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パイオニア株式会社は、50型フルHDのPDPを使用したプラズマディスプレイ「PDP-5000EX」を6月上旬に発売する。価格は1,050,000円。 1,920×1,080ドットのフルHD解像度を実現した「新“フルHD P.U.R.E. Black Panel”」を採用した、プラズマディスプレイ。50V型のフルHD解像度のPDPは世界初。なお、テレビではなく、チューナを内蔵しないディスプレイとなっている。
■ “ピュアビジョン”の技術を活かしたフルHDモニター
同社のプラズマテレビ「ピュアビジョン」シリーズの高画質技術を結集。「フルHDディスプレイのリファレンスモデルを目指した」というハイエンドモニター。「“世界最高画質ディスプレイの実現”をテーマに開発した(ホームエンターテインメントグループ ビジネスグループ 事業企画部 PDP企画部長 佐久間康雄氏)」。 新“フルHD P.U.R.E. Black Panel”では、第6世代パネルから引き続き「高純度クリスタル層」を採用。画素数が増えたことで、画素の面積は同一画面サイズのXGAモデル(PDP-506HD)と比べ、約半分の47%になるが、高純度クリスタル層により、発光効率が飛躍的に向上。小さい画素でも充分な輝度を得ることができるという。 また、放電速度の向上と放電の安定化も実現。放電の統計遅れと呼ばれる現象を1/100に短縮することに成功し、1ラインの書き込みに必要な時間も従来の2μsからから0.7μsと約3倍スピードアップしている。
前面フィルターのガラスを削除し、パネルと一体化した「ダイレクトカラーフィルター」もフルHD用に最適化。NTSC比で107%まで色再現域を拡大するとともに、階調表現や色再現性の向上を図った。前面フィルターとプラズマパネル間で発生していた多重反射によるフォーカス感の悪化も改善するとともに、映り込みも低減した。 デジタル高画質回路「フルHD P.U.R.E. Drive」を搭載。ダイナミックレンジやピーク輝度、暗部のグラデーションなどを最適にコントロールし、コントラスト表現を向上させる「アクティブ DRE(ダイナミックレンジエクスパンダー)」や、カラーマネージメント、ノイズリダクションなどの機能を搭載。また、独自の「フレックスCLEAR駆動」により、階調表現の向上を図っている。
■ HDMIは1080pや10bitデータに対応
映像入力として、HDMIを2系統装備し、1080p(60/50/24Hz)入力にも対応している。さらに、HDMIでは10bitデータの入力に対応。デノンの上位DVDプレーヤーなどで可能な各色10bitのHDMI出力映像に対応し、より高精細な映像表現が可能となるという。なお、1080p(60/50p)入力の場合は、各色8bitデータまでの対応となるほか、一部機能に制限がある。 そのほかにも映像入力端子としてDVI×1、コンポーネント/RGB(BNC)×1、S映像×1、コンポジット(RCA)×1を装備する。音声入力はステレオ音声(RCA)×6系統を備える。スピーカーは内蔵しないが、13W×2chのアンプを内蔵。SRS WOWにも対応する。消費電力は410W、外形寸法は1,282×98×750.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は39.8kg。
専用テーブルトップスタンド「PDK-TS23」、AVローボードラック「B-7000」を6月上旬より発売する。価格はスタンドが53,000円、ラックが248,000円。
■ 「フルHDプラズマの過半数を抑える」
同社常務執行役役員 ホームエンターテインメントビジネスグループ本部長の安田信治氏は、デジタル放送の普及や、Blu-rayなどのHDパッケージソフトの市場拡大により、「大画面化、高画質化のニーズはますます高まる」とプラズマ市場の堅実な成長を予測。それにあわせた同社プラズマ事業の成長戦略を解説した。 2005年度のプラズマテレビ市場は全世界で約680万台。そのうち同社が注力する40型以上のHDパネル搭載製品は約40%という。しかし、2006年には1,140万台市場、約5割がHDになり、さらに2009年には2,200万台、42型以上のHD率は76%になると市場拡大を予測している。 加えて、フルHDのプラズマについては2006年には5万台市場だが、2009年には50型以上の580万台市場のうち約25%(150万台)がフルHD化されると予測。今回発表した「PDP-5000EX」の年間販売目標は全世界で3万台で、「まずは、この市場(5万台)の大半を取る」という。プラズマ全体のシェアでは「40インチ以上で20%以上を目指す」とした。
また、テレビユーザー層も、「付加価値重視ユーザーと、価格重視の2極化が進んでいる」とし、同社では「違いが分かるユーザーに絞ってマーケティング活動を行なう」と付加価値路線を追求することを説明。AVアンプやシアターシステムなど、製品ごとのシナジーを活かした付加価値を追求するため、「各製品の商品企画の担当者を集めて、それぞれの製品のシナジーを活かせるように取り組みを進めている」という。 ホームエンターテインメントグループ ビジネスグループ 事業企画部の佐久間康雄PDP企画部長は、新製品の特徴などを解説。フルHDの「PDP-5000EX」については、「実用サイズとして50V型を提案する」こと、「高画質に特化したモニタータイプ」、ワールドカップサッカーにあわせ「全世界同時投入」などの戦略を説明するとともに、新パネルやHDMIの1080p対応などの特徴を紹介した。 なお、広告キャラクターには歌手の元ちとせを起用。起用理由については「本物の高画質、高音質を表現するために本格派アーティスト」と説明された。テレビ、雑誌、Webなどでプロモーションを図っていく。 □パイオニアのホームページ ( 2006年4月19日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp/furukawa@impress.co.jp]
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