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株式会社ケンウッドは、「Kseries」の新モデル「Kseries Esule」(Kシリーズ エシュール)としてCDレシーバと3ウェイブックシェルフスピーカーを発売する。通常モデルに加え、創立60周年を記念してかつてのブランド「TRIO」を限定復活。手作業によるチューニングを加えた高音質モデルとして「K-TR60」をラインナップする。各モデルの型番と価格、発売日は下表の通り。
■ Kseries Esule
CDレシーバの「R-K1」と、3ウェイブックシェルフスピーカー「LS-K1」で構成されるシステム。セット販売はされないが、両モデルでの組み合わせを想定している。ケンウッドでは2006年12月に「Kseries」、2005年10月に「Kseriesステップアップモデル」の2モデルを音質マイスターエディションとしてリリースしているが、Kseries Esuleでもマイスターが開発に携っている。 R-K1はアンプとAM/FMチューナ、CDプレーヤーを一体化したモデル。差動出力方式のWolfson製DAC「WM8740」を搭載し、フルバランス伝送回路を採用。回路間の干渉を抑えることで、ノイズの影響を排除し、ピュアな信号伝送が行なえるという。さらに、アナログ入力部でも端子直後にバランス信号化して伝送している。 アンプ部の定格出力は38W×2ch(6Ω)、45W×2ch(4Ω)。最大出力は55W×2ch(6Ω)、70W×2ch(4Ω)。ボリュームにはWolfson製の「WM8816」を使用。アンプ部には独立電源供給型の差動三段増幅回路を使用している。 CD再生時や入力されたデジタル信号には、20kHz以上の音楽信号を復元するという「Supreme EX」機能が利用可能。DACの制御用に高精度のマスタークロックを搭載。セレクター/トーン回路基板をスルーし、CD信号をアンプへ最短経路で入力するCDダイレクト機能も備えている。 電源部には大型のトロイダルトランスを使用。デジタル回路、セレクター/トーン回路、アンプ回路はそれぞれ独立基板を採用。電源部とアナログ回路部も構造的に分離させ、振動やノイズの影響を防いでいる。フロントパネルは最厚11mmのアルミパネル。 入力端子としてアナログ3系統を用意。デジタル入出力は光デジタルと同軸デジタルを各1系統搭載。サンプリングレートコンバータも備えている。出力は録音用としてアナログを2系統用意。MMのフォノイコライザも内蔵する。スピーカーターミナルはバナナプラグ対応。本体の外形寸法は280×407×151mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は9.6kg。 スピーカーは3ウェイ3スピーカーで、エンクロージャはバスレフ型。12cm径ウーファの振動板にはクロスカーボンとパルプを組み合わせた新開発のハイブリッド・クロスカーボンを使用。ボイスコイルにはマグネットの磁束を最大限に活用したというスクエアボイスコイルを使用しており、高い低域再生能力を持つという。 2.5cm径ツイータはソフトドーム型でスクエアボイスコイルを搭載。スーパーツイータは2cm径のハードドーム型で、超軽量アルミ振動板を使用している。なお、エンクロージャはウーファ用とスーパーツイータ/ツイータ用で構造的に分離しており、スムーズな空気の動きを実現している。 エンクロージャの素材はMDFで、突き板仕上げ。バナナプラグ対応の真鍮無垢削り出しのスピーカー端子を採用している。インピーダンスは6Ω。再生周波数特性は45Hz~40kHz。クロスオーバー周波数は3kHzと20kHz。外形寸法は180×275×330mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は5.7kg。
□ニュースリリース
■ TRIOモデル
創立60周年を記念し、かつてのブランド「TRIO」を使用した高級モデル。「R-K1」と「LS-K1」をベースにしながら、音質マイスターが厳選した高音質素材や、量産モデルでは困難な手作りによる加工を加えている。また、マイスターによる試聴や音質確認も行なっており、一台一台に「音質確認証」が付属する。 製品の構成はKseries Esuleと同じで、CDレシーバとスピーカーのセット。単品発売は行なわれず、セット販売のみとなる。主な機能やアンプの出力、S/N比、スピーカーの再生周波数特性などの数字的なスペックもKseries Esuleと同じ。外形寸法と重量も共通。 外観的な違いは、カラーリングがKseries Esuleのシャンパンゴールドに対し、TRIOモデルはシルバー。フロントパネルに「TRIO」ロゴを刻んだ。ボリュームやセレクタにはスピン仕上げのアルミツマミを使用している。スピーカーターミナルは、より太いケーブルが接続できるよう、大型化されている。 回路基板上の銅箔を、Kseries Esuleの倍の厚さの70μmに変更しており、信号劣化を低減。新開発の大型コンデンサーも使用するほか、計4個配置しているアンプ素子の特性を選別によって揃え、左右チャンネルの音質特性を極限まで合わせたという。 スピーカーのスーパーツイータも変更。チタン素材を用いてボイスコイルボビンと振動板を一体成型しており、より高い応答特性を実現したという。また、キャビネットの仕上げも希少性の高い、マーブルウッド材の突き板を使用。サランネットにもTRIOのバッジをあしらっている。さらに、付属のスピーカーケーブルも従来の約2倍となる、芯線を108本に増やしたものを同梱する。 ケンウッドという社名は'86年に変更されたもので、それ以前はトリオとして、FMチューナの名品を多く手掛けたほか、業界で初めてオーディオのトランジスタ化に踏み切るなど本格的なオーディオ専門メーカーとして活躍。オーディオブーム全盛にはサンスイ(山水電気)、トリオ(ケンウッド)、パイオニアと並び、「サン・トリ・パイ」のオーディオ御三家として親しまれた。
TRIOブランドの復活について同社では「最高峰の性能と品格を兼ね備えたプレステージモデルと位置付けており、長年のユーザーのご愛顧に感謝の気持ちを込めて、往年の高級ブランドを限定的に復活させることにした」と説明している。
□ニュースリリース
□ケンウッドのホームページ
(2006年11月22日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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