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コーレル株式会社は、BDMV形式に対応し、メニュー付きのBlu-ray Discビデオも作成可能なオーサリングソフト「DVD MovieWriter 6」を8月末に発売する。価格は通常版が15,540円、乗り換え版が10,290円、アップグレード版が8,379円、ダウンロード版が9,324円、アップグレードダウンロード版が7,329円。対応OSはWindows XP/Vista。 DVDに加え、BD-R、HD DVD-Rメディアへの書き込みに対応したオーサリングソフト。従来からの機能強化ポイントは、BDMV形式でのオーサリングに対応したことや、HD DVDのポップアップメニュー作成、AVCHD形式のオーサリングに対応したことなど。
BDのオーサリングでは、従来のBDAVに加え、BDMV形式をサポート。DVDビデオのようにメニュー付きのディスクが作成できるようになった。テンプレートを用意するほか、背景画像やアイコンなどのカスタマイズも可能。独自のスマートシーンメニュー機能を利用し、カーソルの選択位置によって背景動画を変化させることもできる。ただし、ポップアップメニューの作成は行なえない。また、このメニュー作成機能は製品発売時には対応しておらず、後日公開予定のアップデータで追加される。
BD-Rへ書き出す場合、映像コーデックはMPEG-2のみ選択可能で、MPEG-4 AVCやVC-1は使用できない。そのため、AVCHDカムなどからキャプチャしたMPEG-4 AVCを素材として使用する場合には、MPEG-2に変換される。素材の対応最大解像度は1,920×1,080ドット。ビットレートは60Mbpsまでサポート。音声はリニアPCMで、2層のBD-Rメディアにも対応する。
HD DVDのオーサリングは、従来までの「スタンダード」モードに加え、アドバンスト機能が利用でき、ここでは市販ソフトのようなポップアップメニューが作成可能。メニューのデザインは用意された数種類のテンプレートから選ぶだけでカスタマイズはできないが、項目の文字やフォントなどは自由に変更できる。ただし、アドバンストメニューを用いたデータをHD DVD-Rに書き込む場合には後日公開される無償アップデータの適用が必要となる。
なお、HD DVD-Rへの書き出し時も利用できるフォーマットはMPEG-2のみで、1,920×1,080ドットまでサポート。最大ビットレートは29.4Mbps。音声はリニアPCMとなる。2層のHD DVD-Rにも対応する。
また、HD DVDの書き込み型単体ドライブが7月18日現在市販されておらず、対応しているメーカー製PCも少ないことから、同社ではオーサリングしたHD DVD形式のデータを、DVD-Rなどに書き出す機能を搭載。MPEG-2フォーマットで記録する。 ただし、HD DVD形式でライティングしたDVDメディアの規格は現在のところ策定されておらず、作成したDVDは後日公開されるアップデータを適用した「WinDVD 8 Platinum」でのみ再生可能。そのため、コーレルでは「コーレル独自形式のディスク」としている。今後規格の策定が行なわれた場合、「それに準拠していればその旨をアナウンスする。異なっていた場合、アップデートなどで正式規格に対応できる場合は、対応するよう検討したい」(コーレル)という。
AVCHDフォーマットは、1,920×1,080/1,440×1,080ドットの両方に対応し、カメラからのキャプチャにも対応。HDVカムの映像もサポートしている。また、MPEG-4 AVC/H.264形式でのスマートレンダリングにも対応。編集不要な部分を高速に書き込むことができる。
オーサリングでメニュー作成も可能で、AVCHDディスクとして書き出しもできる。ディスクは8/12cm DVDが使用可能。作成したディスクはPS3やBDビデオプレーヤーなどで再生できる。なお、カメラによって対応が異なるため、8cm DVDにライティングしたものを、AVCHDカメラに戻しての再生は保証されない。
DVDオーサリング機能も強化。編集面ではタイムラインを用いたカット編集が可能。また、DVカメラの撮影日/撮影時間情報や、デジカメのEXIF情報から撮影日を取得。インポートした動画に、DVDビデオの字幕トラックとして撮影日時、時間を付与できるようになった。再生時に「何時撮影したのか?」を知りたい場合、字幕を表示すれば詳細情報が表示される。
ほかにも、ドルビーデジタル5.1ch音声を収録した映像のオーサリングに対応。2chの素材を5.1ch化することもできる。さらに、HD対応も含め、全部で65種類のテンプレートやサンプル素材を用意。DVDメニュー作成時にオブジェクトを変形させると、そこに埋め込んだ静止画も合わせて変形されるようになるなど、細かい改良も加えられている。
データライティング用に、CD/DVD/BD/HD DVDの書き込みに対応した「Burn.Now 4.5」も付属。設定したパスワードを入力しないとデータを読み出せないセキュアディスク作成機能も備えている。 対応入力フォーマットは、映像がHDV、DVDビデオ、DVD±VR、MPEG-1/2、DV、AVI、AVCHD、DivX、WMV、DVR-MS、DAT、MPV、MOV、QT、Ulead VideoStudio 10プロジェクトファイル。静止画はBMP、GIF、JPG、PNG、TGA、TIF。音声はCDA、リニアPCM、MPA、WAV、AC3、 WMA、OGG、MP3。ディスクはDVDビデオ、DVD±VR。
出力フォーマットは映像がMPEG-1/2、DV、AVI、WMV、ASF、MOV、QT。静止画がBMP、JPG。音声がCDA、リニアPCM、MPA、AC3、WAV、WMA、OGG、MP3。ディスクがBDMV、BDAV、HD DVDビデオ、AVCHD、DVDビデオ、DVD±VR、miniDVD、ビデオCD、SVCD。
■ グローバルなトップ企業を目指して
DVD MovieWriterシリーズは、インタービデオジャパンが開発/販売していたソフトウェアだが、2006年に加Corelが米InterVideoを買収。日本でもコーレルとインタービデオジャパンが7月1日にコーレル株式会社へと合併したことで、今後コーレルからリリースされることになる。 コーレルの田中俊輔社長は、同社の売上げ規模について「2006年の段階で全世界で200億円だったが、今年はインタービデオとの連結効果により300億円弱を予定している」と説明。
さらに、合併の意義として「コーレルは北米やヨーロッパに強いソフトウェアメーカー。それが、アジアを中心として活動しているインタービデオと合併することで、全世界をカバーする開発/販売拠点の構築が目指せる」と説明。「現在コーレルはマルチメディアソフトウェアメーカーの中で世界第3位だが、今後もビデオやフォトイメージング分野に注力し、グローバルなトップ企業を目指したい」とした。
□コーレルのホームページ
(2007年7月18日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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