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パイオニア株式会社は、2008年3月期第3四半期連結決算を発表。売上高は前年比1.7%減の2,110億390万円、営業利益は36.8%増の68億8,700万円。純利益は30.7%減の16億8,800万円となった。 カーエレクトロニクスは、売上、営業利益ともに伸長したが、ホームエレクトロニクス事業において、プラズマテレビの売り上げが減少。プラズマテレビの通期販売目標を当初予測比で約8万台減の46万台に下方修正するとともに、通期の売上高予測も200億円減の8,000億円に修正した。 ■ プラズマの通期販売目標を下方修正。抜本的な見直しも ホームエレクトロニクス事業は、売上高が前年同期比9.6%減の1,005億1,200万円。営業利益は同72.8%減の7億7,700万円となった。 売上高の減少要因は、プラズマディスプレイの販売減で、国内の家庭用が増加した一方、欧州、北米で家庭用が減少。また、OEMや業務用についても減少したという。ホームエレクトロニクス事業におけるプラズマの構成比は約42%(前年同期は約49%)。Blu-ray Disc関連デバイスやDVDドライブの売上が増加したが、DVDレコーダの売上は減少した。
第3四半期のプラズマテレビ地域別販売状況は、北米が40%、欧州が45%、日本が5%、その他地域が10%で、サイズ別の構成比は、42型が約40%、50型が50%弱、60型が約10%という。なお、フルHDの比率は「通期で20%」としている。 第3四半期の結果を受けて、通期のPDP販売目標を当初予定の56万台から48万台に下方修正。岡安秀喜常務取締役C.F.O.は、「ディスプレイ事業を抜本的に見直す。3月を目処に、新しいディスプレイ事業の経営計画を発表する」とした。 3月まで新計画の検討を続けるが、「プラズマの撤退という議論はしていない。続ける」と言及。見直しの方向性については、「今のプラズマの状況をみていると、(他社製品と)1.5~2倍近い価格差がある。大きな価格差があっても買っていただける品質があり、アフターサービスへの満足度なども高い評価を得ている。ただ、問題はそういったお客様の数が我々の想定より小さい。これがまず第1の課題。もう一つは、売上に見合った損益構造になっていない。固定費の大きさ等が見合っていないのではないか。そこを再構築していこうと考えている。また、われわれの強みである、音を活かしたホームシアターなどをセットで考えて、事業構造を変えていく」と説明した。 ■ 通期売上目標を下方修正も、営業益は据え置き
カーエレクトロニクス事業の売上高は、カーナビが前年並み、カーオーディオが売上増となり、前年比8.5%増の926億9,100万円となった。営業利益は前年比86%増の59億500万円。 カーナビは、市販、OEMとも、国内市場で減少したが、北米で増加。カーオーディオは、市販市場向け売上が中南米で増加したほか、OEMは国内や中国、北米で増加している。カーエレクトロニクスにおけるOEMの売り上げは約40%。 特許関連では光ディスクにおける一部の特許権の期間が満了し、売上高は前年同期比で57.6%減の1億4,800万円。営業損失が5,500万円。その他の部門では、FA機器などが減少し、売上高が0.2%減の176億8,800万円、営業利益は5億300万円。
なお、第3四半期決算を受けて、2008年3月期の通期連結業績予想を修正。プラズマの売上が欧州や北米で計画を下回る見込みであるため、売上高は当初予測比200億円減の8,000億円とした。 ただし、カーエレクトロニクス事業において、原価率改善や中南米市場の市販カーオーディオ製品の売上増により、利益の増加が見込まれているため、営業利益100億円、純利益60億円については、変更は行なわない。 □パイオニアのホームページ ( 2008年1月31日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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