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「Embedded Technology」で松下、NECがBD開発向け展示
-ワンセグやポータブル/車載など最新組込技術が出展


期間:11月14日~16日

会場:パシフィコ横浜

入場料:1,000円(事前登録者は無料)


 国内外の半導体・ソフトウェアベンダーなどが、最新の組み込み技術を用いた製品やソリューションを展示する「Embedded Technology 2007/組み込み総合技術展」が11月14日~16日にパシフィコ横浜で開催。入場料は1,000円だが、事前登録で無料となる。

会場はパシフィコ横浜

 松下やNECがBlu-rayプレーヤーなどの開発を可能にするターンキーソリューションを参考展示したほか、各社がワンセグ受信機やポータブルプレーヤーなどモバイル向けの開発キットを出展。エプソンの無接点充電技術など、今後のAV機器への採用が期待される技術も紹介されている。



■ BDプレーヤー/レコーダ向け

 松下のブースでは、米国で10月30日(現地時間)に発表されたBDプレーヤー「DMP-BD30」にも採用された、新UniPhierベースのBD製品開発ソリューションを展示。BDプレーヤー/レコーダの開発を可能にするもので、キーデバイスを松下製品で供給することによる信頼性が大きな強みだという。

 レコーダでは、フルHD映像の2番組同時録画や再生が実現可能。最新機器で要求される音声コーデックなどもサポートするほか、BD-JAVA実行性能は「民生機器最速」としている。

 現時点では他社への提供は決まっていないが、「5、6年先を見越した長いスパンで協力できるメーカーの申し出があれば対応したい」(説明員)という。


松下のBDレコーダ/プレーヤー向けソリューション展示 地図データのBD-JAVAコンテンツを収録したディスクの再生で性能をアピール

 NECエレクトロニクスのブースでは、BDプレーヤー向けソリューションとして、同社の開発プラットフォーム「OViA」(オーヴィア)を採用したキットのデモを展示。実際にPC用ドライブでBDビデオを再生していた。

 BD-ROM/R/REやDVDメディアの再生に対応し、AVCHDディスクも再生可能。BDMV Profile 1.1をサポートし、BD-JAVAにも対応する。提供開始時期などは未定。なお、NECはHD DVD支持を表明しているメーカーだが、HD DVD向け製品ついて尋ねたところ「検討中。ニーズを見て先にBDで出展した。要望があれば対応できる」(説明員)としている。


NECエレクトロニクスのBDプレーヤー開発ソリューション BDミドルウェアはビデェイス株式会社(VideACE)が提供

 そのほか、ゼンテックはBDプレーヤーなどへの採用を想定するBD-JAVA実行エンジン「MediaStack-BD-J」を展示。同社の欧州デジタルテレビ向け受信ソフト「MediaStack-MHP」をベースに開発されており、今後BD-JAVA対応製品を開発するメーカーにとっての開発期間の短縮などをメリットとして提案する。


ゼンテック「MediaStack BD-J」のデモ



■ ワンセグ向け

 NECエレクトロニクスは、前述の「OViA」プラットフォームをベースとした、ワンセグのソリューションを紹介。EPGや字幕、データ放送、緊急警報放送(EWS)などをサポートしており、録画機能にはオプションで対応。ほぼ同等の構造を持つメディアプレーヤー用キットも合わせて展示されていた。


OViAプラットフォームによるワンセグ対応機器開発向けキット。左はデータ放送表示時 同プラットフォームで、メディアプレーヤー開発向けも

 富士通エレクトロニクスのブースでは、12セグ/ワンセグ両対応のフロントエンドモジュールを展示。車載/ポータブル機器での利用を想定しており、ダイバーシティ対応で受信の安定化を図りながら、サイズは約3×3cmと従来製品に比べ小型化を実現した。同モジュールを採用する製品については、2008年の発売を見込んでいる。


富士通の12セグ/ワンセグ対応フロントエンド ルネサスのブースでは、ワンセグ向けチップ「SH-Mobileをデモ。三洋「ミニゴリラ」などポータブルナビで採用されている



■ その他

 CEATECで公開された、ピクセラの「マルチファンクションテレビ」がNECエレクトロニクスやマイクロソフトのブースに出展。


NECエレクトロニクスのブースでピクセラの「マルチファンクションテレビ」を紹介。画面は「ダウンロード」機能で、天気や株価、家庭のお風呂の湯張り状況などを確認できるソフトを取得するイメージ

 OSに「Windows Embedded CE 6.0」を搭載する同製品は、デジタルテレビとしての利用に加え、ネットワークビデオ/オーディオプレーヤーとしての利用や、インターネット経由でのダウンロードなどもイメージされており、会場でもメニュー画面のデモを見ることができた。

 なお、同日にマイクロソフトは「Windows Embedded CE 6.0 R2」の提供開始を表明しており、ピクセラや東芝などのパートナー企業をゲストとして招いた記者発表会も実施。「Windows Embedded CEにより“スタンドアロンから、コネクテッド・エクスペリエンスへ”という流れは広まっており、パートナーにビジネスチャンスを提供できる」(米Microsoft Windows Embeddedビジネスジェネラルマネージャー ケビン・ダグラス氏)と、アライアンスによる強みをアピールした。


マイクロソフトのブースでも、パートナーの製品として「マルチファンクションテレビ」を展示 米Microsoftのケビン・ダグラス氏 USENのテレビ向けBB配信端末「ギャオプラス」もWindows Embedded CE搭載製品として紹介

無接点充電を可能にする伝送モジュール

 エプソンは、携帯電話やポータブルオーディオなどに応用可能な無接点充電技術「Air Trans」のモジュールを展示。量産を開始している0.5W出力モデルに加え、開発中の2.5Wも展示。

 一般的なデイパックに太陽電池を搭載し、無接点で携帯電話に充電できるというデモや、ポータブルオーディオプレーヤーへの電力伝送を開始すると自動で音楽が再生されるといった、様々な用途提案がなされていた。


太陽電池搭載デイパックで充電、無接点で携帯電話に給電するというデモ ポータブルプレーヤーを充電台に置くと、自動で音楽を再生するという提案も


金属を感知すると、安全面から伝送を停止 無接点充電でNゲージの電車が走行。70%以上を可能とする高い伝送効率も特徴 村田製作所と共同開発する高速充電のデモ。10秒の充電で、一般的な充電に比べ約6倍の差が出た


NECエレクトロニクスは、USBメモリやポータブルプレーヤーに収めた楽曲/ビデオをナビなどで再生可能にする、USBホストコントローラ内蔵デコーダ(左)や、マルチコア処理で4画面表示にも対応するLSI「NaviEngine」も出展 日立は、楽曲検索の高速化などを実現する組み込みデータベース「Entier」を紹介


□Embedded Technology 2007のホームページ
http://www.jasa.or.jp/et/index.html

( 2007年11月14日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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