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パイオニア、60型フルHDプラズマディスプレイ「KURO」
-黒輝度を従来比で1/5に低減。実売85万円


6月下旬発売

標準価格:オープンプライス


 パイオニア株式会社は、60型フルHDのPDPを使用したプラズマディスプレイ「KURO KRP-600M」を6月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は85万円前後の見込み。なお、50型フルHDの「KRP-500M」も年末の発売を予定。チューナー内蔵テレビも準備を進めている。

薄型化により壁掛けにも対応

 「KURO KRP-600M」は、1,920×1,080ドットフルHD解像度の新開発プラズマパネルを搭載したディスプレイで、デジタルチューナは内蔵していない。2007年10月発売の「KURO PDP-6010HD」との比較で黒輝度を1/5に低減し、ダイナミックレンジを大幅に向上した。

 さらに、パネルの駆動方法を大幅に見直したことで、高密度かつ滑らかな黒の階調表現を実現。低輝度領域の階調ステップの適正化により、暗いシーンにおけるグラデーション表現を向上。黒だけでなく、「赤」、「緑」、「青」の再現性が向上し、表現力を高めたという。

 なお、KUROの従来モデルではコントラスト比2万:1を謳っていたが、KRP-600Mでは数値の公表をやめている。「黒輝度が1/5になったので単純計算できるが、この値になると数値の意味はあまり無い。数値競争ではなく実際の画質を見てほしいと考えたため」(同社)としている。

KURO KRP-600M 前面パネルと区別がつかないくらいの黒の沈み込みをアピール 奥行きも64mmに薄型化

 映像処理回路も強化し、高性能3次元I/P変換や、24コマの映画素材を滑らかに再現する「フィルムスムース」機能などを搭載。さらにきめ細かな映像設定が可能な新画質モード「ディレクター」も搭載した。

 ディレクターでは、初期設定値では色調整や各種機能がすべてOFFとなっており、ユーザー自身の感覚により思い思いの色味調整や画質補正を加えるというモードとなる。さらに、輝度を120ステップ(従来は60ステップ)で、ガンマカーブは5本(同3本)を調整できるなど、画質設定の調整幅を拡張している。

 また、カラーバーなどを使用して色調整する際に青色のみで表示させることで「カラー(色の濃さ)」や「ティント(色合い)」などを調整できる「ブルーオンリーモード」も搭載。さらに設定前後の映像を比較できる「Before/After」機能も搭載した。

新パネルと駆動回路により黒輝度を1/5に低減 ディレクターモードの解説 詳細な画質設定が可能に

 内蔵の照度センサーで検出した部屋の明るさと、映像コンテンツの絵柄から、最適な画質モードを自動調整する「リビングモード」も搭載。コンテンツにあわせて、色や輝度を自動調整する「インテリジェントシステム」も新たにホワイトバランス補正を追加している。

 次世代PDP開発センター(APDC)が開発したディスプレイの動画応答性能指標「動画解像度」は900本以上。4:3映像の左右にあるサイドマスクを検出して、自動でフル画面に引き伸ばす機能も搭載する。そのほか、PinP(子画面表示)や2画面表示にも対応。

 ボディは、奥行き64mmと大幅に薄型化。前面パネルも切削フレームによる平滑性を活かしながら、パイオニアのロゴマークも存在を抑え、画面に集中させる「レスエレメントデザイン」を採用。スピーカーは内蔵せず、オプションスピーカー「KRP-S02(実売4万円前後)」が設定されている。

Webコントロール機能を搭載

 入力端子はHDMI×2、DVI-D×1、コンポーネント×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログ音声×2(RCA×1、ステレオミニ×1)などを装備。レコーダなどとの連携機能「KURO LINK」にも対応する。スピーカー出力、Ethernet、IRリピータ出力、RS-232Cなどの端子も備えている。

 また、Webコントロール機能を装備。KRP-600Mにサーバー機能を有しており、ネットワークで接続したパソコンのブラウザなどからKRP-600Mの操作が可能。電源ON/OFFや入力切替、スタンバイなどの操作がネットワーク経由で行なえる。

 消費電力は487W(待機時0.3W)。外形寸法は1,465×64×876mm(幅×奥行き×高さ)、重量は49.9kg。アルミヘアライン仕上げの新型自照式学習リモコンが付属する。

 また、6月下旬に発売するオプションとして、専用テーブルトップスタンド「KRP-TS01」(51,000円)や、壁掛け金具「KRP-WM01」(42,000円)も用意する。

オプションスピーカー「KRP-S02」 背面 リモコン



■ パネルと映像回路と匠の技術で新しい映像体験を

ホームエンターテインメントビジネスグループ 事業企画部の西尾ディスプレイ企画部長

 同社ホームエンターテインメントビジネスグループ 事業企画部 ディスプレイ企画部長の西尾正昭氏は、「この春までKRP-600Mの設計の責任者として、現場にたずさわりながら、プラズマの画はこんなに懐が深いんだ、と感じていた。ライブの雰囲気も、あたかもその場にいるかのように再現できる。それは黒がしまっているだけでは実現できないもの。このためには新開発のパネルと回路が必要だが、それだけではなく、映像の匠が画を追い込んで作っている。その3つを持っているからこそ、この製品を実現できた。自分が本当にすばらしいと思える製品になった」と、KRP-600Mの画質とパイオニアのノウハウをアピールした。

 従来のKUROシリーズと同様に、“体験型”の販売展開を図り、量販店などでは専用のブースを設けるなどし、画質をアピールする方針。また、オーサリング業務におけるクオリティチェック用のモニターなど、業務用途での要望も多いため、業務ルートでの販売も見込んでいるという。

□パイオニアのホームページ
http://pioneer.jp/
□ニュースリリース
http://pioneer.jp/press/2008/0610-1.html
□製品情報
http://pioneer.jp/pdp/kuro-monitor/
□関連記事
【2007年8月2日】パイオニア、“圧倒的な黒表現”の新プラズマ「KURO」
-50/60型フルHD。「価格競争から脱却、感動を伝える」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070802/pioneer1.htm
【2006年4月19日】パイオニア、50型フルHDプラズマモニターを6月に発売
-105万円。1080p対応で“世界最高画質”を目指す
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060419/pioneer1.htm

( 2008年6月6日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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