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ソニーは、業務用ビデオカメラ「XDCAM」の新モデルとして、ExpressCard規格準拠のメモリーカード「SxS PRO」(エス・バイ・エス プロ)に記録する「XDCAM EX」シリーズを発表。その第1弾として「PMW-EX1」を11月下旬より発売する。価格は840,000円。 SxS PROメモリーカードは容量8GBの「SBP-8」と16GBの「SBP-16」を用意し、11月下旬より発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8GBが6万円前後、16GBが11万円前後の見込み。なお、PMW-EX1には8GBのSxS PROメモリーカードが1枚付属する。 ■ PMW-EX1
SxSメモリーカードに映像を記録する業務用ビデオカメラで、ExpressCard/34スロットを2基搭載。撮像素子は、1/2型の1,920×1,080ドットCMOSの3板式。 CMOSセンサーは独自開発の「Exmor」を採用。フルデジタルの「カラム並列ADC」を搭載し、高速処理、高感度、低ノイズ、低消費電力などを実現。CCDと比較して指摘されるCMOSの弱点がかなり解決されており「CCDに勝るとも劣らない性能を実現できた」としている。 映像圧縮方式は従来モデルと同じMPEG-2 Long GOPで、録画モードは、最大35Mbps(VBR)のHQモード(MP@HL)と、最大25Mbps(CBR)のSPモード(MP@H14)の2種類が用意される。HQモードでは解像度を1,920×1,080ドットと、1,280×720ドットから選択でき、1,920×1,080ドットでは59.94i、50i、29.97p、25p、23.98p、1,280×720ドットでは59.94p、50p、29.97p、25p、23.98pに対応する。SPモードの解像度は1,440×1,080ドットのみで、59.94i、50iをサポートしている。 スロー映像やクイック映像が撮影できる「スロー&クイックモーション機能」も搭載。撮影フレームレートを任意に設定することで「早回し(オーバークランク)/遅回し(アンダークランク)」撮影が行なえる。 レンズはフジノン製光学14倍ズームを採用。フォーカス/ズーム/アイリスの操作リングをレンズ筒上に独立して配置。オートフォーカス機構を備えるほか、フォーカスリングは前後にスライドする機構を採用。オート/マニュアルの切替が撮影中でも容易に行なえる。レンズシフト方式の手ブレ補正機能も搭載する。 フィルムのような質感を再現する「シネマトーンガンマ」機能を搭載。23.98p記録と組み合わせることで、フィルムのような動きや質感を表現できるという。
0.54型カラー液晶のビューファインダーや、3.5型の液晶モニタを搭載。端子類は、HD-SDI出力を1系統、i.LINK入出力を各1系統、AVマルチ、ミニD出力、ステレオミニ音声出力を各1系統装備するほか、マイク入力用にキャノン端子(XLR)も1系統備える。 電源は別売のバッテリパックを利用。約2時間の連続撮影が行なえる「BP-U30」(11月下旬発売/15,750円)と、約4時間の撮影が可能な「BP-U60」(11月下旬発売/31,500円)の2種類を用意。専用バッテリーチャージャー「BC-U1」(11月下旬発売/15,750円)も発売する。 外形寸法は178×311.5×176mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.4kg(本体のみ)/約2.8kg(BP-U30/SxSメモリーカード含む)。 バンドルソフトは、撮影した映像ファイルの管理などを行なうファイル管理ソフト「クリップブラウザ」と、SxSカードのドライバソフトなど。そのほか各種ケーブル類などが付属する。 その他のオプションとして、ExpressCardスロットを搭載していないPC向けに、USB接続の専用カードリーダ「SBAC-US10」(11月下旬発売/31,500円)を用意する。
■ 低価格で提供するオールインワンモデル
発表会では、ソニー B2Bソリューション事業本部 マーケティング部門 大西俊彦部門長が、現在の映像業界について「視聴環境や提供方法などが多様化しており、従来は高画質なだけでよかったが、HDが当たり前になってきた現状では、多様な状況に合わせてそれぞれ製品を展開していく必要がある」と語った。 XDCAM EXシリーズの位置付けとして「今後の製品が向かうべき方向性のいいところを全て取り入れた、オールインワンモデルを、低価格で提供する“ポータブルHDソリューション”」(大西氏)とした。特徴は「フルHDで撮影した映像を、高速なSxSメモリーカードで効率的に扱うことで、編集作業/ワークフローを高速化できる」としている。 また、4月のNABで参考展示された「XDCAM MPEG HD422」シリーズについても言及。4:2:2フォーマット対応などの高画質モデルで、従来の「XDCAM HD」シリーズの上位モデルとして位置付けられ、2008年発売予定としている。 松下電器産業のメモリーカード採用の業務用ビデオカメラ「P2」シリーズとの違いについては「映像については好みなどもあるが、メモリーカードの速度について言うなら、P2カードはPCMCIA規格のため、PCへの転送速度は、テープと比べても1.5~2倍程度の速度向上にしか繋がらない。SxSならテープと比べて10倍以上転送速度が向上するため、高効率化に繋がることは間違いない」とSxSの高速転送を強調。 会場では、80秒の映像ファイルを約5秒でPCにコピーするデモを実施し、その転送性能をアピールした。
□ソニーのホームページ ( 2007年9月21日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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