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株式会社日立製作所は、1月22日に発表したフルHDビデオカメラ「Wooo」2モデルの製品説明会を開催。従来モデルとの画質比較デモを行なうなど、機能強化をアピールした。 新モデルは、8cm Blu-ray Discドライブと60GB HDDを搭載した「DZ-BD9H」が2月12日、60GB HDD搭載の「DZ-HD90」が3月3日発売。価格はともにオープンプライスで、店頭予想価格は「DZ-BD9H」が18万円前後、「DZ-HD90」が14万円前後の見込み。 主な仕様は既報の通り。「DZ-BD9H」は、8cm BD/DVDの書き込みに対応した光学ドライブと60GB HDDを搭載したビデオカメラ。 2007年8月発売の「DZ-BD7H」から筐体デザインなどや基本設計を引き継いでいるものの、感度を向上した新開発CMOSの採用や、画像処理回路「Picture Master Full HD」の制御アルゴリズムを最適化し、解像度を約10%向上。光学系/センサ/映像エンジン間で、光の情報を余すことなく処理することにより、従来は水平解像度が850~900だったが、1,000本に迫る解像度を実現したとしている。最低被写体照度は従来の24ルクスから15ルクスに改善された。 撮像素子はAltaSens製の1/2.8型総画素数530万画素CMOS(動画有効画素数207万画素、静止画有効画素数約432万画素)。撮像素子の1,920×1,080ドットの領域を切り出して、MPEG-4 AVC形式のフルHD記録に対応する。レンズのF値は1.8~3.0。35mm換算での画角は動画撮影時で約47~470mm(16:9時)、静止画時で約34.5~345mm(4:3時)。 そのほかの強化点としては、電子式手ぶれ補正の制御速度を向上させたことで、従来比2倍以上の補正能力を実現したという。AF性能においても、センサーのS/N改善や感度向上、Picture Master Full HDの制御最適化により改善されている。 HDD容量は従来の30GBから60GBに増加。そのほか、明るさを約1.4倍に向上した2.7型液晶ワイドモニターを搭載するなどの機能強化を図っている。
静止画はSDメモリーカードにJPEG形式で記録。撮影したフルHD動画から、好みのシーンをカメラ本体でSDカードに静止画として切り出せる「フルハイビジョン静止画キャプチャー」機能も搭載する。なお、従来モデルと同様、動画撮影中に静止画を撮影することはできない。 HDDのみの「DZ-HD90」は、カメラ部や光学系の基本仕様は「DZ-BD9H」と共通だが、Blu-ray Discドライブを省略し、小型化するとともに、eSATA接続の別売外付けBlu-ray Discドライブとの連携機能を搭載している。HDD容量は60GB。なお、小型化のため液晶ビューファインダは省略されている。 会場では、DZ-BD9HとDZ-BD7Hでの撮影映像を比較するデモを実施。解像度やS/Nなどの改善点について説明された。
■ 日立からもダビング対応e-SATA BDライターを夏に発売予定
HDDからBDへのダビング速度は、「DZ-BD9H」の本体内で行なう場合と、「DZ-HD90」と外付けBDドライブで行なう場合でほぼ同等となっており、最高画質のHX(約15Mbps)の場合で最大2倍速以上、HS(約7.5Mbps)では4倍速となっている。
DZ-BD9HはBD-R/REのほか8cm DVD-R/RW/RAMへのSD変換ダビングに対応。DZ-HD90から外付けドライブへの接続時は、ダビング先はBD-R/REまたはDVD-Rのみとなる。 DZ-BD9Hが接続できるBDドライブとして、同社が検証した製品はアイ・オー・データ機器の「BRD-UXH6」。作成したBDメディアは、松下/ソニー製BDレコーダやPS3、パイオニア製BDプレーヤーなどでの再生検証が行なわれている。 発表会では、日立からも対応BDライターを2008年夏に発売することが明らかにされた。詳細な内容は公開されなかったが、「(現行のドライブと)全く同じではなく、機能を強化した製品となる」という。
■ ハイビジョンモデルは'08秋にシェア2割へ
同社は、従来モデルの「DZ-BD7H」と「DZ-BD70」の販売も継続し、2月7日発売のDVD/HDDハイブリッドカム「DZ-HS903」と「DZ-HS803」も合わせ計6製品のラインナップで展開。 今回のハイビジョンモデル2機種については「DZ-BD9H」が「子育てなどで毎日こまめに撮り、全てを残す」ユーザー向け、「DZ-HD90」は旅行などで長く撮って、選んで残す」ユーザー向けと位置づけられている。 事業戦略について説明したコンシューマ事業グループ商品企画本部の吉野正則氏は、「2007年末に、ようやくBDが次世代DVDの本命として認知されてきた。2007年以降は開発と事業の方向をHDに振っている」と説明。 また、「調査では、ビデオカメラの使用目的は59%が“残すため”で、“見て楽しむため”の32%を上回る。最終保存媒体としては、AVCHDのDVDでは12cmでも40分足らずだが、“ちゃんとハイビジョンを残せるのは、DVDの約5倍の容量のブルーレイ”」とした。今後のシェア目標については、「2007年秋に5%だったが、2008年春には今回の製品で15%を目指し、2008年秋までにはこれまでと違うことを考えて、20%以上」だという。
□日立製作所のホームページ ( 2008年1月31日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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