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株式会社東芝は、DVDへのHD映像記録規格「HD Rec」に対応した新HD DVD/HDDレコーダ「RD-A301」を12月中旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は10万円前後の見込み。 HDD容量は300GB。HD DVDドライブは、HD DVDビデオソフトの再生と、1層/2層HD DVD-R記録が可能で、HD DVDへの書き込み速度は等速(36.55Mbps)となっている。DVD-R/R DL/RW/RAMへの記録にも対応するが、カートリッジ式のRAMはサポートしない。チューナは地上/BS/110度CSデジタルチューナを各2系統と、地上アナログチューナを1系統装備する。 ■ HD Recに対応。DVDへMPEG-2 TSのまま録画可能 最大の特徴は、DVDフォーラムが策定したDVDへのHD映像記録規格「HD Rec」に対応したこと。HD Recでは、MPEG-4 AVC/H.264やMPEG-2形式のHD映像をDVD-R/RW/RAMなどに記録可能となり、HD Rec対応レコーダは「RD-A301」が世界初の製品となる。なお、記録用のDVDメディアはCPRMに対応している必要がある。
RD-A301で、MPEG-4 AVCで記録する「TSEモード」を利用した場合、1層のDVD-Rディスクに最長(3.6Mbps)で約2時間15分、推奨モード(8.2Mbps)で約1時間、SPモード(15Mbps)で約30分強の記録が可能となる。HD DVD-RへのTSEモード記録時には、推奨モードで3時間30分程度、SPモードで約2時間の記録が行なえる。TSEモードは3.6Mbps~17Mbpsの間で、47段階の画質レート調整が可能。 TSEモードでのAVC変換時には、解像度変換を行なわない。そのため、「放送が1,920×1,080ドットであれば、横1,920ドットで記録。1,440×1,080ドットの場合はそのまま横1,440ドットで記録する」。 RD-A301のHD Recの特徴は、AVCだけでなく、MPEG-2 TSのストリーム録画番組(TSモード)をそのままDVD-Rに記録できること。地上デジタルのMPEG-2 TS録画の場合、約30分の録画が可能となる。TS/TSEモードのいずれも音声はAAC形式で、再エンコードを行なうことなく、2ch/5.1ch音声をストリーム記録できる。 また、ディスクを「HDVR」フォーマットで初期化することで、AVC(TSEモード)と、MPEG-2 TS(TSモード)と、SD解像度の番組(VRモード)の各モードで録画した番組を、1枚のDVD-R、HD DVD-Rに混在して記録できる。
なお、12月の製品発売時には、TSEモードでのHDDやDVD-Rへの直接録画には対応せず、後日のアップデートで実装予定となる。12月時点では、TSモードで録画した後、ダビング時にTSEモードで変換する仕様となっており、HDD上のTSモード番組をDVD-Rに書き出すだけでなく、HDD上でTS番組をTSEに変換することもできる。後日のアップデータで、直接HDDなどへのTSEモード録画に対応予定だが、「年内は難しい」(東芝DM社 デジタルAV事業部 DAV商品企画部 商品企画担当 グループ長 片岡秀夫氏)という。 HD Recの記録メディアは、CPRM付きのDVD-Rのみ正式にサポートし、RAM/RWはサポート外という位置づけになる。
これは、HD Recの規格上、DVDの読み出し速度が3倍速以上(約33Mbps)が必須、と規定されているためで、RD-A301の搭載ドライブでは、DVD-Rのみが3倍速以上の読み込みに対応している。DVD-RAM/RWの読み出し速度が規格を満たしていないため、たとえば24Mbps程度のBSデジタル放送をTSモードでムーブし、再生した際に正しく再生できない可能性がある。そのため正式サポート対象外としている。ただし、「TSEモードではスペック的にも問題がないため、RAM/RWについても機能としては生かしている」という。 なお、Blu-ray Disc Assosiationが策定し、松下電器のブルーレイ/ハイビジョンDIGAに採用しているDVDへのMPEG-4 AVCでHD記録を行なう「AVCREC」との互換性はない。
■ 録画機能もリファイン。CATV連動録画に対応
HD Recだけでなく、録画機能も強化。デジタル番組のW録に対応するほか、新たにW録時に「TS1」、「TS2」を自動選択し、状況に応じて録画モードを自動的に切り替える機能を追加した。 また、電子番組表(EPG)機能も強化し、新たにCATVも一元管理する「CATV連動」機能を追加した。CATV用STBとレコーダを赤外線接続して、レコーダ側からSTBをコントロール。CATVのEPG情報をRD-A301が取得しているため、地上/BS/110度CSデジタル放送だけでなく、CATV番組の予約や録画番組をRD-A301上で一元管理可能となる。 対応するケーブルテレビ放送事業者については、「当初は首都圏の大手CATV事業者が中心になる」としており、後日同社ホームページにて詳細を公開予定。また、ネットワーク経由でCATV番組情報を取得しているため、CATV連動機能利用時には、ネット接続が必須となる。 また、HDD内のタイトル再生終了後に、見終わったタイトルの消去や、次の回の予約などの選択が可能な「つぎこれ」機能も新搭載した。
地上デジタル放送のコピーワンス運用を見直した「ダビング10」にも対応予定。なお、スカパー!連動機能が省略されている。 出力端子はHDMI×1(1080i)、D4×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログ音声×2、光デジタル音声×1。入力端子は、S映像×2、コンポジット×2とアナログ音声入力×2を装備。Ethernetやモジュラージャックも装備する。液晶テレビ「REGZA」との連携機能「レグザリンク」も装備。i.LINK(TS/DV)を備えており、D-VHSからのムーブが可能な「RD間i.LINKダビングHD」も装備する。外形寸法は430×375×69mm(幅×奥行き×高さ)、重量は6.1kg。 また、RD-A301以降、VARDIAの新モデルとして「RD-A102(仮称)」、「RD-X7(仮称)」も順次発売する。詳細や発売時期については明らかにしていないが、RD-X7は、1080/24p出力やDeep Colorに対応し、高画質化回路を内蔵した上位モデルとなる予定。
■ 購入者にHD DVD「トランスフォーマー」プレゼント
また、パラマウントと共同で、東芝のHD DVD製品購入者に12月19日より発売予定のHD DVDビデオタイトル「トランスフォーマー」などをプレゼントするキャンペーンを実施する。キャンペーン期間は11月1日から2008年1月31日まで。 対象となるHD DVD製品は、新モデル「RD-A301」と、6月発売のVARDIA「RD-A600/A300」、HD DVDプレーヤー「HD-XA2/XF2」。各製品を期間中に購入した人には、HD DVD「トランスフォーマー」をプレゼント。また、VARDIA購入者には、HD DVD-RとDVD-Rを各5枚づつ提供するほか、RD-A301購入者には、オリジナルフィギュアとして映画中に登場する「スタースクリーム」の「ヴァルディアレッド モデル」をプレゼントする。 フィギュアの製作はタカラトミーが担当し、VARDIAのイメージカラーであるレッドを基調にしたオリジナルモデルとなる。
□東芝のホームページ ( 2007年10月31日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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