開発した車載用技術「EUPHONY」(ユーフォニー)を採用。音楽ジャンルに関わらず、再生音の車内での定位感や、広がり感などを向上させるという。DACには従来モデル同様に24bitの⊿Σ DACを搭載する。
OSには、新たにWindows Automotive 5.0(WA 5.0)を採用。WA 5.0を搭載した製品は国内初で、開発期間の短縮やコストの低減を実現したほか、他モデルへの機能移植も容易に行なえるという。 地上アナログテレビチューナを内蔵するほか、既発売の12セグ地上デジタルチューナユニット「TUE-T300」(73,290円)との接続により、固定受信向けのデジタル放送も視聴可能。ただし、ワンセグチューナとの同時受信はできない。なお、今回地上デジタルチューナが付属しない理由については「アナログからの移行期であることや、コスト面などから見送った。現在は12セグ/ワンセグ両対応モデルを開発中」(同社)としている。
VIE-X07B1/S1に付属するワンセグチューナ「TUE-T1」は単体でも発売。接続はコンポジットで、X07との接続により、ユニット側から操作が行なえる。受信用のフィルムアンテナも付属する。 ナビ機能としては、走行時に道路を平面的に見やすく、停車時に建物形状を立体化させる「ワンルックマップ」や、HDDへの地図更新時に、差分のみダウンロードする機能を新たに搭載。そのほか、走行区間ごとのアクセルワークを採点し、燃費向上を図るという「エコドライブガイド」も採用する。
■ スピーカー、サブウーファ
センタースピーカーの「SBS-0315」は、ダッシュボードへの設置を想定した小型スピーカー。最大入力は60W、定格入力は20W。再生周波数帯域は150Hz~30kHz。出力音圧レベルは82dB/W・m。インピーダンスは4Ω。パワーアンプも付属する。 サテライトスピーカー「SBS-157R」は、最大入力60W、定格入力20W。再生周波数帯域は100Hz~30kHz。出力音圧レベルは82dB/W・m。インピーダンスは4Ω。専用の取付金具が付属する。 サブウーファの「SWE-1000」は、最大出力150Wのアンプを内蔵。クロスオーバー周波数は50~125Hz。付属品として、ワイヤードリモコンや、5.5mの電源延長コード、L型RCAケーブル、スピーカー/RCA変換ケーブルが付属する。
■ MS平野氏「WA 5.0はアルパインなしではできなかった」
6月29日に社長に就任したアルパインマーケティング株式会社の岩渕和夫氏は、「入社以来国内市販を担当してきた集大成として、新しいことにチャレンジし続けたい。その第1弾として今回のX07シリーズを発表する」と説明。 岩渕氏は「得意とするオーディオやビジュアル面をカバーしつつ、エコや安全も配慮したカーエンターテインメントの基地“モービルステーション”として展開する」と述べ、「“さあ、ナビからモビステへ”をコンセプトに、車をもっと楽しくしたい」とした。
新製品がWA 5.0に対応したことに関連し、マイクロソフト ディベロップメント株式会社 ITS戦略統括部の平野元幹統括部長がゲストスピーカーとして登壇。 平野氏は「MSのソフトウェアは、ほとんどがシアトル付近にある本社で開発されるが、車載OSに関しては、強力なナビゲーションメーカーのある日本のチームで開発する。日本では13社から意見をもらっているが、特に5.0ではプライマリユーザーとして参加したアルパインさんにいただいた指摘をベースに開発。5.0はアルパインさんの協力なくしては製品化できなかったと言っても過言ではない」と述べた。 また、今回の新製品では「特にUI機能のAUI(Automotive User Interface)が採用され、機能の実現を手伝えたことがうれしい」と語った。
□アルパインのホームページ
(2006年10月4日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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