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2日より開幕したCEATEC JAPAN 2007では、松下電器産業がAVC変換録画に対応した「新ブルーレイDIGA」を発表し、注目を集めた。Blu-ray関連では、ソニーやシャープなどが、年末商戦向けの新製品をアピールしているほか、Blu-ray Disc Associationが共同会見を開催した。 ■ 「日本ではフォーマット戦争は無かった」松下電器小塚氏
Blu-ray Disc Associationの共同会見ではハードウェア、ソフトウェアメーカー各社がBlu-rayの魅力をアピールした。 ソニー コーポレートエグゼクティブSVPの西谷清氏は、「テレビやビデオ、スチルカメラがHD化して、本格的なHD時代に突入した。最後にパッケージメディアが加わり、ハイビジョンコンテンツを楽しめるようになった。ハイビジョン放送の録画、保存にも強いニーズがあり、あらゆるコンテンツがハイビジョン化している。各社からBlu-ray対応機器が発売され、年末にはすべてがハイビジョンで楽しめるようになる」と説明。 さらに、「Blu-rayはプレーヤーやレコーダ、カムコーダなどの各製品が大手5社から発売されている。ディスクを作ってから5年10年後に見られないということでは、安心できないが、各社がサポートするBlu-rayは安心、安全なフォーマット。次世代のハイビジョンを担うフォーマットとして、BDの素晴らしさをぜひ知っていただきたい」と訴えた。
松下電器産業株式会社 蓄積デバイス事業戦略室の小塚雅之室長は、HD DVDとの比較や海外の状況などからBlu-rayの最新状況を報告した。 小塚氏は、「Blu-rayの特徴は仲間がいること」と切り出し、昨年と今年のBlu-rayとHD DVDのサポート企業の数の違いを比較。Blu-ray支持企業の増加を訴えた。さらに、北米のBDビデオタイトル販売が、「250万枚を超え、10月中には300万枚を突破する」と好調な販売状況アピールするとともに、HD DVDとの累計販売枚数比較においても約2倍の販売をすでに達成していると説明した。
さらに、米国の流通も「Blu-ray優先あるいは、Blu-rayのみを扱う傾向が強くなっている」とし、Blockbuster、Targetなどの米国大手流通でBlu-rayの取扱いを拡大したことや、Home Specialist of Americaなどの専門店での支持を強調した。 中国における展開については、パイオニアのプレーヤー販売や、ソニーのBlu-ray搭載VAIOの発売などを紹介したほか、中国の大手家電メーカー中国華録集団がBDAに参加。さらに、中国映画集団と共同でBlu-rayオーサリングセンターを北京に設立し、2008年の北京オリンピック前を目標に、中国国内向けBDタイトル投入の準備をしているという。
日本のハードウェア製品状況については、「メーカーが多いのでガンガンやっていく」とし、日立のカムコーダやパイオニアのプレーヤー、松下、ソニー、シャープのレコーダなどについて言及。「圧倒的にわれわれが強いと思っている。今年のクリスマス商戦は、量販店にはBlu-rayしか置いてないような状況になる。(BD/HD DVDの)フォーマット戦争ではなく、Blu-rayの中でいかに生き残るかだと思っている」とした。 HD DVDとの比較においては、レコーダで約96%、記録メディアにおいて約98%という高いシェアを訴え、メディアの価格面でも低価格化が進んだ現状を報告。パソコンにおいても、9割以上がBlu-rayという。 さらに、国内のハイビジョンビデオタイトルの販売数においてシェアがBDの9割に対し、HD DVDが1割という調査結果や、ハイビジョンディスクの販売数トップ10について説明。トップ10を1位の「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」から10位の「ディープブルー」までをBlu-rayが独占していることから、「本当に日本でHD DVDは売っているんですか?」と問いかけ、「日本では、民生機器もPCも、メディアもBlu-ray一色。フォーマット戦争は日本では無かった」と宣言した。 最後に日立のBDビデオカメラの発売により、「Blu-rayによるHD Worldがほぼ実現した」とし、“唯一の足りない部分”という車載向けBD製品についても「東京モーターショーで、パナソニックが車載製品のデモを行ないます」とした。最後に、「クリスマスはBlu-ray一色になります。安心してBlu-rayを買ってください」と訴えた。
■ FOXが新作投入発表など、年末に向けBDタイトルを拡充
20世紀フォックスホームエンターテインメントジャパンの内藤友樹 代表取締役社長は、強固なコピープロテクションなどBlu-ray支持の理由を説明。 年末に向けた新作として、11月にダイハードシリーズを発売するほか、12月21日に、「デイ・アフター・トゥモロー」、「インディペンデンス・デイ」などのタイトルを発売する。 同社が発表したBDビデオタイトルは以下のとおり。
ソニー・ピクチャーズエンターテインメント ホームエンタテインメントマーケティング部の笠井高志ディレクターは、10月発売予定の「スパイダーマン トリロジーBOX」を紹介。さらに、12月に発売される「未知との遭遇 製作30周年アニバーサリー アルティメット・エディション」について、スピルバーグ監督作品として初のBlu-ray化となることをアピールした。 ワーナー・ホーム・ビデオ ワールドワイド新技術事業担当シニアバイスプレジデントの長谷瓦二氏は、9月26日発売の「300」を紹介。米国ではこの「300」がBlu-rayの販売枚数22万枚という記録を樹立、まだ販売が伸びている状態という。 昨年のBlu-ray投入以来、34タイトルを市場投入しているが、6月の「ディパーテッド」以降、DVDとBlu-rayの同時発売を実施。この施策により、さらなる販売拡大を目指していく。また、「Blu-rayの米国での伸びを見ていると、10年前のDVDによく似ている。もうすぐ化けるのではないかと期待している」とBlu-rayへの期待を表明した。 ウォルト・ディズニースタジオホームエンターテインメント日本代表の塚越隆行氏は、12月発売の「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド」を紹介。ディズニースタジオ関連では、パイレーツのほか、「レミーのおいしいレストラン」や「カーズ」を発売、また、スタジオジブリライブラリでは「アズールとアズマール」、「男鹿和雄展」などの新作を発売する。 また、「ウォルトディズニーが作ったマスターピース“眠れる森の美女”も2008年にBlu-ray Discで発売する」と発表した。
■ LTH対応のBD-Rメディアも各社が出展 Blu-ray関連ハードウェアでは、本日製品発表を行なった新「ブルーレイDIGA」をパナソニックブースで展示。ソニーや、シャープも年末商戦向けのBlu-rayレコーダをアピールしている。
また、三菱電機ではネットワーク機能を搭載したBlu-rayレコーダを参考出品している。発売時期や価格については未定だが、携帯電話と連携して、家族や友人と健康情報などを共有できるホームサーバー機能を内蔵している。 ドコモと共同開発した、歩数計や脈拍計など健康管理をテーマにした機能を搭載する「ウェルネス携帯電話試作機」を利用。同端末は、歩数計、脈拍計、体脂肪計、口臭測定機などを備えており、身長や体重、年齢などを入力しておくことで、各種測定が可能。 測定した結果は、メール機能を利用して、レコーダに配信。毎日の健康状況やその推移をレコーダ上で確認できるほか、家族やネットワークを介して情報共有した友人に公開できる。
また、三菱電機は、BDAのブースでもBDレコーダを参考出展している。こちらも製品化の時期などは未定だが、試作機のためHDDは内蔵していないという。 録画したスポーツ番組などで、盛り上がった部分のみを再生できる「ハイライト再生」を装備する。
記録メディアでは、日立マクセル、三菱化学メディア、太陽誘電、富士フイルムなどが有機記録膜を採用したBD-Rメディアを出展している。日立マクセルと太陽誘電は年内の発売を予定、三菱化学メディアも近日発売を目指すという。 有機色素系記録膜を用いたBD-Rディスクは、大規模な設備投資が不要で、既存のCD-R、DVD-Rの塗布型製造設備を一部改造するだけでBD製造ラインに転用できるため、ディスクの低価格化が見込めるという利点がある。ただし、有機色素系BD-Rに対応した記録方式「Low to High(LTH)」は従来の「High to Low」とは読み取り方式が全く異なっており、ドライブ側の対応が必須となる。 そのため、各社LTHのロゴを付与し、従来の無機材料を使ったメディアとは区別して販売予定という。価格については、各社とも「現在の無機材料を使ったものより、少し安くしたい」としている。
LTH型のBD-Rメディアについては、再生/記録に対応ドライブが必要となるが、まだドライブは販売されていない。パイオニアのブースでは、LTH型のBD-Rの記録/再生に対応したBD-Rドライブ出展している。2008年ごろの発売を目指しているという。 また、太陽誘電のブースでは、ソニーの新BDレコーダを利用したLTH BD-Rメディアの再生デモも実施。レコーダは発売前のものだが、「特別な改造を施したわけではない」という。
( 2007年10月2日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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