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日立、63cmで80型投射が可能なプロジェクタ
-自由曲面レンズ/ミラーを採用。卓上に45型投射も


2008年1月中旬発売

標準価格:504,000円


 株式会社日立製作所は、自由曲面レンズ/ミラーを投写光学系に採用し、超短距離での映像投射を可能とした液晶プロジェクタ「CP-A100J」を2008年1月中旬より発売する。価格は50万4,000円。

63cmで80型の投射が可能

 63cmで80型の超短距離投射な業務用液晶プロジェクタ。0.63型/1,024×768ドットの液晶パネルを採用する。「自由曲面レンズ・ミラー」を採用したことで、小型のレンズでも超短距離での投射が可能となった。

 光学部の最後端に自由曲面レンズを2枚配し、同レンズを通過した光を自由曲面ミラーに投射。画面のゆがみを補正しながらミラーの反射光を斜め上方に反射する斜投写光学系を採用。ミラー部は本体上部に備えており、電源のON/OFFに連動して電動で開閉する。

 レンズは単焦点(F2.1)。電動フォーカス機構も備えている。自由曲面レンズ/ミラーを組み合わせて利用することで、投射距離の短距離化に加え、歪曲収差の補正や倍率色収差の低減なども実現。フォーカス性能についても、「通常の光学系を超えるレベル」という。輝度は2,500ルーメン。

レンズからミラーに投射 自由曲面ミラーからスクリーンに投射 ミラーから斜め上方向に映像を映す
ホワイトボードにも超短距離投射 光学系の解説 自由曲面技術を採用した光学系

デジタルサイネージなどの応用や、プレゼンテーション時の利便性を訴求

 会議室でのプレゼンテーションや、電子広告(デジタルサイネージ)、アミューズメント用途などでの利用を想定。プレゼンテーション時に、投射映像にプレゼンを行なっている人の影が写りこまないなどのメリットを訴求していく。

 また、新方式の導入により、光学エンジンを小型化。外形寸法は397×356×131mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.8kg。縦置きにも対応し、机の上に縦置きした場合、45型の映像を机上に投射できる。縦/横置き対応のために新設計の冷却機構を搭載している。

 出力7Wのモノラルスピーカーも内蔵。Ethernetも備えており、ネットワーク経由でプロジェクタのコントロールが行なえる。入力端子はD-Sub 15ピン(アナログRGB)×2、コンポーネント×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログ音声×3(ステレオミニ×2、RCA×1)。モニター出力(D-Sub 15ピン)、アナログ音声出力×1(ステレオミニ)も備えている。消費電力は340W。

机上で45インチ映像を投射できる 2系統のアナログRGB入力などを装備する


■ コントラスト800万:1の「ハイブリッドモニター」も実現

ハイブリッドモニターの解説

 また、今回開発した自由曲面技術の応用例として、800万:1の高コントラストを実現する「ハイブリッドモニター」や「大型の3Dモニター」も開発した。

 ハイブリッドモニターは液晶ディスプレイのバックライトとして、「ディスプレイと同じ映像をプロジェクタで投射するというもの。同技術により、コントラスト800万:1を実現しているという。

 通常の液晶ディスプレイでは、CCFL管などの光源により輝度を得ている。それらの光源では、基本的に均一に画面全体を照らすため、透過した光が漏れて、黒が白く浮いてしまい特に暗部のコントラスト感が得られないことがある。ハイブリッドモニターでは、光源からの光が自体が液晶に表示される映像と同じため、たとえば暗闇の映像の場合は、光源側も黒い映像のみを投射する。そのため、引き締まった黒色の再現も可能となる。

 展示した試作機では、47型/1,920×1,080ドットの液晶ディスプレイの背面に3LCDのプロジェクション機構を組み込んだ。プロジェクタ側の素子はフルHDではないが、主に光源として光源として利用するため、「双方の解像度をそろえることは必ずしも必要ではない」という。

 また、液晶ディスプレイと、プロジェクタ側の表示素子の2つを同時駆動して、双方で階調制御表示することで、低輝度での階調性能が向上するという。課題としては、プロジェクション機構を組み込むため、厚みが増えることだが、自由曲面レンズ/ミラーによる新光学系を導入することで、通常の投射機構よりは厚みを抑えることができる。今回展示した試作機は、かなりの奥行きがあったが、「47型で奥行きが30cm以下を目指したい」としている。

コントラスト800万:1というハイブリッドモニター

 「大型3Dモニター」は、ハイブリッドモニターと同様に液晶ディスプレイとプロジェクション機構を組み合わせたものだが、モニターとプロジェクタの投射光の間に3cmの間隔を空けて、専用にオーサリングした映像を入力することで、3Dメガネなしで3D映像を実現する。

 3D技術は、NTTアイティが開発したDFD方式を利用。2枚の輝度差のある映像を、一定間隔を保った2枚のディスプレイで表示することで、立体的な映像体験を可能とする技術。映像はNTTアイティのオーサリングソフトで生成する。日立では、ハイブリッドモニターと同様に、新光学系の導入による応用事例としてアピールしており、10月2日より開幕するCEATEC JAPAN 2007に出展する。

大型3Dモニターの解説 大型3Dモニター

□日立製作所のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/09/0927c.html
□ニュースリリース(自由曲面技術)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/09/0927b.html
□ニュースリリース(ハイブリッドモニター)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/09/0927a.html
□ニュースリリース(大型3Dモニター)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/09/0927.html
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070613/sanyo.htm

( 2007年9月27日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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