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シーゲイト、無線/Bluetooth接続のワイヤレスHDD技術
-1.8型HDDを内蔵。携帯機器との連携を想定


ワイヤレスHDDリファレンスモデル

3月5日発表


 日本シーゲイト株式会社は5日、無線LANやBluetoothによるワイヤレスHDD技術「Digital Audio Video Experience(DAVE)」を発表した。機器開発メーカー向けに2007年第2四半期より提供開始する。なお、同技術を利用した自社製品の発売は予定していない。

 DAVEは、携帯電話やポータブルプレーヤーと無線LANやBluetoothで接続するHDD向けの無線通信技術。DAVE対応のHDDに映像や音楽、画像ファイルなどを保存し、対応携帯機器上から無線接続して利用できる。

 無線部は、IEEE 802.11b/g対応の無線LAN、またはBluetooth 2.0を採用。内蔵するHDDは1月より出荷開始した1.8インチサイズの「Lyrion」の低容量モデル(10~20GB)を推奨する。

 対応プラットフォームは、携帯電話用「Symbian OS」で、DAVEを利用するためのHDDコントローラソフトなどを用意。なお、Microsoftの携帯機器向けOS「Windows Mobile」など他のプラットフォームへの対応についても、顧客の要望に応じて順次行なっていくとしている。

薄型のポータブルワイヤレスHDDで、バッテリ駆動に対応

 同社が開発しているリファレンスモデルでは、1.8インチ/10~20GBのHDDを内蔵。

 電源は内蔵のリチウムイオンバッテリで、ネットワーク利用時の連続駆動時間は約10時間、Bluetooth接続における非通信時の連続待機時間は14日間前後。充電はPCなどとUSB 2.0接続で行なえるほか、ACアダプタ経由での充電や動作にも対応する。

 外形寸法は89×61×12mm(縦×横×厚み)、重量は70g。

 同社では、HDDコントローラソフトや接続インターフェイスなどに関する技術のみ。あるいはドライブやコントローラ、無線LANやBluetoothなどのユニットまで、顧客の要望に応じて提供する。

 内蔵HDDについても、1.8インチ/60GBモデルの搭載が可能なほか、1インチや2.5インチなど他のサイズのドライブにも対応できる。

□ニュースリリース
http://www.seagate-asia.com/sgt/japan/newsreleasecnt.jsp?articleId=3834(DAVE)
http://www.seagate-asia.com/sgt/japan/newsreleasecnt.jsp?articleId=3835(Symbian OS)



■ STマイクロ製「Nomadik」用のHDDコントローラも提供

 そのほか、STマイクロエレクトロニクス製のアプリケーションプロセッサ「Nomadik」シリーズでシーゲイト製HDDを利用するドライバ/コントローラ「Storage Management Module(SMM)」の提供も開始する。搭載製品は2007年第2四半期より出荷開始予定。

 HDD搭載ポータブル機器において、消費電力の低減やパフォーマンスの向上などが図れるほか、開発期間も短縮できる。また、前述のDAVEと組み合わせることで、ワイヤレスHDDとして機能する製品の設計が可能。

Quantum製のポータブルデジタルテレビにHDDを内蔵したモックアップ。HDDへの録画機能なども備える 実際に動作する状態のモデルを参考展示。最終的にはモックアップと同サイズの筐体に全て収まる。開発中のため、背面には1.8インチHDDがテープで貼り付けられている

□ニュースリリース
http://www.seagate-asia.com/sgt/japan/newsreleasecnt.jsp?articleId=3836



■ 「1.8型HDDの優位性は崩れない」

 発表会では、同社グローバルコンシューマーエレクトロニクスマーケティングディレクターのロブ・ペイト氏よりDAVEなどを解説した。

Seagateのロブ・ペイト氏

 ペイト氏はここ近年のトレンドとして「映像や音楽など、エンタ-テインメントはアナログからデジタルへと変わりつつある。デジタルエンターテインメントでは、利用者の状況を考えると“テレビ”、“ポータブルプレーヤー”、“PC”、“携帯電話”、“自動車”の5種類の異なるスクリーンに対応する必要がある」と、現在のデジタルAV機器で主に利用している5種類の“画面”を挙げた。

 同氏はこれら5種類の“画面”において、PCを「ノートPC」として考えると、5種類のうち4種類がモバイル用途の製品であるとし、「こうしたモバイル製品に、より簡単にHDDを搭載できるようにする技術の1つとしてSMMを提供する」とした。

 また「携帯電話などHDDを内蔵しにくい機器で、大容量のコンテンツを扱うには、ワイヤレスHDDが便利だ」と、DAVEの重要性についても語った。

 そのほか、質疑応答の中で、フラッシュメモリとの価格競争について言及、「フラッシュメモリの大容量化/低価格化が進む中、1インチHDDについては、容量/価格面で不利な状況にあるのは確か」と、1インチHDDの状況について説明。

 ただし、1.8インチHDDについては、「現在、フラッシュメモリで60GB相当の製品を出そうとしたら、かなり高価になるだろう。少なくとも1.8インチHDDと同価格以下で提供するためにはまだ時間がかかるはずだ」と1.8インチHDDの価格面での優位性を指摘。また「1.8インチで更なる大容量化を実現するための技術開発も進めている。GB(ギガバイト)単価のコストで考えれば、HDDの優位性は今後も続く」と、1.8インチHDDの価格と容量における優位性について自信を見せた。

□日本シーゲイトのホームページ
http://www.seagate.co.jp/
□関連記事
【1月11日】シーゲイト、容量60GBの1.8型HDDを出荷開始
-名称は「LYRION」。30GBモデルも用意
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070111/seagate.htm

( 2007年3月5日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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