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サイバーリンク株式会社は14日、日本国内における事業展開の現状や、今後の国内事業拡大に関する記者説明会を開催した。 今後はさらに「腰を据えた国内展開」を行なっていく方針で、従業員を増加するなど事業を拡大し、日本独自仕様への対応などを強化していくとしている。 ■ プレーヤーソフトのシェアは全世界の70%
同社CEOのAlice H.Chang氏は、同社事業の現状を説明した。中心となるのは、PCや周辺機器へのソフトウェアバンドルで、収益の8割を占める。バンドルソフト、市販ソフトを含むPC用DVD/Blu-ray Disc/HD DVD再生ソフトウェアのワールドワイドのシェアにおいては、70%を確保しているという。 PCへのソフトウェアバンドルでは、各メーカー製PCのマルチメディアソリューションとして、同社の統合ソフト「PowerCinema」などをベースとしたカスタマイズバージョンを提供している。 Alice H.Chang氏は、「最近のPCでは、ノート型もデスクトップもハードウェアの差別化が難しいため、差別化の中心はアプリケーション。OEM向けのソフトウェアカスタマイズでは、インターフェイスのほか、搭載する機能などもカスタマイズ可能なので、各メーカーごとの製品の差別化にも貢献している」と説明した。 PC本体のほか、周辺機器へのOEMについても言及。DVDやBD/HD DVDドライブメーカーに対してオーサリングやライティング、再生用ソフトウェアソリューションを提供している。特にBD/HD DVD再生ソフトについては、データ伝送に関する特許技術を所有。同技術はPLAYSTATION 3のBDビデオ再生機能などにも採用されているという。
■ ブラウザ経由のコンテンツ視聴サービスに期待
国内事業については、2007年10月より就任した同社代表取締役社長の尾藤伸一氏が説明した。 これまでの国内実績として、ソニーの液晶一体型デスクトップPC「VAIO Type L」や、デルの液晶一体型モデル「XPS One」に搭載される地上デジタル放送の視聴/録画ソフト「TV Enhance」、東芝やソニーのノートPCに備えるDTCP-IP対応のDLNAクライアントソフト「SoftDMA」、ビクターのHDD内蔵ビデオカメラ「Everio」シリーズに付属する統合ソフト「PowerCinema」などを紹介。「今後もこれまで以上に多くの国内企業に対して、OEM事業を展開していきたい」と語った。
OEMビジネス以外にも、新たなサービス事業として、「Cyberlink Live」を展開している。自宅のPCに保存された映像、音楽、画像などのコンテンツ、PCに搭載するアナログTVチューナやWebカメラの映像を、ネットワーク経由で外部からWebブラウザ経由で視聴/閲覧などができるサービス。現在はベータ版として提供されており、無料で利用が可能。 2007年11月からは日本語表示にも対応しており、今後は国内でもさらに利用者を増やしていきたいとしている。
日本市場の特徴として、「テレビなどのIT家電の勢いがあるため、先進国の中ではPCが売れない唯一の国であり、通信単価が世界で最も安く、通信インフラとデジタル放送の普及が同時に進行している国」と説明。そのほか、「ユーザーが非常に洗練されており、製品に対して非常に手厳しい国でもある」と、他国に比べて特殊である点を強調。 日本市場での事業拡大においては、こうした特殊な市場性を考慮し、「国内のパワーユーザーとともに、サイバーリンクのビジョンでもある“Connected digital lifestyle”を定着させていきたい」と意気込みを語った。 なお、Blu-ray Disc/HD DVD再生ソフトの国内の状況については、「日本では、CorelのWinDVDの人気が高いため苦戦しているが、PCにおける次世代DVDの普及は、まだ離陸前の段階のため、今後が勝負になる」とした。
□サイバーリンクのホームページ ( 2008年2月14日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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