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社団法人日本レコード協会(RIAJ)は29日、携帯電話向けの違法な音楽配信に対する実態調査を発表。違法サイトについては51%が利用経験を持っており、利用者の約8割は罪悪感を持っていないという結果が出た。 調査は携帯電話を利用するモバイルアンケートで、サンプル数は1,036。実施期間は2006年11月3日~8日。調査委託先は野村総合研究所のコンサルティング事業本部。なお、「違法サイト」には、掲示板サイトへのファイル投稿(アップロード)も含まれている。 今回の調査では、54%が有料音楽配信サイトの利用者で、最も多いのは月にダウンロードする楽曲数が2~5曲のユーザー(52%)。「1曲以下」は43%、「6~10曲」は4%、「11曲以上」は1%。一方、有料サイトの非利用者のうち、今後利用したいという回答は20.2%。利用したくない理由は42.1%が「価格が高い」、19.2%が「無料サービスを利用している」となっている。 違法サイトは74.0%が認知しており、「よく利用する」と「たまに利用する」を合わせると35.5%。さらに、「利用したことはあるがこの半年は利用していない」も合わせると51%となる。年代別では12~15歳が最も多い認知率90.5%、利用率64.5%で、若年層ほど認知率・利用率ともに高い結果になった。違法アップロード行為についてはサイト利用者のうち17.7%が経験し、特に多いのは12~15歳(33.0%)と16~19歳(20.8%)。 違法サイトを認知した時期は、「1年以上前」が43.8%で、「半年~1年前」が22.5%。経路としては「携帯電話でのネットサーフィン」が39.6%、「友人から聞いて」が24.4%、「パソコンのインターネットで見て」が22.1%となっている。特に10代では40%以上が友人からの口コミで違法サイトの存在を知っており、20代、30代は携帯サイトで発見する割合が高い。 違法の着うたダウンロード数では、最も多いのが「月2~5曲」(30.7%)で、以下は「3カ月に1曲以下」(25.7%)、「月に1曲」(20.2%)となっている。10代前半はダウンロード数も多く、平均で月6.36曲。12~15歳の46.1%が月に2~10曲ダウンロードしている。また、違法着うたフルに関しても10代前半が最も多く、平均ダウンロード数は月2.45曲。 RIAJでは、調査によるダウンロード数を違法サイトの利用者数推定値で掛け、月間約2,390万以上、年間で約2億8,700万以上の音楽ファイルがダウンロードされていると推定。内訳は着うたが2億3,400万、着うたフルが5,300万としている。 違法サイト利用者が正規の有料着うたを購入する楽曲数は、24.0%が「減った」となっており、「増えた」は10.3%。CD購入についても「減った」が15.9%、「増えた」が5.0%となっている。 有効回答数のうち75.8%は著作権に関する認識を持っていたが、違法サイトユーザの罪悪感は、「あまり感じない」、「全く感じない」を合わせると82.1%。10代では28.4%が感じているが、年代が高くなるにつれ低下している。 また、現在違法サイトを利用していない層のうち56.7%が違法サイトを「利用したい」と回答しており、最も高いのは12~15歳で66.0%。有料サイトの利用者においては62.9%が「利用したい」と答えている。
□日本レコード協会のホームページ ( 2007年1月29日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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