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ソニーは16日、VAIOシリーズの新展開として「Extension Line by VAIO」を発表した。テレビサイドPCや“Wi-Fiオーディオ”など、PCを利用しながらも新しいAVソリューションを提案する製品群として展開していく。今回、Extension Line by VAIO製品に触れて試すことができた。
円形のデザインが特徴の「VGX-DT1」は、ネットワークを介した録画機能を備えた地上/BS/110度CSデジタルチューナ。店頭予想価格は約5万円前後。 D3出力端子や光デジタル音声出力端子を備えた単体のデジタルチューナとして利用できるほか、PCとEthernet経由で接続し、PCのHDDにデジタル放送録画が行なえる。デザインだけでなく、機能的にもユニークな製品だ。 つまり、テレビ用のシンプルなデジタルチューナのほか、パソコンの外部デジタルチューナ/録画ユニットとして利用できる。同時発表のテレビサイドPC「VGX-TP1」のほか、付属の専用アプリケーション「VAIO Digital TV」をパソコンにインストールすることで、TP1以外のパソコンでも利用可能となる。 VAIO Digital TVからは、録画予約や再生操作などが行なえ、データ放送にも対応。録画/視聴モードは放送ストリームそのままの「DR」のほか、HD映像を約40%圧縮して記録する「HR」、SD解像度の「SR」、「LR」の各モードが用意される。 注目される「HR」は、ソニー製トランスコーダチップの採用により、入力映像の横解像度を圧縮して1,440×1,080ドット、約12Mbpsに低ビットレート化、記録時間を伸ばすモード。「他社のトランスコーダと比べ、画質には自信がある。HRモードはもちろん、約8MbpsとなるSRモードのSD画質でもかなりの画質が実現できた」という。
ただし、使用に当たって注意したいポイントもある。パソコンへの録画は、DTCP-IPにより著作権保護を行ない、コピーワンスのルールに則り実現している。そのため、同時に複数のパソコンに録画予約を行なうことはできない。 また、HDDに録画した番組はそのパソコンでのみ再生可能。例えば東芝REGZA ZシリーズのLAN HDD録画のように、DT1をクライアントとして、パソコン内の番組にアクセスしてDT1に接続したテレビに出力する、といった利用はできない。 もう一点は、パソコンの要求スペックが高いこと。Intel Core 2 Duoなど、比較的高スペックのCPUが要求されるほか、COPPに対応したビデオドライバが必要となり、ディスプレイもHDCP対応のDVIやHDMIが要求される。つまり、Blu-rayやHD DVDをパソコンで視聴するのとほぼ同じ制限がある。 なお、VAIO Digital TVでは、録画したデジタル放送番組のDVD-RW/RAMへのムーブにも対応する。現時点ではBD-R/REへのムーブには対応しないが、「これはDTCP-IPを使って録画した番組について、(Blu-rayで利用する)AACSを用いてムーブする要件がARIBで定まっていない」とのことで、今後の対応に期待したい。 VGF-DT1付属のリモコンでは、チューナの基本操作用リモコンが付属するが、VAIO Digital TVの操作はできない。しかし、同時発表の“テレビサイドPC”「VGX-TP1(実売13万円前後)」との組み合わせでは、TP1のリモコンでVAIO Digital TVの各種操作も可能となる。
VGX-TP1は本体デザインもDT1とあわせた円形の筐体で、セットモデルの「VGX-TP1DT(実売20万円前後)」も用意される。
VGX-TP1では、新たに地上アナログ録画番組を管理する新アプリケーション「VAIO Video Explorer」も搭載している。録画した番組の管理のほか、番組内のテロップを抜き出して、テロップから再生したい箇所を選択する「テロップ再生」、見所を自動ピックアップして再生する「ダイジェスト再生」などの機能を搭載する。 さらに、So-netのiEPGサイト「テレビ王国」の番組データや、ゼータブリッジの提供するCMデータを元に、録画した番組のタイトル/ジャンル/放送局/出演者や、CMの商品名/出演者/BGMなどを表示。表示されたキーワードをクリックするだけで、ホームページやWeb検索が可能な「Webリンク」機能なども備えている。
□ソニーのホームページ ( 2007年1月17日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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