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マイクロソフト株式会社は30日、11月22日に発売を予定している「Xbox 360 HD DVDプレーヤー」について、最新情報を公開。さらに、31日の夜に公開を予定しているXbox 360のシステムアップデートの説明も行ない、Media Connect経由でのWMVファイルの再生が可能になることなどを明らかにした。
■コンポーネント/D端子でHD DVDの1080p出力はできず 「Xbox 360 HD DVDプレーヤー」は、Xbox 360に接続することで、市販のHD DVDビデオソフトが再生できるようになるドライブセット。11月22日発売予定で20,790円と低価格なことから、コストパフォーマンスに優れたHD DVDの再生環境として注目を集めている。
現在のXbox 360はD4(720p)の出力までしか対応していないが、ハードウェア的には既に1080pに対応している。31日公開予定のアップデータを適用することでコンポーネントやD端子、アナログRGBから1080p出力が行なえるようになり、HD DVDプレーヤーの接続も可能になる。なお、コンポーネント出力には別売の「コンポーネントHD AVケーブル」が、D端子出力には「D端子HD AVケーブル」が、アナログRGBには「VGA HD AVケーブル」が必要。 ただし、同社はこれまでHD DVDビデオの1080p出力に対応するとアナウンスしていたが、HD DVDビデオを1080pで出力できるのはVGAケーブルを使ったアナログRGB出力のみになるという。コンポーネント/D端子の場合は、自動的に1080pは1080iに変換される。「AACSによる著作権保護の問題でD5のアナログの出力がコンポーネント/D端子では許可されていないため」(プロダクトマーケティンググループの川中悠平マーケティングスペシャリスト)と説明する。
HDMI端子を備えたXbox 360の可能性については、ゲームショウの際と同様に「現在のところ予定はない」とした。なお、ゲームの場合はコンポーネント/D端子でも1080p出力が可能。720p向けに作られた今までのゲームソフトもアップスケーリングし、1080p出力する。「今後リリースされるであろう、最初から1080pを想定して作られたゲームは1080pでそのまま表示される」という。
音声出力としては光デジタル出力を備えているが、帯域が不足するためドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioなどのロスレス・マルチチャンネルデータなどをスルー出力することはできない。そのため「スルー出力できないデータは、7.1chサラウンドであっても全てドルビーデジタル5.1chにリアルタイム変換し、光デジタル出力する予定」という。アナログの2ch出力はプロロジックIIになる。 再生機能としては通常の据え置き型プレーヤーと同じで、インタラクティブ機能やピクチャーインピクチャー機能、ブックマーク機能などをサポート。HD DVDの映像を見ながらXbox Liveのボイスチャットなど、ゲーム機ならではのマルチタスク機能も実現している。
Xbox 360との接続はUSB 2.0で行なう。HD DVDドライブ側にはXbox 360接続用のミニUSB端子を備えるほか、タイプAのUSB端子を2系統用意。Xbox 360本体側のUSB端子がふさがれることから、HD DVDドライブをハブとして動作させることで、HD DVD以外の各種オプションが接続できる。 なお、HD DVDドライブとしてPCと接続できるか否かについては「ドライバが今のところ無いため、接続しても使えない」という。現在のところサポートする予定はないが「市場の動向見ながら、ユーザーにメリットがありそうだと感じれば、対応は変わるかもしれない」(川中氏)とした。
再生可能なディスクは「市販のHD DVDビデオソフト」のみとしており、ユーザーがコンテンツをHD DVD-Rに書き込んだり、HD DVDレコーダで録画したディスクについては、「種類が多くなるため、全ての再生をテストすることはできない。そのため、公式にサポートするのはセルHD DVDビデオのみとなる。ただし、再生できる可能性は高いと思われる」(川中氏)という。 製品の内容物としては、HD DVDプレーヤー(ドライブ)本体に加え、単品発売も行なわれる多機能な「ユニバーサルメディアリモコン」(単品価格3,150円)も同梱する。バックライトやテレビのチャンネル操作も可能な12キーも備えるなど、通常のXbox 360に付属するリモコンよりも高機能になっている。ほかにも、USBケーブルやACアダプタなどを同梱。ネットワーク接続ができないユーザー用に、前述のHD DVDプレーヤー対応アップデータを記録したインストールディスクも付属する。
■アップデータによりWMVファイルの再生が可能に 31日のアップデートでは、HD DVDプレーヤーに対応するようになるが、それ以外にも新機能が盛り込まれている。AV関連では新たにMedia ConnectをインストールしたWindows XPからのWMV動画の再生が可能になった。USBメモリやCD-R/DVD-Rなどに記録したWMVの再生に加え、ネットワーク接続したPC内のWMVもストリーム再生できる。 サーバとして機能するのはWindows XP Media Center EditionとMedia ConnectをインストールしたWindows XP。さらにWindows Media Player 11をインストールし、共有機能を利用することで連携ができるようになるという。なお、デモでは720pのWMVファイルも再生していた。
AV関連以外のアップデートでは、Xbox Liveへのサインアップ手順やメモリ管理機能など、操作性の向上が行なわれている。特にメモリ管理機能では、内蔵HDDに保存しているゲームや動画コンテンツの占有容量が一覧表示されるようになり、空き容量の確保などがしやすくなったという。 Xbox Liveマーケットプレースも拡張され、ゲーム内で利用する消費アイテムや、MMORPGのプレイチケットなどの購入に対応。ゲーム内から直接マーケットプレースを利用することもでき、今後登場するであろう、追加コンテンツの購入に対応したゲームにも対応できる。
ほかにも、Xbox Liveのアカウント作成や管理機能のセキュリティや利便性が向上。更新項目は85個に及ぶ大規模なアップデートとなっている。
□マイクロソフトのホームページ
(2006年10月30日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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