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日本インターナショナルオーディオ協議会(IASJ)が主催する、オーディオ機器の展示イベント「2007東京インターナショナルオーディオショウ」が10月5日から東京・有楽町の東京国際フォーラムで開幕した。期間は7日まで。入場は無料となっている。
■ アクシス WadiaやFM Acoustics、ルーメンホワイトなど、超ハイエンドモデルを多く取り扱っているアクシスのブースでは、一風変わった製品が注目を集めている。「Introducing the KID」と呼ばれるモデルで、iPodを天面に搭載できるiPod用プリアンプ。手掛けたのがハイエンドアンプの代名詞とも言えるクレルということに驚きだ。 搭載したiPodからアナログラインアウト経由で音声を受け取り、プリアンプとして低ノイズな255ステップの音量調整が可能。BASS/TREBLEのコントロールも可能。出力はアナログステレオで、端子はRCA/XLRを各1系統用意。コンポジットとS映像出力を備えるほか、RS-232C端子も搭載。リモコン操作もサポートしている。
米国では製品化が決定しているが、「クレルのユーザーが、室内でiPodを使って音楽を聴くのか?」という疑問も浮かぶ。担当者によれば「そういう懸念もあり、日本では今回の展示の反応などを見ながら販売を決めたい。クレル側としては、リビングなどで利用を提案している」という。日本で販売するとすれば、価格は20万円程度になるとのこと。iPod周辺機器としては高価だが、クレルのプリアンプとしては破格の安さだ。 なお、このプリアンプとの組み合わせを想定した、パワーアンプも開発されているという。こちらは「KID」ならぬ、「PAPA」という名前になるとのこと。価格帯としては、プリとパワーを合わせて50~60万円程度のシステムになるという。
■ アキュフェーズ アキュフェーズブースでは、新発表となる4機種のコンポーネントが展示されている。11月中旬発売予定のプリメインアンプ「E-350」は、同社プリメインアンプの中心モデルとして支持された「E-308」をフルモデルチェンジしたもの。E-450に続き、「AAVA-II」方式のボリュームコントロールを搭載しているのが特徴。価格は367,500円を予定している。 「DP-700」は一体型のSACDプレーヤー。DACのリファレンスモデル「DC-801」で採用された、新再生方式「MDSD」を採用したのが特徴。これは、超高速FPGAでDSD信号を5.6448MHz/1bitにアップサンプリングするとともに、1クロックずつあえて遅延させ、8個のDACで変換。それぞれの変換後の信号を総加算し、「移動平均フィルタ」回路を構成するというもの。より高品位な再生が行なえるという。発売時期は12月上旬で、価格は115万5,000円を予定。
「DG-48」は、DG-38の後継モデルとして12月下旬に投入される、デジタル・イコライザー。音場の自動測定/補正機能をさらに進化させたほか、搭載するモニターをワイドの液晶タッチパネルにすることで、付属のスタイラスペンやカーソルキーで、より簡単/スピーディーな操作が可能になったという。価格は78万7,500円。 参考出品されていたのは、モノラルパワーアンプの「M-6000」。2008年3月の発売を予定しており、価格は未定。定格出力は1,200W(1Ω時)、300W(4Ω時)。「徹底的に吟味した」という素材を投入。電源部と出力素子はパワーMOS FET 16パラレル・プッシュプル構成とし、低インピーダンス化を図っている。
■ ラックスマン ラックスマンブースでは、発表されたばかりで、10月発売を予定しているプリアンプ「C-800f」(105万円)や、それとの組み合わせを想定している純A級ステレオパワーアンプ「M-800A」(105万円)などを展示。また、11月発売予定という600番台のプリアンプ「C-600f」(52万5,000円)、パワーアンプ「M-600A」(52万5,000円)がいち早く展示されている。 ほかにも、純A級動作のプリメイン「L-590AII」(53万5,500円)、「L-550AII」(30万4,500円)などの新製品を紹介している。 また、真空管オーディオシステム「NeoClassico」(ネオクラシコ)シリーズ3製品も、iPodと組み合わせて紹介。真空管プリメインアンプ「SQ-N100」(18万9,000円)、CDプレーヤー「D-N100」(12万6,000円)、スピーカー「S-N100」(12万3,900円/ペア)で構成されるシリーズで、アンプ/CDプレーヤーがA4サイズに収められているのが特徴。リビングや書斎などでの利用を想定している。
■ そのほか
マランツのブースでは、B&Wの40周年記念スピーカー「Signature Diamond」が出迎えてくれる。「B&W史上最高の2ウェイスピーカー」を目指して開発されたモデルで、楕円形の円柱で、直角にチューブが刺さったようなデザインが特徴。ツイータはノーチラスシリーズでお馴染みのノーチラスチューブ機構を採用しているが、ハウジングにはイタリア産の大理石を使用している。こうした形での一般向け試聴イベントは初ということもあり、多くの来場者で賑わっている。
なお、カラーリングはミニマリスト・ホワイトとWAKAME(ワカメ)の2バージョンを用意し、各色500台の限定生産となっているが、「注文状況はどちらも好調。ホワイトバージョンは注文数が限定数の20%程度に既に達している」という。価格はペアで273万円。 DYNAUDIO JAPANブースの注目は、30周年記念スピーカー「Sapphire」(サフィア)。価格は220万5,000円(ペア)のハイエンドモデルだ。12面体のエンクロージャは光沢ラッカー木質仕上げ。20cm径のデュアルウーファを採用した4スピーカー仕様。 ブースでは小型のアクティブスピーカー「MC15」(178,500円/ペア)も展示。試聴イベントでは機器レンタルサービスの「レンタルカメラショップ」において、同スピーカーもレンタル可能になったことが報告された。
ナスペックではイタリア・シンセシスのオーディオシステムを紹介している。9月25日に発売されたばかりのCDプレーヤー「PRIDE」(262,500円)、真空管ステレオプリメイン「Nimis RC」(262,500円)に加え、価格/発売日未定ながら、小型の真空管プリメイン「FLAME RC」、2ウェイブックシェルフスピーカー「CLUB」も展示されている。いずれも木製パネル/エンクロージャにラッカー仕上げを施した、情熱的な赤いカラーリングが特徴だ。
□インターナショナルオーディオショウのページ
(2007年10月5日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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