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マクロヴィジョン、DLNAホームネットワークを推進へ
-Mediabolicを家電メーカーに。「FairPlayは問題あり」


マクロヴィジョン ジャパン デビッド・ローリー代表取締役

3月15日開催


 マクロヴィジョン ジャパン アン アジア株式会社は15日、日本における事業戦略の説明会を開催した。

 Macrovisionは、DVDビデオやVHSで採用されているアナログ映像保護技術「ACP」や、DVDのリッピングを防ぐ「RipGuard」、コピーコントロールCD(CCCD)で採用された「CDS」などのコンテンツ保護技術を中心に事業を展開してきた。

 しかし、映像や音楽の配信メディアがVHS、DVD、CDなどのパッケージからネットワークへの移行が進んでいることから、コンテンツ保護だけでなく、管理や流通も含めた広範なソリューションを提供すべく、事業構造改革に取り組んでいる。1月にはDLNAメディアサーバーソフトなどを手がける米Mediabolicを買収するなど、ホームエンターテインメント向けのプラットフォームの強化を図っている。


■ ソリューション展開に向けMediabolic買収

 マクロヴィジョン ジャパン アン アジアのデビッド・ローリー代表取締役は、DRM(デジタル著作権保護)の現状やMediabolicの買収について解説した。

物理メディアからネットワークへの移行に対応する事業モデルを構築

 「最近、Appleのスティーブ・ジョブズ CEOが“DRMは不要”とするオープンレターを公開した。しかし、iTunesという最も成功したデジタルコンテンツ配信はDRMにより実現されている。彼らはDRMに依存しており、それ抜きでは成功し得ない。デジタルコンテンツの配信にはDRMが必要」と訴えた。

 我々は「“DRM”という言葉が生まれる遙か前、1982年からコンテンツ保護に取り組んできた。しかし、コンテンツ流通はVHS/DVDなどの物理メディアから、ネットワークへの移行が進んでいる。あらゆるデジタルコンテンツを、チャネルを問わずに保護しながら流通させ、ビジネスの収益最大化を可能とすべく取り組む。それが、われわれの使命だ」とMacrovisionの事業の変化について説明した。


Macrovisionのコンテンツ保護技術 保護だけでなく、コンテンツ伝送のプラットフォーム確立に取り組む

 そうした取り組みの一環としてMediabolicの買収を実施。特に「日本には多くの家電メーカーがネットワーク化に取り組んでいる。その手助けをしていきたい」と、日本の家電メーカーを中心に、Mediabolic技術の採用を呼びかけていく姿勢を明らかにした。

 なお、Windows Media DRMなど、各社が独自に展開するDRMについては「基本的に中立の姿勢で、ベストのDRMを決めるのはコンテンツオーナーと考えている」と語る。「ただし、相互に運用できることが重要。その点、AppleのFairPlayについては問題を感じている、WM DRMについても一部相互運用の問題があるが、囲い込みは利用者に好まれないだろう」とした。


■ 日本の家電メーカーにホームネットワーク機能を提供

ビジネスデベロップメント担当 出口シニアディレクター

 Macrovisionビジネスデベロップメント担当シニアディレクターの出口雄一郎氏は、Mediabolicによるホームネットワークソリューションの日本展開について説明した。

 MediabolicはDLNA準拠のサーバー/クライアント機能を家電やPCなどで実現可能とするソリューション。国内ではバッファローの「LinkTheater(PC-P4LANシリーズ)」などで採用されている。

 ネットワークプレーヤーやPC、テレビなどに組み込むことで、開発工程を短縮しながら、DLNA対応のサーバー/クライアント機能などが実現できるのが特徴。類似したソリューションとしてはデジオンの「DiXiM」などが挙げられる。

 DLNA対応については、家電メーカーでも独自に実装対応を進めている。しかし、ネットワーク対応のための多くのソフトウェア開発リソースが要求されるほか、ソフトウェアの複雑化などの要因ともなる。さらに、対応機器の増加により、相互接続性の確保が困難という声も寄せられているという。

 Mediabolicを利用することで、機器メーカーは、開発負荷の低減や相互接続性テストの工数削減が見込める。また、SDKをソースコードも含めて提供するため、提供先メーカーによる独自の実装にも対応可能。OSやハードアウェア依存もなく、様々なプラットフォームに移植可能という。

DLNAサーバーを中心としたネットワークソリューション展開へ ソースコードSDKの提供でメーカーと共同開発も

 さらに、半導体メーカーと協力し、STBやネットワークオーディオ、ホームサーバー、テレビなどのリファレンスデザインも用意。これらを用いることで簡単にDLNA準拠のネットワーク機器が開発できる。

 主に国内の家電メーカーを中心に採用を呼びかけていく方針で、「買収前のMediabolicはエンジニア企業だった。今後はサポートや営業にも力をいれて、採用事例を増やしていきたい(ローリー代表取締役)」という。また、「Mediabolicは北米のベンチャー企業だったが、Macrovisionは各家電メーカーと古くから取引がある。ソフトウェアの供給先として選択してもらうにあたり、こうした歴史と信頼という点でもプラスになると考えている(出口シニアディレクター)」とした。

発表会場では、LinkTheaterなどMediabolic採用機器によるデモも行なわれた

□マクロヴィジョンのホームページ
http://www.macrovision.com/jp/
□Macrovisionのホームページ(英文)
http://www.macrovision.com/
□関連記事
【2月7日】米AppleのジョブズCEO、4大レーベルに「DRM完全撤廃」を提案
-「許可されればiTunes StoreはDRMフリーになる」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070207/apple.htm

( 2007年3月15日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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