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ソニーは、HD撮影に対応したビデオカメラの2007年春モデル3機種を2月10日に発売する。DVDに記録するAVCHD対応モデルが「HDR-UX7」と「HDR-UX5」の2機種、テープに記録するHDVモデルが「HDR-HC7」の1機種。価格はいずれもオープンプライス。各モデルの仕様と店頭予想価格は下表の通り。 なお、HDDモデルは追加されず、2006年10月に発売された「HDR-SR1」が併売される。
HDR-UX7とHDR-HC7は、従来から採用しているクリアビッドCMOSセンサーの解像度を向上。よりきめ細かい映像が撮影できるようになった。従来のHDR-HC3/UX1/SR1は総画素数210万画素(有効画素143万画素)だったが、約1.5倍となる320万画素(有効画素228万画素/動画/16:9時)になった。最低被写体照度は5ルクスを実現。 静止画は独自の画像処理エンジン「エンハンスド イメージング プロセッサー」を利用することで、画素補間により業界最高となる610万画素相当(2,848×2,136ドット)で撮影が可能。HDR-UX5は従来と同じ210万画素のクリアビッドCMOSで、400万画素相当の静止画記録となる。さらに、付属ソフト「PictureMotionBrowser」を利用することで、撮影後の150万画素HD動画から約300万画素相当(3,840×2,160ドット)の静止画を切り出すこともできる。 また、3機種とも民生用カメラとして初めて、動画用の色域空間の国際規格である「xvYCC」に準拠。同社は対応機器を「x.v.Color」と呼称しており、3モデルとも「x.v.Color」モデルとなる。 従来のsRGBでは、769色のマンセル色票の55.8%しかカバーできなかったが、「x.v.Color」モデルではカバー率100%で撮影が可能。特にピンク系やエメラルドグリーンなどの発色を従来より鮮やかにとらえることができる。
ただし、x.v.Colorモードで撮影した映像は、xvYCC対応テレビ以外では記録されているすべての色域は再現できない。非対応のテレビに接続した場合「テレビによっても異なるが非対応のテレビで表示しても、不自然な色味になることはないと考えられる。だが、x.v.Color本来の鮮やかな色調を楽しんでいただくためにも、対応テレビでの再生を推奨する」(ソニー)とのこと。 なお、対応テレビが少ないことなどから、x.v.Colorモード撮影は標準でOFFになっている。また、SD解像度での撮影時にx.v.Colorモードを利用することはできない。ただ、国際規格のxvYCCはHDMI 1.3で採用されており、今回のHDカム3機種はHDMI端子も備えているが、1.3に完全に準拠はしていない。1.2をベースに、xvYCC対応したものだという。 全モデルでメモリースティックDuoスロットを装備。また、新型バッテリー「Hシリーズ」を採用。容量アップに加え、高速充電に対応。残量表示の精度も向上している。
■ AVCHDモデル
8cm DVDにHD映像をMPEG-4 AVC/H.264フォーマットで記録できるAVCHDハンディカム。上位モデルの「HDR-UX7」は1/2.9型の320万画素クリアビッドCMOSセンサーを搭載。有効画素数は動画時で228万画素(16:9)、静止画で304万画素(4:3)。 前モデルのHDR-UX1と比べ、新たに光学式の手ブレ補正を搭載。レンズはカールツァイス、バリオ・ゾナー T*で、光学10倍ズーム。焦点距離は35mm換算で40~400mm(16:9)。液晶モニタは3.5型で21.1万画素、タッチパネル仕様。ビューファインダーは0.27型で12.3万画素。内蔵マイクで5.1chサラウンド音声が収録できるほか、マイク端子やヘッドフォン端子も備える。 ドライブ部はDVD±R/RWに加え、DVD+R DLへの書き込みにも対応した。さらに、「シンプルボタン」を装備。初心者が誤って設定ボタンなどに触れても撮影が続けられるように、シンプル操作モードに移行することで基本操作以外のボタン操作が無視されるようになる。
レンズまわりにカメラコントロールダイヤルは備えていないが、レンズの下部にツマミ形状のコントロールダイヤルを装備。マニュアルフォーカスなど、割り当てられる機能はレンズまわりのコントロールダイヤルと同等だという。
下位モデルの「HDR-UX5」は、UX1をベースに「x.v.Color」対応やシンプルボタンを搭載したモデル。液晶サイズがUX1の3.5型から2.7型へと小型化され、マイク/ヘッドフォン端子は省かれている。 UX1と同じ1/3型の210万画素クリアビッドCMOSセンサーを搭載。400万画素相当(2,304×1,728ドット/4:3)の静止画撮影が可能。有効画素数は動画時で143万画素(16:9)、静止画で199万画素(4:3)。 レンズはバリオ・ゾナー T*の10倍ズームでUX7と共通だが、焦点距離が異なり、35mm換算で41.3~485mm(16:9)となる。手ブレ補正は電子式。コントロールダイヤルは備えていない。液晶モニタは2.7型タッチパネルで21.1万画素。ドライブ部の仕様は共通。
UX1やSR1に同梱していた「PictureMotionBrowser」を両モデルに付属。カレンダー風の画面に撮影日ごとに静止画や動画を総合的に管理できるほか、動画の簡易編集や、動画からの静止画切り出しも可能。AVCHDディスクの作成や、HD映像をSDにダウンコンバートしてのDVDビデオライティングなどもサポートしている。
HDMI出力を備えるほか、特殊形状のD3、コンポジット、S映像出力を用意。付属バッテリ装着時の外形寸法は72×145×87mm(幅×奥行き×高さ)で共通。重量はUX7が約590/690g(本体のみ/撮影時)、UX5が約530/610g(同)。連続撮影時間はUX7が2時間、UX5が1時間30分。
■ HDVモデル 「HDR-HC7」はDVテープを使ったHDVモデル。記録媒体以外はAVCHDモデルの上位版「HDR-UX7」とほぼ同じ仕様。1/2.9型の320万画素クリアビッドCMOSセンサーを搭載する。有効画素数は動画時で228万画素(16:9)、静止画で304万画素(4:3)。静止画撮影の画素数も同じ。 HDR-HC3の後継モデルとなっており、新たに光学式手ブレ補正も備えた。さらに、ヘッドフォンやマイク端子も追加されている。サイズも小型化しており、本体のみのサイズでは、HC3が82×139×78mm(幅×奥行き×高さ)、HC7が82×138×82mm(同)となる。重量は約550/650g(本体のみ/撮影時)。
液晶モニタは2.7型でタッチパネルの21.1万画素。マニュアル機能ではシャッタースピードの変更もできるようになった。さらに、「PictureMotionBrowser」も新たに同梱している。 レンズはバリオ・ゾナー T*で、光学10倍ズーム。焦点距離は35mm換算で40~400mm(16:9)。ビューファインダーは0.27型で12.3万画素。Hシリーズのバッテリに対応しており、連続撮影時間は1時間40分。HDMI出力や変換ケーブルを利用してD端子、S映像、コンポジット出力も備える。また、i.Linkも用意する。
2007年春モデル用アクセサリとして、0.7倍のワイドコンバージョンレンズ「VCL-HG0737C」(2月10日発売/18,900円)、1.7倍のテレコン「VCL-HG1737C」(2月10日発売/18,900円)などを用意する。また、同日には水深5mまで対応可能なスポーツパック(SPK-HCC/2月10日発売/24,990円)もリリース予定。
□ソニーのホームページ
(2007年1月18日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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