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アキュフェーズ株式会社は、一体型SACDプレーヤー「DP-700」を12月上旬に発売する。価格は115万5,000円。 2006年12月に発売したセパレート型SACDプレーヤーのリファレンスモデル、DP-800/DC-801のノウハウを投入した一体型SACDプレーヤー最上位モデル。大きな特徴は、DP-800と同じ自社開発のドライブを搭載するほか、DC-801と同様に、独自処理による再生方式「MDSD」を採用した点。 超高速FPGAでDSD信号を5.6448MHz/1bitにアップサンプリングするとともに、1クロックずつ遅延させ、8個のDACで変換。それぞれの変換後の信号を総加算し、「移動平均フィルタ」回路を構成するというもので、DSD信号のノイズに対するデジタルフィルタを不要とし、D/A変換時の誤差を抑えた高品位な再生が行なえるという。 ドライブ部は、総重量8.2kgの重量級/高剛性設計。自身の回転や外部の振動を排除する制振構造を目指したという。メカニカルベース部は、アルミブロックの切削加工により、ベース厚15mm、フレーム厚17.5mmに仕上げ、重ね合わせた構造とした。また、重ね合わせる面の平面度を50μm以下まで補正した。 一方で、ディスク回転部とピックアップ部を一体化した「トラバース・メカニズム」をローディング・メカからフローティングさせるために軽量化、振動の影響を排除している。ピックアップは、1つのレンズにSACD用(650nm)と、CD用(780nm)の2種類のレーザーダイオードを装備した「1レンズ/ツイン・ピックアップ」。 ブリッジは1.3kgの重量級設計で、8個の六角ビスでメカ・ベースに固定。高速で回転するディスクの回転音や振動音の伝達を防ぐため、回転時の空気振動や気流も計算されている。そのほか、ドライブを可能な限り低く配置したことで、低重心による安定性を獲得したという。ボトムプレートは8mm厚。インシュレータはハイカーボン鋳鉄に熱処理を施して硬度を向上、振動減衰特性にも優れるという。
トレイはアルミブロックの削り出しで、硬質アルマイト処理と梨地処理を施しており、専用モーターと複数のギアでコントロール、静寂/スムーズにローディングが行なえるという。 DACは「MDS++変換方式」。アナログ・デバイセズ製DAC「AD1955」8個を並列動作させることで、1個の場合に比べ性能が約3倍に向上するという。「I-V」(電流-電圧)変換回路の動作改良や、電流加算部の負担軽減により回路を安定させ、より高い性能を発揮するとしている。DACのプリント基板にはテフロン基材を採用。高伝播速度/低損失などの特徴によりS/Nを大幅に改善。さらに、銅箔面には金プレートを採用し、音質の向上を図った。 PLL回路は「ウルトラ・ジッターフリー Plus PLL」を採用。抽出するマスター・クロックの周波数純度を「ウルトラ・ジッターフリー PLL」よりも高めた。アナログフィルタにはアンバランス/バランス出力を独立で構成した5次のバターワース型ローパスフィルタを採用する。 デジタル出力端子は独自インターフェイスの「HS-Link」と、光/同軸デジタルを各1系統搭載。アナログ出力はXLR(バランス)、RCA(アンバランス)が各1系統。HS-Link入力や、同軸/光デジタル音声入力も各1系統備えており、トランスポート/DAC部のみの使用も可能。 周波数特性は0.5Hz~50kHz、全高調波歪率は0.0008%。S/N比は114dB。消費電力は35W。外形寸法は477×394×156mm(幅×奥行き×高さ)、重量は27kg。リモコン「RC-100」が付属する。
( 2007年10月31日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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