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【BD/HD DVD編】「BD-Live」対応やBDからのPSP出力など
-付加価値向上を図るBD。HD DVDはストリーム映像配信


BDAブース

会期:1月7日~10日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
    Sands Expo
    The Venetian


 CES開幕前にWarnerのBlu-ray Discへの一本化という大きなニュースのあったハイビジョン光ディスク。CES会場では、Blu-ray、HD DVDの各陣営が新製品の発表とともに、各フォーマットの新機能や魅力をアピールしている。


■ ソニー、松下などがBD-Liveのデモを実施

 BDについては、Blu-ray Disc Associationや各BD関連メーカーが新製品や技術デモを行なっている。

ソニーのBD-Liveデモ

 なかでも目を引くのがネットワーク拡張機能のBD-Liveのデモだ。BD-Liveは、BD-ROMの最新仕様となるProfile 2.0に含まれるもので、ネットワークやインタラクティブ機能などが拡張される。ソニーや松下電器が対応プレーヤーを出展し、BD-Liveのデモによるネットワーク機能をアピールしている。

 昨年末から、BD-ROMのPinPによる特典映像の子画面表示などが可能な「Profile 1.1」対応プレーヤーやレコーダが発売開始されており、1月に米国でProfile 1.1対応の第1弾タイトルとして「Resident Evil」が販売開始されている。

 Profile 2.0については、規格は策定されているが、現時点では対応コンテンツやプレーヤーは販売されていない。Profile 2.0対応プレーヤーには、ネットワーク接続のほか、コンテンツのダウンロードのために1GB以上のメモリの内蔵、もしくは外部メモリー用拡張スロットの搭載が必須となっているという。

 ソニーのブースでは、BD-Live対応のPLAYSTATION 3とBDプレーヤーの試作機を参考出展。SPEが制作したBD-LiveのテストディスクとPS3を用いて、BD-Liveの機能をアピールしている。なお、BD-Live対応のプレーヤーは2008年内の発売を目指すほか、PLAYSTATION 3についてはファームウェアのアップデートで対応予定としている。

 BD-Liveの機能としては、字幕や特典、着信音などのダウンロードなどにより、BD-ROMディスクに入っていないコンテンツの拡張などが可能。また、同じ「MIB」のディスクを持っている人が同士がネットワークを介して“トリビア情報”のクイズを行なうなどの双方向ゲームや、ディスクのお気に入りシーンを共有する機能などを提案している。

BD-Liveで様々なネット機能を提供 複数のプレーヤーで対戦プレイができるBD-Liveを使ったMIBのトリビアゲーム BD-Live/Profile 2.0対応のPLAYSTATION 3試作機

DMP-BD50

 一方、松下電器はBD-Liveに対応したBDプレーヤーの新モデル「DMP-BD50」を発表。BD-Live対応のコンテンツがまだ販売されていないこともあり、発売時期は未定だが、年内の早い段階の発売を目指しているという。

 DMP-BD50は、PHLのリファレンスクロマプロセッサや、IP変換プロセッサの「P4HD」などを搭載し、高画質化を図ったほか、ドルビーTrueHD、DTS-HD Master Audioなどの出力に対応。また、SDメモリーカードスロットを備えており、SDカードに記録したAVCHD映像も再生できる。

 松下ブースでBD-Liveのデモを実施。また、BDAブースでは、FOXの「エイリアン VS プレデター」を用いた一人称視点のシューティングゲームのデモを行なっている。同ゲームでは、2台のプレーヤーで、それぞれが任意のキャラクタや武器を選択して、ネットワーク経由で対戦できるというもの。

武器を選択 シューティングゲームのネット対戦が可能


■ PS3でBDからPSP用映像を転送

 また、ソニーブースでは、PLAYSTATION 3を使って、ポータブルプレーヤー用にBD-ROM上に用意されたコンテンツを、PSPに転送するデモが行なわれている。

 BD-ROMタイトルの一部領域にポータブルプレーヤー用のデータを用意。このデータをPSPに転送するというもので、コンテンツをPS3上で選択し、認証キーを入れると転送を開始する。デモでは165MBのAVC映像を約1分程度でコピー完了し、PSP上で再生していた。

BD-ROMとともにポータブルプレーヤー用のファイルをPS3が認識 認証キーを入力して転送

転送されたAVCファイルをPSPで再生

 このデモはBDのネットワーク機能である「BD-Live」とは関係無く、「BDの大容量を生かした可能性の提案としてデモを行なっている」という。また、Blu-rayでの導入が予定されている「マネージド・コピー」とも異なり、機器上で認証を行ない、BD-ROM上のコンテンツをコピーするため、コンテンツホルダの協力が得られれば、さまざまな機器への書き出しを実現できる。


■ 各社が新プレーヤーを発表

パイオニア「BDP-05FD」

 BD-Live対応をアピールしているソニーや松下電器以外にも、BDプレーヤーやBD/HD DVDプレーヤーの新製品が発表されている。

 パイオニアもBDプレーヤーの上位モデル「BDP-05FD」を出展。x.v.ColorやDeepColor 12bitに対応するほか、297MHz/12bitのビデオDACを搭載し、画質や音質にこだわったモデルで、価格などは未定という。

 シャープも、BD-ROM Profile 1.1をサポートし、DTS-HD Master Audioのビットストリーム出力に対応した上位モデル「BD-HP50U」を発表。4月より発売を予定しており、価格は799ドル前後の見込み。船井電気もProfile 1.1対応の低価格プレーヤー「SYLVANIA」を発表している。

 また、松下電器は、PC用の9.5mm厚ドライブを発表。また、車載用のBDドライブなども参考出展している。


シャープ「BD-HP50U」 フナイ「SYLVANIA」 松下電器のPC用9.5mm厚BD-R/REドライブ

 SamsungはBD/HD DVDのコンボプレーヤーの新モデル「BD-UP5000」を出展。BD-ROM Profile 1.1に対応するほか、HD DVDのHDiもサポートする。既に発売を開始しており、価格は800ドル前後。

 LG電子も第2世代BD/HD DVDコンボプレーヤー「BH200」を発売している。実売価格は799ドル。WarnerのBD一本化でBD優位が高まっているが、LG電子では「UniversalやParamoutはHD DVDで独占供給を行なっている。両方に対応したいという消費者のニーズは引き続きあると考えている」としている。

Samsung「BD-UP5000」 LG電子の「BH200」


■ ストリームや外部機器連携などをアピールするHD DVD

 東芝のブースでは、HD DVD関連の技術展示や、コンセプトモデルが出展されている。また、HD DVDプロモーショングループのブースでは各社の新プレーヤーやビデオタイトル、HD DVD対応パソコンを一堂に集めている。

東芝のHD DVDブース ポータブルHD DVDプレーヤーのコンセプトモデル 東芝、オンキヨー、VenturerのHD DVDプレーヤー

 東芝ブースでは、HD DVDのネットワーク機能を使ったストリーミング再生のデモを実施している。

 HD DVDでは、初代機からネットワーク機能が必須となっており、昨夏以降予告編のコンテンツダウンロードに対応したタイトルなどが販売されている。しかし、ストリーミングでのコンテンツ提供はまだ行なわれていない。ストリーミングについては、ユーザー環境の違いが大きく、動作保証が難しいため、コンテンツ事業者はあまり積極的ではないという。

 デモではコンテンツ4Mbps程度のSD解像度の予告編などをストリームで配信。また、より低速度な回線の場合には、さらにビットレートを落として配信するなどの工夫を行なっているという。

 実現の時期などは未定だが、展示の反響や、特に北米市場におけるネットワーク環境の変化などにあわせて、実現できる環境を整えているという。

ネットワークを介したストリーム再生を選択可能 SD映像をストリーム再生する 北米版のハリーポッター最新版では、同じディスクを持っている人同士が、同一シーンを見ながらチャットできる

 また、ユニークなのは、「HD DVDアミューズメント」のデモ。HD DVDプレーヤーに接続した外部機器を、映像/音声に同期した形で制御するもので、デモ機ではコンポーネント映像出力とあわせて機器の制御信号を出力し、制御情報を抜き出す機器を用いてLITTLE JAMMERの動作や、周辺の照明をコントロールする。

HD DVDアミューズメントのデモ 音楽にあわせて、ユーザーがリモコンでドラム演奏できる

 人形の制御データ(スクリプトとXML)はHD DVDディスクにあらかじめ記録させ、HD DVDの「HDi」の機能を使ってコンテンツ再生に同期させた形で人形たちを動かす。たとえば、ボーカルが歌うシーンでは、ボーカルの人形が動き、ドラムの音に合わせてドラマーがドラムをたたく。さらに、ディスクの7.1chオーディオにそれぞれに楽器をアサインしてエンコードしているため、リモコンで任意の楽器を選んでミュートしたり、あるいはユーザーがシンバル部のみ演奏に加わるなどの機能が実現できる。

 オーサリング時の制御情報の付与や、制御用のハードが必要となるが、東芝では演奏シーンにあわせたMIDIキーボードの制御や、映画の暗いシーンで照明を落としたり、南極の映像では冷房を強めるなどの応用を想定している。また、これらの制御機能の出力は既存のHD DVDプレーヤーで可能となっている。

□2008 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080105/warner.htm
【リンク集】2008 International CESレポートリンク集
http://av.watch.impress.co.jp/docs/link/2008ces.htm

( 2008年1月9日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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