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JVA、2006年のビデオソフト市場調査結果を発表
-ヘビーユーザーのDVD購入枚数/額が減少傾向に


統計調査委員会 上田武二郎委員長

4月12日発表


 社団法人 日本映像ソフト協会(JVA)は12日、ビデオソフトや再生機器の消費実態に関する「2006年DVDマーケット調査」の結果を発表した。全国を対象に、インターネットを用いて1,361人分のデータを集計した。調査時期は2006年9月で、調査対象期間は2005年9月から2006年8月まで。

 なお、インターネットを利用できないユーザーとの差を減らすために、ビデオリサーチの一般消費者調査「ACR(Audience and Consumer Report)」の内容と照らし合わせて補正を行なうことで、より一般的な市場全体の状況に近づけたとしている。



■ ヘビーユーザーの購入率が低下。「浅く広く」の傾向強まる

 調査結果によると、セルDVD、レンタルDVD、レンタルVHSの推定市場規模は6,695億円で前年比99.9%とほぼ横ばい。そのうちセルDVDビデオ市場は同104.5%の3,264億円で、全体の48.8%を占める。

 調査期間中に新品のDVDビデオを購入したことのある人は34.6%で前年の26.1%より増加。購入者の内訳では、男女比率で女性の割合が42.9%と前年の35.4%から増加した。ただし、購入者全体におけるセルDVDの年間平均購入枚数は6.8枚(前年8.9枚)、金額は25,333円(前年33,346円)と、いずれも減少傾向となっている。

 1年で3万円以上セルDVDを購入するヘビーユーザーについても変化が見られた。セルDVD購入者全体に占めるヘビーユーザーの割合は8.2%で、前年の6.0%より増加。また、男女比率についても、女性比率が40.8%となり、前年の29.2%から大きく増加している。

 ところが、セルDVD購入金額の割合では全体の71.5%となり、前年の77.7%より割合が減少。年間平均購入枚数は18.7枚と、前年の27.9枚から大きく減少しているほか、金額でも前年の11万2,900円から7万6,000円に減少している。

 これらの集計結果から、同団体では「ヘビーユーザーが支える構造に変化はないものの、購入者全体で“浅く広く”の傾向が強まっている」と分析している。


構造は2005年と同じだが、ヘビーユーザーの割合が増加し、利用金額は減少 枚数についても、2005年の27.9枚から18.7枚へと減少 ヘビーユーザーに占める女性の割合が増加

 購入するDVDビデオのジャンルについては、海外の映画が最も多く51.5%、次いで日本の音楽DVDが23.6%で、日本のアニメーションが21.5%と続いており、日本の音楽の割合が、日本のアニメーションの割合を上回った。購入金額のジャンル別構成比でみると、海外の映画は24.2%と前年(32.6%)から大きく減少。逆に日本のアニメーションは20.5%(前年16.7%)、日本の音楽ビデオも12.2%(前年10.0%)でいずれも増加傾向となっている。

 そのほか、レンタルDVDの利用者は53.5%で、前年の44%から増加。また、レンタルヘビーユーザーについても言及。年間2万円以上をレンタルDVDに当てるユーザーの割合はレンタルDVD利用者全体の3.2%だが、その金額はレンタルDVD利用額全体の31.3%を占めるとした。

再生機器の所有割合

 なお、レンタルVHSの利用者は18.9%で、前年の32.7%からさらに減少傾向となっている。

 また、再生機器については、DVDビデオの再生機器を所有している割合は全体の95.1%と前年の88.8%から増加。内訳としては、DVD再生機能を備えるゲーム機が37.1%、単体のDVDプレーヤーなどの家電系機器が70.6%、PCが76.2%。機器所有者のうち、月に1度はDVDビデオ鑑賞をする人は58.8%で微増となった。



■ HD DVD/Blu-ray Discは「認知度を探るところから」

 統計調査委員長の上田武二郎氏は「メーカーを対象に実施するビデオソフト売上調査が“川上”の調査なら、ユーザーを対象にしたマーケット調査は“川下”の調査と言える。“川”の流れの上流から下流までを見通すことで、利用者の動向を捉え、ビデオソフト業界の市場拡大のヒントにしていきたい」と、調査の主旨について語った。

 なお、前回実施していた購入ルートに関する調査が、今回公開されていない点については、「前回の購入ルートの調査において、“レコード店の経営するオンラインショップ”が“レコード店”として回答されていたことが発覚した。今回はその点について注意書きを入れた上で調査を実施したところ、前回の数字とはかけ離れた結果となってしまったため、公表を見合わせることにした」と説明した。

 そのほか、今回の調査内容に、HD DVDやBlu-ray Discなどに関する内容が含まれていなかった点については、「調査時期を考えると、まだ認知度が高くないと判断し、混乱を避けるために項目には含めなかった。次回以降の調査では、まず認知度を探るところからはじめたい」としている。

□JVAのホームページ
http://www.jva-net.or.jp/
□調査結果(pdf)
http://www.jva-net.or.jp/report/dvd-market-report-2006.pdf
□関連記事
【2006年4月5日】JVA、2005年のビデオソフト市場調査結果を発表
-オンライン購入が全体の1/4に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060405/jva.htm

( 2007年4月12日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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