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社団法人日本レコード協会(RIAJ)は25日、携帯電話向け違法音楽配信に関する利用実態調査の結果を発表。2006年に比べ利用率などが拡大傾向にあり、推定で年間約3億9,926万ファイルの着うた/着うたフルが違法ダウンロードされているとした。 調査は携帯電話を利用するモバイルアンケートで、実施期間は11月12日~15日。対象は12~39歳の携帯電話利用者で、サンプル数は1,054。調査委託先は野村総合研究所のコンサルティング事業本部。なお、「違法サイト」の定義は、「音楽を無料でダウンロードできる携帯電話向けサイト(プロモーション目的での一定期間の無料配信は除く)」としており、掲示板サイトへのファイル投稿(アップロード)も含まれている。 違法サイトを利用したことがあるという回答は37.1%で、2006年の35.5%から増加。認知率も82.5%で、2006年(74.0%)より伸びている。年代別では、最も多いのが2006年と同じく12~15歳。10代後半と20代の利用率が増えている。 一方、違法サイトへのアップロードは14.0%と、2006年(17.7%)に比べやや減っており、特に10代のアップロード経験率が減少。なお、20代前半は増加している。 ダウンロードの対象としては、2006年は主に着うただったが、今回の調査では着うたフルのダウンロード頻度が着うたを上回っており、特に10代において着うたフルのダウンロード曲数が大幅に増えている。 RIAJでは、違法サイトからダウンロードされた着うた/着うたフルの曲数を約3億9,926万曲(2006年は2億8,700万曲)と推定。この数は、日本の人口(12~39歳/総務省統計)と携帯電話保有率(RIAJ調査)、モバイルインターネット利用率(インプレス刊「ケータイ白書2008」)を掛けた数字に、アンケートのデータ(違法サイト利用率と平均ダウンロード曲数)を乗じて算出されている。なお、直近1年間(2006年10月~2007年9月)の有料(正規)着うた/着うたフルダウンロード数は3億2,700万回。 違法サイトの利用による影響として、有料サイトの利用が減ったという回答は、2006年に比べ3.6%ポイント増加の27.6%。CD購入に関しても、違法サイトの利用で減ったという回答が8.3ポイント増の24.2%となっている。 著作権に関しては、音楽ファイルのアップロードにはアーティストの許可などが必要であることを76.7%が認識。2006年と同様(0.9ポイント増)の結果となっている。 違法サイトの利用に後ろめたさを感じないという人は77.1%で、2006年の82.1%より減少しているが、そのうち「全く感じない」という回答は6.4ポイント増の38.3%となった。一方で、「多少感じる」という回答も5.4ポイント増の20.0%となっており、RIAJでは「二極化が進んでいる」と分析している。また、これまで違法サイトを利用したことがない人の利用意向は16.2ポイント減の31.0%となった。
□RIAJのホームページ ( 2007年12月25日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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