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ソニー、新ウォークマンでPCレス&PCスタイルを両提案
-「アップルにない機器と連動」。次は画像閲覧モデル


10月12日発表


 ソニーは、携帯型音楽プレーヤー「Walkman S700F/S600シリーズ」および、HDDミニコンポである「ネットジュークシリーズ」の発売にあわせて、同社のオーディオ事業戦略に改めて言及した。

ソニー コーポレート・エグゼクティブ SVP オーディオ事業本部長兼コネクト事業部門長の吉岡浩氏

 ソニー コーポレート・エグゼクティブ SVP オーディオ事業本部長兼コネクト事業部門長の吉岡浩氏は、社内の体制について「今年1月からパーソナルオーディオ事業、コネクト事業部門、ホームオーディオ事業部、車載機器事業部というオーディオカテゴリーの4つの部門を一気通貫でマネジメントできる体制が整った。商品企画、開発、設計、マーケティングといった領域を通じて、オーディオ事業を、トータル戦略として推進できるようになった」と説明。

 その成果として「今年春以降、ウォークマンとネットジュークの連携提案を進め、テレビCMや店頭展示でもそれを打ち出してきた。結果として、ウォークマンは予想以上の売れ行きを示し、ネットジュークはオーディオコンポのなかで新たな世界を提案できた。年末商戦もこの組み合わせによる、PCレスでの音楽環境の提案に力を注ぐ」とした。

ネットジュークと直接連携できるようになり、PCレスで利用できる新ウォークマン


■ PCスタイルも、PCレススタイルも

 今回の新製品では、ウォークマンとネットジュークの連携を積極的に訴えることから、「PCレス」環境を前面に打ち出したプロモーションとなっている。これについて吉岡氏はソニーの音楽提案を次のように説明する。

 「ソニーはこれまで、PCスタイルとしてVAIOとウォークマン、そしてMoraを組み合わせた利用提案をしてきたが。今後はそれに加え、ウォークマンとネットジューク、エニーミュージックを組み合わせたPCレススタイルでの音楽利用提案にも力を注いでいく。どちらのスタイルでもレーベルゲートの50万曲以上の楽曲アーカイブが利用可能で、それをウォークマンで聞くという使い方ができ、ソニーはこの両方の提案を行なう」。

 アップルコンピュータのiPodおよびiTunesがPCスタイルに特化した提案であり、松下電器のD-SnapがどちらかというとPCレススタイルの提案であるのに対して、ソニーは、この双方で取り組んでいく姿勢を明確に示している。

 「ソニーが最も強味を発揮できる部分はどこかといえば、それはPCとの連動だけでなく、アップルにはないような機器との連動だといえる。ライフスタイルにあわせて選択できるようにしていく」と吉岡氏は語る。

ソニーマーケティングの鹿野取締役執行役員常務

 また、ソニーマーケティングの鹿野取締役執行役員常務も、「当社の調べによると、PCを使わずにコンポから音楽を転送したいと考えている携帯音楽プレーヤー購入希望者は、約4割に達している。こうしたユーザーが携帯音楽プレーヤーの潜在需要層と見ており、ウォークマン+ネットジュークで、この市場を掘り起こしていきたい。PCスタイルとPCレススタイルは、最終的にはソニーのオーディオ事業においては半々ぐらいになるだろう」とした。

 鹿野執行役員常務によると、2005年度は年間820万台の携帯音楽プレーヤーが国内出荷されたという。「これまで長年に渡って700万台から800万台で推移していた市場が爆発的に広がった。だが、今年度は縮小傾向にある。PCを使わずにもっと手軽に音楽を楽しみたいという新規需要層を開拓することが、市場全体を拡大することにつながる」と、今回のウォークマン+ネットジュークが、潜在需要層の開拓に効果を発揮するとの考えを示した。


■ 年末は渋谷がソニー/ウォークマン一色に?

 また、オーディオ事業における年末向けプロモーションに英国の人気バンド「オアシス(oasis)」を起用したのも、「新たな需要を開拓するという意味では、20代前半だけをターゲットにするのではなく、30代半ばまで広いターゲットをカバーしたい。オアシスならば幅広い層をカバーできると考えた」(鹿野執行役員常務)としている。

 とはいえ、主力となる20代のユーザー層に対しては、渋谷の人気クラブと連動したプロモーションを実施する考えで、「年末に渋谷を訪れるとウォークマン一色、ソニー一色という光景が見られるかもしれない。渋谷から全国に発信していくといったプロモーションを実施したい」(同)としている。

CMにオアシスを初めて起用した 年末に向けてのプロモーションスケジュール

 一方、鹿野取締役執行役員常務は、年末商戦における具体的なシェア目標には言及しなかったが、「今年春の時点では、携帯音楽プレーヤー市場におけるソニーのシェアは約10%。だが、これをネットジュークとの連動提案で、夏には20%強まで引き上げることができた。いまは製品の端境期ということもあり、やや落ち込んでいるが、20%のシェアを獲得する力はついてきたと考えている。下期は20%強のポジションをさらに高めていきたい」とした。

 吉岡氏は、画像閲覧を視野に入れた携帯端末機の開発に着手していることを明らかにした。だが、詳細については「年内の発売はない」とするに留まり、具体的な発売時期や仕様、価格などについては言及しなかった。なお、「製品化する場合には、ウォークマンのブランドで展開することになるだろう」としている。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200610/06-1012/
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(2006年10月12日)

[Reported by 大河原克行]


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