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スカパーJSAT株式会社は24日、グループの中期経営計画(2008~2012年度)に関する記者会見を開催した。 中期経営計画のテーマは、「スカパー! 」など有料多チャンネル放送などサービスの質の向上と、収益力の強化を図る「Quality for Value」としており、同社の有料放送事業と、衛星事業の計画について、秋山政徳会長が説明を行なった。 ■ 2009年に次世代STBを投入予定。BS参入で競争力強化へ
有料放送事業では、2009年を目処に62chまで拡大予定としている「スカパー! 」のハイビジョン化を、2011年を目処として100chまで強化することを盛り込んでいる。
方策としては、「SD放送に使っているトランスポンダではなく、通信に用いているトランスポンダを活用し、キャパシティを捻出する」(仁藤雅夫社長)という。また、コンテンツの強化として、2大スポーツとされる野球、Jリーグの全試合中継を引き続き行なうほか、独自コンテンツの開発と育成による市場開拓にも努めるとしている。 同事業の付加価値を高めるためのサービスとして、2009年に次世代高機能受信機を投入予定。EPGや検索機能を強化するほか、ホームネットワーク機能の充実を図るという。また、携帯電話やインターネットと受信機が連携したサービスも計画。そのほか、ユーザーが「スカパー! 」と「e2 by スカパー! 」のどちらに移動しても負担が少ないように、垣根を低くするという一体化の推進、受信機からのオンラインカスタマーサービスの開始なども含まれている。 受信環境面の整備としては、テレビなどAV機器へのハイビジョン対応「スカパー! 」チューナの内蔵化や、録画機器の対応など、主要な機器との連携や、110/124/128度の“トリプルビーム”対応アンテナの普及促進、e2やスカパー! の宅内共聴インフラの整備による複数台視聴の推進といった内容を計画。また、2011年以降のBSデジタル周波数再編による、BS帯域への参入も競争力強化の重要なポイントと位置づけている。 そのほか、23日に発表した、7月開始予定の「スカパー! 光」でのBSデジタル全12ch視聴サービスを通じ、NTTとの協力も強化。また、特に地方のCATV局との連携やオプティキャストにより、e2のパススルー送信なども予定している。 これらの施策により、スカパー! とe2、スカパー! 光の3サービスを合計した累計加入件数の目標は、2012年度末で430万人(個人)を計画。市場シェア30%の確保を目指す。そのため、3サービス合計の新規加入獲得を2007年度の年間49万件から60~65万件レベルまで引き上げ、解約率の漸減も図る。その後、2015年を目処にサービス全体で600万人の加入を目標とする。秋山会長は、「e2のハイビジョン化や、対応アンテナの多いBSの活用が軌道にのれば目指せるのでは」としている。
■ BS/CSハイブリッド衛星を2011年に打ち上げ
衛星事業では、2008~2011年に4基の衛星を打ち上げを予定しており、2011年打ち上げ予定の「JCSAT-110R」は、BS/CSのハイブリッド衛星。スカパー! の予備衛星の充実により信頼性の向上を図る。そのほか、3月に子会社化した宇宙通信との事業効率化も追求する。 2012年度のグループ連結収益は、営業収益2,000億円、経常利益300億円と設定している。これはBSや携帯関連など、正式にサービスが始まっていない事業を除いた有料多チャンネル事業と、衛星事業の効率化を総合した数値。秋山社長は「グループにとって、ここ2、3年が正念場。ここで足場を固めたい」としている。
□スカパーJSATのホームページ ( 2008年6月24日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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