◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
スカパー、’09秋をメドにHD放送50チャンネルへ
-対応STBは3万円程度を想定。BSデジタル参入も視野


仁藤雅夫社長

2月14日開催


 スカパーJSAT株式会社は14日、社長定例会見を開催。13日に発表された2007年度第3四半期の業績説明を行なった。また、放送サービスの強化としてHD放送拡充の具体的なスケジュールについて触れたほか、13日に発表した宇宙通信株式会社の子会社化についても説明された。

第3四半期の連結損益

 第3四半期のグループ連結営業収益は、904億1,800万円、営業利益は96億500万円、当期純利益は109億1,900万円。内訳では、スカパーJSATの営業収益が48億9,800万円、純利益37億900万円で、JSATは営業収益289億2,800万円、純利益47億1,500万円、スカイパーフェクTVが営業収益676億6,300万円、純利益23億9,200万円。総登録件数は423万件、個人登録件数は367万3,000件、個人解約率は11.5%。

 新規個人契約件数は11万8,000件で、前年同期の10万6,000件より微増となったが、そのうち110度CSデジタルの「e2 by スカパー!」の増加数は、前年同期の3万7,000件から6万3,000件に大きく増加している。これについて仁藤雅夫社長は、「第3四半期から力を入れているe2の拡販に効果が現れた。チューナがあらかじめテレビに内蔵され、リモコンも共通化されていることから、マーケットは従来の先進層と違う、一般層まで広がっている」と述べた。

 一方で、個人解約率も昨年に比べ若干増えていることについて「e2はSTBが必要ないため、出入りがより気軽になった」と見ている。さらに、2月からはこれまで書面で確定していた解約手続きが、電話での確認のみで行なえるようになるため、2月単月の解約数は、これまでより1万2,000件程度の増加を想定しているという。



■ ’09年秋メドにスカパー! 50chをHD化。対応STBは3万円程度

 今後の施策としては、e2においては夏の北京オリンピックに向けた販売の強化や、従来の16日間無料体験、アンテナサポートなどの継続実施を挙げた。また、MPEG-4 AVC/H.264フォーマットを用いたHD化については1月末時点で4チャンネルで、4月には「フジテレビCSHD」が開局するほか、「ムービー・プラス」、「LaLa TV」のHD化を予定しており、合計7チャンネルとなる予定。

 スカパー! では、HD放送について、第1期として2008年秋をメドに映画・サッカー・アダルトのPPVや、プレミアムチャンネルを中心に10チャンネル程度で開始予定。HDMI/Ethernet端子を備え、DLNAにも対応するSTBの投入を見込んでいる。また、第2期として2009年秋をメドにベーシックチャンネルを中心として約40チャンネルを追加。「HDベーシックパック」の導入に加え、さらに高機能化したHD対応STBも採用される見込み。なお、HD対応STBの価格については「3万円程度を想定する」という。


e2の主な施策 スカパー! の施策とHD化のスケジュール

e2とスカパー!の位置付け

 HD化については、「放送事業者は、ここ1、2年でHD化の準備を整えており、現在約90チャンネルがHDサービスへの参入を希望している」という。110度のe2ではHDで扱えるチャンネル数が限られるため、e2は一般層を取り込むためのエントリーサービス、スカパー! はプレミアムサービスと位置付け、サービス全体の成長を図る。

 さらに、2011年のBSアナログ終了に伴うBSデジタルの帯域拡張に関しても「使えるようになるならば、ぜひHDで活用したい」と意欲を見せた。そのほか、NTTグループが展開予定の次世代ネットワークサービス「NGN」についても、「コンテンツアグリゲーターとして、新たなビジネスモデルをNTTと検討する」とした。


3月に行なわれる「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008」のサテライト上映をe2とスカパー! で実施する WOWOWとのセット割引第2弾も 3月からのJリーグ開幕に向け、「アウェイは、スカパー! で行こう!」をキャッチフレーズに展開

スカパー! 光の施策

 スカパー! 光は、新規個人契約件数が2007年12月末で約5万4,000件となっており、第3四半期では新規の3分の2以上を戸建て加入者が占めている。今後もNTTと協力して販売を進めることを基本としており、同10月よりビックカメラにおいてトライアル運用を行なっている、NTTの「フレッツ」と工事を同日に実施するというサービスを、家電量販8法人に拡大するなどの施策を用意している。



■ 宇宙通信の統合で競争力強化へ

 そのほか、13日に発表した、宇宙通信の子会社化についても言及。目的としては、「衛星事業基盤・競争力の強化」、「水平統合による効率化・サービス向上」、「成長のベースとなるキャッシュフロー創出」の3点を挙げており、衛星メーカーやロケット会社などへの交渉力の強化なども期待されるという。

 今後の衛星打ち上げスケジュールとしては、2007年に打ち上げが失敗した予備衛星を2009年夏に打ち上げるほか、2011年にはB-SATと共同でBS/CSハイブリッド衛星の打ち上げを予定。110度CSの予備衛星機能を備えており、e2も含めたフルバックアップ体制が整うとしている。


宇宙通信の子会社化で期待する効果 統合直後の衛星フリート体制 今後の衛星打ち上げ計画


□スカパーJSATのホームページ
http://www.skyperfectjsat.co.jp/Default.aspx
□ニュースリリース(業績と今後の事業展開について/PDF)
http://www.skyperfectjsat.co.jp/Default.aspx?ID=989&M=News&PID=1815&NewsID=1069
□ニュースリリース(2007年度第3四半期決算/PDF)
http://www.skyperfectjsat.co.jp/Default.aspx?ID=989&M=News&PID=1815&NewsID=1064
□ニュースリリース(宇宙通信の子会社化について/PDF)
http://www.skyperfectjsat.co.jp/Default.aspx?ID=989&M=News&PID=1815&NewsID=1061
□スカイパーフェクト・コミュニケーションズのホームページ
http://www.skyperfectv.co.jp/
□関連記事
【2007年11月15日】スカパー、110度CS「e2」をファミリー層にアピール
-上映中映画のPPV「シネメロン」も12月スタート
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071115/skyper.htm
【2007年3月2日】2009年に「スカパー!」HD放送を本格化
-地デジ/VOD対応STBも開発。中期経営計画発表
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070302/skyper.htm
【2007年2月1日】「NGN時代に向けて本格展開」。スカパー!社長会見開催
-「Jリーグ」を中心に地域に根ざした顧客獲得へ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070201/skyper.htm

( 2008年2月14日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.