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北米HD DVDプロモーショングループは、2007 International CES会場でプレスカンファレンスを開催した。 オンキヨーやMERIDIANのHD DVDプレーヤー発売など、ハードウェアのサポート企業の増加や、リファレンスデザインの提供によるパートナー拡大策が紹介されたほか、ビデオタイトルについても2007年中に約300本の製品化を見込んでいること、バンダイビジュアルがアニメタイトルを投入することなどが明らかにされた。また、容量51GBのHD DVD-ROMの規格化などについても報告された。 【お詫びと訂正】(1月9日)記事初出時にバンダイビジュアルの年内発売タイトル数を誤って記載しておりました。お詫びして訂正します。
■ オンキヨーや中国メーカーが年内プレーヤー発売 2006年春の製品投入以降、北米市場では東芝のHD DVDプレーヤーやXbox 360 HD DVDプレーヤー、HPやAcer、東芝のノートPCなど合計で約17万5,000台のHD DVD再生機器が販売された。新フォーマットの1年目として好調な立ち上がりを示したが、さらに2007年は北米市場だけで、PCやXboxを含め250万台のHD DVD再生対応製品を販売する計画という。 製品関連では東芝が1080p出力対応の新プレーヤー「HD-A20」を今春発売することを明らかにしたほか、新たにオンキヨーと米MERIDIAN、さらに中国のShincoとAlco Electronics(Venturer)がHD DVDプレーヤーを発売する。 オンキヨーは2007年内に北米市場で製品を発売する予定。Shincoは2007年中にHD DVDプレーヤー「HD-A100」を、Alcoも同じくHD DVDプレーヤー「SHD7000」を年内に発売する。 なお、同日に発表されたLG ElectronicsのBlu-ray/HD DVD両対応プレーヤー「Super Multi Blue Player(BH100)」については、会見中では言及されなかった。
また、BroadcomとMicrosoftは共同でHD DVDプレーヤー用のリファレンスデザインを開発し、プレーヤーメーカーに提供する。同リファレンスデザインを利用することで、開発工程の省力化や低コスト化が実現可能とする。 リファレンスデザインはBroadcomのシステムLSI「BCM7440」にWindows CE 6.0を組み込み、HD DVDのデコーダやグラフィックエンジン、HDi機能などを統合したシステムとしてメーカーに提供するもの。同チップセットを搭載したプレーヤーをLite-OnやZhenjian Jiangkui Group(ED Digital)が2007年の第2四半期頃に発売予定という。
PC用ドライブについては東芝(TSST)が記録型HD DVDドライブ「SD-H903A」の出荷を開始したほか、2007年中にノートPC用の薄型ドライブやスロットローディングドライブを投入するという。車載用途についてはAlpineがHD DVD搭載の車載システムを開発。CESの同社ブースに出展予定。これらの取り組みで、2007年中に北米だけで、PCやXboxを含め250万台のHD DVD再生対応製品を販売するという。 また、HD DVDプロモーショングループ議長で、東芝上席常務 デジタルメディアネットワーク社の藤井美英社長は、2007年の東芝の北米市場のプレーヤー目標として「最低でも180万台。HDTVの市場が急拡大し、多くの人が高精細映像を求めている。なぜ、HD DVDを買わない理由があるのだろうか?」と語った。
さらに、東芝は1層の容量を、マスタリング技術の改良により既存の15GBから17GBに拡張した、3層で容量51GBのHD DVD-ROMの規格化作業に取り組むことを明らかにした。同社では基本特性のテストでは良好な結果が出ており、多少の製造コスト増加で3層51GBディスクの実現も見込めるという。 今後、DVDフォーラムに提案を行ない、2007年中の規格策定を目指す。既存製品との互換性については、今後検討を進めていくという。 ■ 年内に300タイトルを用意。ハリーポッターやスタートレックも ビデオタイトルについては、年内に全世界で300以上の映画タイトルを発売予定。HD DVDビデオソフト売上高は6億ドル以上(約710億円/2007年1月7日現在)、2006年比で約40倍の成長を目指していく。
コンテンツ提供社は、Waner Home VideoやParamount、Universal、HBO、New Line、Genius Product、The Weinstein Company、Studio Canal、バンダイビジュアルなど41社がHD DVDをサポート。 2007年中に発売予定のタイトルとして、「Babel(バベル)」、「Flags of Our Fathers(父親たちの星条旗)」、ディカプリオ主演の「The Departed」(2月13日発売/DVDコンボで39.99ドル)、ロバート・デ・ニーロ監督作「The Good Shepherd」などの新作に加え、「ハリーポッター」や「マトリックス」、「ブレードランナー」シリーズや「オーシャンズ11/12」のHD DVD化も予定している。 また、テレビシリーズのHD DVD化にも取り組み、「Battlestar Galactica」、「The Sopranos」などに加え、オリジナル「Star Trek」のデジタルリマスター版もHD DVD化を予定しているという。
Universal Studio Home Entertainment社長で、北米HD DVDプロモーショングループ議長のCraig Kornblau氏は、HD DVD/DVDをそれぞれ片面に記録したコンボディスクなどの特徴をアピール。特にコンボディスクを採用した、「スーパーマン」、「マイアミ・バイス」、「ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT」(いずれも北米版)が人気を集めているという。 また、HD DVDプレーヤー1台につき、28枚のディスク購入という調査実績を挙げ、販売実績の高さを説明。さらに、将来モデルでは、コンシューマの要求に応えるためネットワーク機能を強化していくと訴えた。 また、今回特別に用意したネットワーク機能のデモ用ディスクを用いて、初代HD DVDプレーヤー「HD-XA1」でデモを行なった。内容は、ディスクのインタラクティブ機能を用いた「お気に入りリスト」を「友人に送る」と設定すると、友人側に通知され、そのシーンをダウンロード可能とするもの。HD DVDプレーヤーは、ネットワーク機能や一時用のフラッシュメモリ領域(persistent storage)を有しているためこうした応用も期待でき、2007年中には同機能を用いたディスクも提供される見込みという。
□2007 International CESのホームページ(英文) ( 2007年1月8日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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