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ViXS、HD解像度のAVC/MPEG-2対応エンコードチップ
-AVC/MPEG-2トランスコードやVC-1変換も可能


XCode 3290

11月13日発表


 カナダのViXS Systemsは13日、HD解像度のMPEG-2/AVC映像のエンコード/トランスコードなどに対応するマルチエンコードチップ「XCode III」シリーズを発表した。サンプル出荷は開始しており、量産出荷は2008年初頭を予定している。

 MPEG-2や、MPEG-4 AVC/H.264(以下AVC)のエンコード/トランスコード/デコードに対応し、マルチコアCPUなどを統合したSOC(システムオンチップ)の「XCode 3290」と、エンコードチップ単体の「XCode 3111」を用意する。

XCode 3111 XCode 3111搭載リファレンスボード。PCIでPCと接続して利用 XCode 3290搭載リファレンスボード。発熱量が高いためCPUファンを搭載しているが「筐体の設計の工夫でファンレス化も可能」としている

 XCode IIIシリーズは、ビデオフォーマット変換、ビットレート・リダクション、解像度ダウンコンバートなどのトランスコード機能により、ハイビジョン放送の録画時間を最大6倍まで延長可能にするビデオプロセッサ。

 XCode 3290には、HD解像度のMPEG-2/AVC映像のエンコード機能のほか、HD解像度のMPEG-2映像の画質をあまり劣化せずに、低ビットレートのMPEG-2やAVCにリアルタイムで再変換するトランスコード機能を搭載。

ミラーエンコード機能も備える

 AVC映像からMPEG-2へのトランスコードも可能なほか、HD解像度のMPEG-2/AVCのデコードにも対応。SD解像度へのダウンコンバート機能なども装備し、SD解像度のMPEG-2/AVCでは、1つの映像からフォーマットやビットレートなどが異なる2種類のMPEGファイルを同時に出力できるミラーエンコード機能も備える。

 そのほか、HD解像度のVC-1形式のエンコード/トランスコード/デコード機能も装備。音声のトランスコード機能も備える。

 動作周波数400MHzのARC製マルチコアCPUを内蔵。フラッシュメモリやDDR2メモリも追加可能で、Linuxベースのシステムなどが構築できる。ペリフェラルは、シリアルATA、ネットワーク、USB 2.0を各2系統備え、HDDやDVDドライブのほか、ネットワークやUSB 2.0などの制御も1チップで行なえる。そのほか、メニュー画面などを表示するディスプレイエンジンも搭載する。

 著作権保護機能にも対応。日本の地上デジタル放送などで採用するスマートカードインターフェイス(B-CASカード)のほか、北米のケーブルカードや、ヨーロッパのDVB向けCAM/CIなどに対応できる。3DESやAESなどに対応する暗号/復号エンジンも内蔵。WM DRM10やMarlin、Real Networks DRMなどのDRMもサポートする。

 XCode 3111は、マルチエンコード/トランスコードが可能なビデオプロセッサで、既存のHDDレコーダへのAVCエンコード機能の追加などの用途を想定する。CPUやペリフェラルなどが省略されており、MPEG-2/AVC/VC-1のエンコード/トランスコードなどに対応し、著作権保護機能も備える。

XCode 3290の主な機能 トランスコード速度 著作権保護などのセキュリティ機能を搭載



■ バッファローがViXS製チップ搭載のPC用地デジチューナを参考展示

ViXSのSally Daub代表取締役兼CEO

 発表会では、同社代表取締役兼CEOのSally Daub氏が登壇し、「これまではエンコード/トランスコードに対応するチップを提供しており、海外ではSTBやPC用チューナボードに、日本でも日立のHDD搭載テレビ“Wooo”や、NEC、ソニーなどの地上デジタル対応PCなどに採用されている」と、採用例を紹介。

 今後の展望については、「今回開発したSOCのXCode 3290は、STBのほか、DVDレコーダやテレビなど組み込み家電への対応をさらに強化していくことが可能な製品。そのためにアプリケーションのインテグレーションを進めるほか、リファレンスデザインを充実させていくことで、市場を拡大していきたい」とした。


XCode 3290を利用したHDDレコーダの構成例。映像/音声出力部以外のほぼ全機能を1チップで実現可能 ターゲットとなる市場 今後の展望

各社のXCode搭載製品を紹介。海外ではGatewayやHPのPCにも採用されている 日立製作所のiVDR-S録画機能付きデジタルチューナ「IV-R1000」も展示。ViXS製チップ「XCode 2111」を搭載

バッファローのPC用地上デジタルチューナ戦略

 株式会社バッファローの市場開発事業部、和田学事業部長も登壇。同社の地上デジタル対応製品への取り組みについて、「OEM向け製品として、miniPCI接続のPC用地上デジタルチューナボードを国内のPCメーカー1社に提供している。このボードにViXSのHD対応MPEG-2エンコード/トランスコードチップ、“XCode 2111”を採用した」と説明した。

 同社では、今後もPC用地上デジタルチューナのOEM展開を強化するとしており、「PCで地上デジタル放送を扱うには、高機能のCPUやグラフィックス機能が必要なので、地上デジタル放送対応PCは上位モデルがほとんど。そこで、低価格PC向けのCPUやグラフィックス機能などでも、地上デジタル放送が楽しめるように、トランスコード機能を搭載するViXS製チップを採用することで、PCの負荷を軽減できる」という。

 同社では、将来的にはPC用周辺機器として、単体の地上デジタルチューナーボード/ユニットの発売を展開していきたい意向を示しており、「デスクトップPC用のPCI/PCI Expressや、ノートPC用PCI Expressに対応するチューナボードや、USB接続のユニットなども開発している。将来的には単体で販売できるように尽力し、状況が整い次第、製品化する」とした。


XCode 2111搭載のバッファロー製地上デジタルチューナボードを参考展示。PCI、PCI Express、ノートPC用miniPCI対応ボードを用意 新たに開発したノートPC用PCI Express対応の地上デジタルチューナボード バッファロー製地上デジタルチューナボードのデモ

□ViXS Systemsのページ(英文)
http://www.vixs.com/
□XCode 3000シリーズのページ(英文)
http://www.vixs.com/sections/products/xcode_3000/xcode_3000.htm
□関連記事
【2006年4月6日】ViXS、HD映像の再変換が可能なMPEG-2エンコードチップ
-実時間程度の速度でトランスコードが可能
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060406/vixs.htm

( 2007年11月13日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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