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日本テキサス・インスツルメンツ株式会社は4日、2月26日に発表したデジタルアンプIC「TAS5706」の説明会を開催。新たに採用した「ローカル・フィードバック回路」を搭載した同製品と、従来方式との比較で特性をアピールした。
「TAS5706」は、最大出力20W×2chのデジタルアンプIC。量産出荷中で、100個受注時の単価は5.46ドル。薄型テレビや、iPodスピーカーなどへの搭載を見込んでいる。 独自の「ローカル・フィードバック方式」帰還回路を搭載。高速かつ大電流で動作するデジタルアンプ出力段のHブリッジ回路のスイッチング特性を補正することで、高調波歪みや出力インピーダンスの低減を図り、PSRR電源リップル除去比の改善を実現するという。 従来のフルデジタルアンプと比べて低域の応答特性を向上させるほか、電源ノイズも抑制。さらに、液晶テレビのバックライト用電源をオーディオアンプ用電源として活用するといったコストダウンも可能にする。サンプリングレートは32~192kHzをサポート。DSP機能を内蔵し、7バンドのスピーカー補正用イコライザも搭載。ヘッドフォン出力やサブウーファ出力にも対応する。 ■ テレビの安価な電源で高品位オーディオを実現
テレビ向けの同社フルデジタルアンプについて営業・技術本部ハイパフォーマンス アナログビジネス コンシューマー シグナルチェーンビジネス推進部 主事補の酒井正充氏は「2008年で変わったのは、多くのメーカーにおいて、スケーラチップがオーディオDACを取り込んだ製品を出してきた点。省スペース化は進んだが、テレビメーカーにとっての悩みはアナログ出力の特性が取れないこと」と指摘。 また、「オーディオのシグナルチェーンを見るとフルデジタルが理想的に見えるが、帰還回路が入っていない従来の“オープンループ”方式のデジタルアンプでは電源電圧が落ちたときに出力レベルが大きく低下するほか、リッチな電源を搭載するAVレシーバなどに比べ、外来ノイズに弱い」とした。 一方「TAS5706」においては「帰還回路で補正することにより電源電圧が落ちた際でも本来の波形が生成され、テレビに搭載されるような安価な電源でもきちんと特性が取れる」と強みをアピールした。 そのほか、ソフトウェア開発用ツール「PurePath Studio」との連携機能も準備中。フィルタ設計開発において、GUI上で特性の調整を行なうことが可能になるという。
□日本TIのホームページ ( 2008年3月4日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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