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CEA(全米家電協会)は6日(現地時間)、CES事前イベントとして「CES Unveiled」を開催した。CES Unveiledは、CES開催前に、いくつかの企業の発表製品が見られるプレス向けイベント。ソニーや松下などの大手企業は参加しないが、ブース規模の小さな中小の企業が約80社参加し、製品をプレスにアピールする場として活用されている。ただしその多くは、未発表の製品ではなく、すでに発表済みであったり、発売済みであったりするものが多く、この場で「Unveiled」というものは少ない。
Shure SEは全部で4モデル。最上位モデルである「SE530」は、すでに発売済みの「E500」を名称変更したものだが、残りの3モデルは、新規開発モデル。デザインテイストも、E500に似たモチーフになった。廉価モデルである「SE210」と「SE310」は1ドライバ、「SE420」は高音1、低音1の2ドライバ搭載。 既にE500として発表済みの高音1、低音2の「SE530」を併せると、上から下までバリエーション豊かなラインナップ構成となった。出荷は全モデル2月の予定。価格は下位から順に149.99ドル、249.99ドル、349.99ドル、449.99ドル。
SEシリーズ共通の特徴が、新しいイヤーチップ。従来からある、黄色いスポンジ状の「フォーム・イヤーチップ」に似た材質ながら、型くずれしにくい表面加工がされており、先端も耳に入りやすい弾丸状になっている。なお、この黒いフォーム・イヤーチップは、従来のEシリーズ用イヤーチップと互換性があるため、別途購入すれば、Eシリーズでも利用可能だ。
そのほかに目立ったものは、Mojoplayが12月に発売したゲーム機用ポータブルディスプレイ「MP-920XB」。Xbox 360にシームレスにつながる他、PS2やWiiにも対応。解像度は800×480ドット。 また、米Logitechが発売中の学習リモコン「Hermony」シリーズの最上位機「Hermony 1000」も展示されていた。デザインが従来の縦長から一新され、タッチスクリーン付きで、複雑なメニューも比較的容易に管理可能となった。
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●ビル・ゲイツの後は「まだ未定」。業界向けに規模「縮小」も
ゲイリー・シャピロ会長兼CEOは、今年の開催規模について、「出展社数は2,500から2,700へと増加している。ただ、来場者数は昨年の15万2,000人から少し減って14万人を予想している。昨年はあまりにも多くの人が来すぎて、来場者に満足を与えられなかった。せっかく日本から来たのに、タクシーの列で30分待ち、なんてもったいない。だから、今年からは入場登録の条件を厳しくした。近隣の州からの観光客を廃し、純粋に家電業界に関係のある人だけが集まるイベントにしたいと考えている」とした。 また、今回が最後となりそうな、ビル・ゲイツ氏の基調講演については、「ゲイツ氏は、CESに多大な貢献をしていただいた。彼ほど重要かつ機知に富んだビジョナリーはあまりいない。後継者はまだ決まっていないが、おそらくは、家電業界・IT業界・放送業界・映画業界・通信業界すべてに関わる、横断的な人物に依頼することとなるだろう。で、誰がいいと思いますか?(笑)」と日本のプレスに逆質問。ビル・ゲイツ氏が抜ける穴は大きいようだ。 「任天堂の岩田社長はどうか?」という提案には、「確かに、可能性がある。日本だと、ソフトバンクの孫正義社長は、ブロードバンドの普及に広く貢献し、コンテンツの面でも様々な戦略を持っている。ワールドワイドレベルで、そのような立場にある企業のトップを検討することになるだろう」と回答した。 今年の基調講演が、従来のハードウェアメーカー寄りから、コンテンツメーカー寄りにシフトした理由については、「現在、業界は『新たなコンバージェンス』の時代にある。その中で、映画業界や放送業界の持つ価値は高まっており、彼らのコメントには大きな価値があると考える。ハリウッドやテレビ業界の力を、ネットワークを生かしていかに家電に取り入れていくかが、業界の大きなテーマである」とした。
さらに、「CESは傘のようなもので、家電・ゲーム・通信・放送・コンテンツと、すべての領域をカバーする。家電に関わるすべての業界人が、1カ所で全領域にアクセスできる、とって重要なイベントとなるようにしたい」と説明した。
□2007 International CESのホームページ(英文) (2006年1月7日) [Reported by 西田宗千佳]
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