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加賀電子、「TAXAN」ブランドでプロジェクタ事業参入
-「U6」シリーズ。2007年春/秋に高機能モデルを予定


TAXAN U6-232

2007年1月10日発売

標準価格:オープンプライス


 加賀電子株式会社の連結子会社である、加賀コンポーネント株式会社は、DLPデータプロジェクタ「TAXAN U6」シリーズ3製品を2007年1月10日より発売する。

 価格はオープンプライスで、店頭予想価格は最上位モデル「U6-232」が15万円前後、「U6-132」が13万円前後、「U6-112」が9万円前後の見込み。4月にプラスビジョンから継承したプロジェクタ事業で、加賀電子の「TAXAN」ブランドを使用した、初のプロジェクタ製品となる。

 いずれも、0.55型DMDチップによるDLPプロジェクタ。レンズは光学1.1倍のマニュアルフォーカス/ズームレンズ(F2.35-2.47)。3モデルとも同じ筐体を採用する。

 3モデルの違いは、パネル解像度とランプ出力、輝度など。U6-232のパネル解像度は1,024×768ドット、最大輝度は標準モード時2,500ルーメン(騒音レベル33dB)で、エコモード時には2,000ルーメン(同28dB)となる。ランプ出力は230W。

 U6-132もパネル解像度は同じく1,024×768ドットだが、最大輝度は2,000ルーメン(騒音レベル30dB)で、エコモード時は1,600ルーメン(同28dB)。ランプ出力は200W。U6-112ではエコモードを搭載せず、パネル解像度は800×600ドット、最大輝度は1,800ルーメン(同29dB)で、ランプ出力は180W。

U6シリーズの筐体は3モデルとも共通 背面端子類

 その他の仕様は3モデルとも共通で、コントラスト比は2,000:1。チップセットは「DDP2000」を採用。画面サイズは35~300型(投写距離1.5~11.8m)。

 背面端子類はコンポーネント兼用アナログRGB(D-Sub15ピン)入出力を各1系統装備。S映像入力、コンポジット入力を各1系統、ステレオミニ音声入出力を各1系統備える。また、出力2Wのモノラルスピーカーも内蔵する。

 外形寸法は238×209×93mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2kg。リモコンやRGBケーブルなどが付属する。



■ 2007年春/秋にそれぞれ高機能モデルを投入

 発表会場では、加賀コンポーネントの青木事業部長から、U6シリーズの販売戦略についての説明が行なわれた。「ここ数年のプロジェクタ市場を見ていると、年率130%程度で成長しているが、その反面、価格下落も大きく、同20%減で低価格化が進んでいる。U6シリーズは、性能面では特殊な機能は一切搭載せず、とにかく低価格と静音設計で勝負する製品。2,000ルーメン以上のビジネススタンダードクラスはDLPのボリュームゾーン。このカテゴリでシェアを広げることで、基礎を固めたい」とした。

U6シリーズは低価格と静音設計が特徴 成長率は高いが低価格化が進むプロジェクタ市場

 今後の課題としては、「プラスビジョンで培っていた小型化技術など、受け入れた開発部隊の技術継承を進める」、「TAXANブランドをワールドワイドに向けての認知度向上」、「マーケティング手法の見直し」の3点を挙げた。

 特にマーケティング手法の見直しについては「今後は、マスメディアやインターネットなどの活用により、TAXANプロジェクタを色々なところで露出するように、広告展開なども積極的に行なっていきたい」と積極的な宣伝活動も検討しているとした。

プラスビジョンの販売手伝いや製造業務委託などがきっかけ 今後はブランド認知度向上のほか、販路拡大などが課題とした

加賀電子 塚本社長

 また、親会社である加賀電子の代表取締役塚本社長からの挨拶では、「加賀電子は元々電子部品商社から始まった会社。製品も扱うようになったきっかけは電子部品を卸していたメーカーから、まとめたキットとして組み立ててもらいたいという要望が増えたことがきっかけで、製品として完成したものを製造する技術を向上していった。現在は売上の30%がこうした製品の製造によるもの」と、これまでの加賀電子の歴史を語った。

 プラスビジョンのDLP事業の継承については、「プラスビジョンのDLP事業については、3年ほど前から委託を受けて、生産業務を行なっていた。だが、プラスビジョンの持つ販路だけでは、市場が伸びず苦しんでいたため、このままでは生産を行なう我々も苦しいし、プラスビジョンと共倒れになってしまうと、話を持ちかけ、2006年4月より事業を引き継いだ。引継ぎの際に、従来のプラスビジョンのブランド名を2年間使わせてもらえるという条件が提示されていたが、いつか使えなくなる期限付きのブランド名で続けるよりは、早めに自社ブランドに切り替えてしまう方がいいと考え、TAXANブランドでのプロジェクタを早々に出すことにした」とした。

 また、プラスビジョンとの違いとしては、「我々にはPC関連事業などで培った広い販路がある。こうした販路を活かして国内でのビジネスを展開していくだけでなく、全世界での展開を検討している。今後、全社を挙げて市場を拡大していくことを考えたら、既に世界に名の通ったTAXANブランドを使う方が拡販が行いやすい」と、説明した。


現在は、プラスビジョン開発の製品も併売している

 今後の製品展開については、「2007年春と秋にそれぞれ高機能モデルを投入する予定。販売目標は2006年度は全モデル合計で5万台、2007年度は10万台を目指す」と、新製品投入時期を明らかにした。ホームシアター向け製品の発売予定についての質問に対しては、「ホームシアター市場も、意識していないわけではないが、まずはビジネス市場で足場固めを行いたい」とした。

 「部品が川上なら、製品は川下。今回発売したU6シリーズとプラスビジョン開発のDLPプロジェクタで、ビジネス市場でのシェアを広げていく。加賀電子の本領である部品調達をより安く行なうことで、より低価格の製品で攻めていく。国内だけでなく、元々プラスビジョンが得意だった中国やインドエリアでのシェアも伸ばしていくほか、現在はロシア国内に新たな拠点を準備中なので、ここでもシェアを広げたい。その他にもヨーロッパ、アメリカの拠点も利用して、全世界にTAXANブランドの拡充を狙う」と、目標を語った。


□加賀電子のホームページ
http://www.taxan.co.jp/
□加賀コンポーネントのホームページ
http://www.kgcompo.co.jp/
□ニュースリリース(pdf)
http://www.kgcompo.co.jp/html/news_20061122.pdf
□プロジェクタページ
http://www.taxan-projector.com/
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060223/plus.htm
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050301/ti.htm

( 2006年11月21日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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