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株式会社東芝は、液晶テレビのフラッグシップシリーズ「REGZA Z3500」を9月下旬より順次発売する。57型の「57Z3500」から37型の「37Z3500」まで5モデルをラインナップし、いずれもフルHDパネルを採用する。価格はオープンプライス。発売日や店頭予想価格は以下のとおり。
REGZAの最上位シリーズで、120Hzの倍速駆動により液晶テレビ固有の残像感を低減する「フルHD・モーションクリア」を搭載するほか、新映像エンジン「パワー・メタブレイン」を搭載。「白色の中の白色」など、質感の表現力をさらに高めている。 また、新たに同社のレコーダ「VARDIA」やAVノートPC「Qosmio」、ヤマハやオンキヨーなどのAV製品との連携を可能とした「レグザリンク」を搭載。録画機能も従来のLAN HDDに加え、USB接続したHDDへの録画が可能となった。
■ 120Hz駆動/10bitパネルと「パワーメタブレイン」搭載
いずれもフルHD/1,920×1,080ドットの液晶パネルを採用し、120Hzの倍速駆動に対応する。パネルメーカーは非公開だが、いずれも倍速10bit広色域パネルで、57/52/46型はVA系、42/37型はIPS系となる。 新たに新映像エンジン「パワー・メタブレイン」を搭載。7月発売の「REGZA H3300」に採用された120Hz倍速駆動技術「フルHD・モーションクリア」を搭載するほか、質感やディティールの再現性を向上した。パワー・メタブレインに搭載した「階調クリエーション」やバス幅14bit高画質化処理、10bitフルHDパネルなどの組み合わせにより、高画質化を実現する。 フルHD・モーションクリアは、通常1秒間/60フィールドで構成されている映像に対し、中間フレームを生成して2倍の120コマ/秒まで増やすことで、残像感を低減する技術。縦、横、斜めだけでなく全方位の動きを検出しながら、中間フレームを生成し、残像感を低減する。
同技術では、1画素ごとの動きを検出し、最適な補間フレームを生成。さらに、同じオブジェクトが繰り返し現れ、動き判別を誤りやすいシーンでも、予測エリアをフレキシブルに変えることで、精度の高い補間フレームを生成するという「オブジェクト適応フレキシブル予測技術」により、補間エラーを大幅に低減している。また、前後のフレームから位置あわせを高精度に実施し、中間フレームを生成するため、通常のノイズリダクションで消すことが難しい小さなブロックノイズも検出し、フレーム生成時の処理で動画内のノイズを一層低減できるという。 グラデーション部分の階調を最大64倍に拡張するという「階調クリエーション」も搭載。青空や夕焼けなどのグラデーション表現を向上している。 7月に発売した「REGZA H3300シリーズ」からの画質強化点は、1シーンごとにヒストグラムを作成し、映像信号を補正する「パワー・質感リアライザー」とディティール表現力を高める「パワー・ディティールリアライザー」。質感リアライザーの強化により、雪のシーンなどの輝度の高い部分のわずかな白の違いや、黒髪の質感表現などを向上。画面全体が雪のシーンだけでなく、画面の一部分に雪がある場合などでも、その輝度や質感の違いをよりしっかりと表現可能となったという。 ディティール表現についても、シャープネスの制御などを改善。ざらつきが目立つ夜景の一部分はしっかりとノイズ低減処理を行ない、ノイズが目立たない部分にはシャープネスをあげて鮮鋭感を出すなど、より繊細な絵作りを行なっている。 H3300と同様に、通常は2/3プルダウン処理により表示していたフィルム素材の24コマ映像を、120Hz駆動により24コマからそのまま5倍の120コマ化し、フィルムならではの質感を再現するという「5-5フィルムモード」を搭載。5-5フィルムモードは、24p映像入力だけでなく、デジタル放送の60i映像でも、24コマの動きを検出し、適用される。中間フレームを生成することで滑らかに映像再現を行なう「スムーズモード」も搭載しており、24コマ映像に対し、[5-5フィルム]と[スムーズ]、[オフ]の3パターンの処理を選択できる。 また、広色域再現規格の「x.v.Color」もサポート。x.v.Color対応のビデオカメラなどと組み合わせて、x.v.Color表示が行なえる。さらに、RGB各色8bit(24bit)を超える階調情報を扱えるDeepColorに対応し、30/36bitまでのDeepColor映像を表示可能となる。バックライトも蛍光体を変更し、原色の色純度を高めた「広色域バックライト」を採用。従来モデルのREGZA Z2000比で約115%、HDTV規格(ITU-R.BT709)比で114%の色再現を可能とした。 ■ USB HDD録画に対応。HDMIだけでなくネットワーク連携機能も
チューナは地上/BS/110度CSデジタルを各2系統、地上アナログを1系統装備。番組表は組表は7チャンネル/6時間の番組表示が可能な「レグザ番組表・ファイン」。 入力端子はHDMI×3(1080/60p、24p対応)や、D4×2、S映像×4、コンポジット×4などを装備。また、ネットワーク端子は、ネット接続用と、LAN HDD録画用、4th Media用の合計3系統を装備する。 HDMI端子は、HD DVD/DVDレコーダ「VARDIA」やノートPC「Qosmio」との連携が可能な「レグザリンク」に対応。HDMIのCEC機能を使って、周辺機器の操作が可能となる。VARDIAへの録画予約や番組再生がREGZAのリモコンから行なえるほか、オンキヨーやヤマハなどのAVメーカーと協力し、CECのオプションコマンドを積極活用した連動動作などが可能となる。
従来モデルのREGZA Z2000と同様にLAN HDD端子に接続した同一ネットワーク上のLAN HDDへのデジタル放送録画が行なえる。Z3500の番組表から、録画予約が行なえ、録画形式はMPEG-2 TSのストリーム。録画した番組はZ3500からLAN HDDにアクセスして視聴できる。最大8台までのLAN HDDを認識可能となっている。 また、新たに録画予約した連続ドラマを最終回まで録画予約する「連ドラ予約」に対応。録画した連続ドラマは「グループ」として管理できる。さらに、再生を一時停止した場所で記憶し、次に見る際に続きから再生できるレジューム再生機能も搭載した。 録画機能の最大の強化ポイントは、USB接続のHDDへの録画に対応したこと。USB 2.0対応のHDDにLAN HDDと同様に録画が可能で、レジューム再生や連ドラ予約にも対応する。また、USB HDD同士やLAN HDDとUSB HDD間でのムーブも行なえる。ただし、LAN HDDやUSB HDDの録画映像をVARDIAにムーブすることはできない。
また、LAN/USB HDD録画の活用のため、リモコンも強化。録画/再生用ボタンを追加したほか、[USB HDD]、「LAN HDD」録画ボタンを装備した。基本的な録画機能は、H3000/H3300シリーズと共通だが、[ちょっとタイム]録画と[今すぐニュース]は省かれている。 なお、LAN HDD、USB HDDともに現在アイ・オー・データ機器製の製品で動作確認が行なわれており、他社製品については後日ホームページなどで対応状況を公開していく予定。 また、DLNAとDTCP-IPに対応しており、Ethernet接続したVARDIA上のデジタル放送録画番組のストリーム視聴に対応。Qosmio上のビデオや写真などにアクセスして、再生も行なえる。 HDMIによるVARDIA/Qosmioや他社製AV機器との連携に加え、ネットワークやUSBを活かした連携機能を総称して、「レグザリンク」としており、今後もパートナーの拡大を図っていくという。
ネットワーク機能は、デジタルテレビ用ポータルサイト「アクトビラ」に対応。インターネットブラウザも備えており、アクトビラ以外のコンテンツも利用できる。NTT東/西日本のBフレッツ回線を利用した「4th MEDIA」の専用端子も備えており、4th Mediaの月額契約を行なうことで、オンデマンドのハイビジョン映像配信も利用できる。 i.LINKも2系統搭載。i.LINK接続したハイビジョンHDD録画ユニットへのデジタル放送録画が可能となっている。インターネットブラウザも内蔵し、ネット画面とテレビ画面の2画面表示も可能。USB端子も備えており、USBキーボードを接続してネットブラウズなども可能となっている。 スピーカーはオンキヨーと共同開発したスリット型バスレフ採用の「パワージェットスリットスピーカー」。液晶パネルの背面に配置した10cm径の大型スピーカーにより豊かな低音再生を可能とし、後方にサラウンド成分を放出するため、自然で奥行きあるサウンドを実現できるという。 アンプはClass-Dのデジタルアンプで、出力は10W×2ch。また、DSPサウンドイコライジングシステムも搭載し、ダイナミック/標準/映画/メモリー/テレビプロ/映画プロの6モードの音質設定が行なえる。また、100Hz、330Hz、1kHz、3.3kHz、10kHzの5バンドを独立して制御できるイコライザも搭載する。 HDMI接続した外部入力からのドルビーデジタル音声デコードに対応。さらに、ドルビーデジタル音声向けの「シネマサラウンド」、音楽番組などのステレオ向けの「ライブサラウンド」、「オフ」の各音声モードも搭載。番組とCMとの間の音量差を抑える「自動レベル補正」も備えている。これらの高音質機能を総称し、「レグザオーディオ・プロ」と命名している。
□東芝のホームページ ( 2007年8月20日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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