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株式会社ツタヤ・ディスカスは、宅配CD/DVDレンタルや映像配信などを行なっているサイト「TSUTAYA DISCAS」において新たに音楽配信サービス「TSUTAYA DISCAS 音楽配信」を7月31日より開始する。料金は楽曲により異なり、1曲99円から。中心価格帯は1曲150~200円、アルバムは1,500~2,000円となる。 今回のサービスは株式会社USENとの提携で実現。楽曲はUSENが運営する配信サービス「OnGen」より提供される。音楽ファイルの形式はWMAで、ビットレートは128kbpsが中心。著作権保護にはWM DRM10を採用する。CDへのライティング、ポータブルプレーヤーへの転送の回数は楽曲により異なり、OnGenのサービスに準ずる。決済はクレジットカードで行なう。なお、サブスクリプションサービスについては要望があれば検討するとしている。
コンセプトとして、「音楽配信サービスを使っていない人も簡単に曲を探すことができ、試聴/購入できるフロー」を目指す。新たに設けられた音楽配信ページのレイアウトは、左側が検索、中央がランキング、ニューリリースとおすすめが右側に配置されたシンプルな構成となる。 また、各アーティストの特集では、楽曲配信とCD購入、オンラインレンタルが1ページ内から選べることも特徴。同社は「配信が始まっていない曲はCDレンタルするといった、ライフスタイルにフィットした楽しみ方が選べる。好きな音楽を“借りる”、“買う”、“配信で楽しむ”ことがワンストップで利用できる世界初のサイト」としている。 TSUTAYA DISCASでは6月よりレビューを中心としたSNSサービスを行なっており、これまでレンタルCDなどで書き込まれたレビューが音楽配信のページでも表示されるようになっている。こういったコミュニティ機能もサービスの強みとしている。 開始時の楽曲数として、OnGenより提供されている約250レーベル、約100万曲を用意。配信楽曲はほぼ全曲が試聴可能となっている。ダウンロード数などの目標は明らかにしていないが、TSUTAYA DISCASの会員数は現在の約40万人から、今期末までに72万人への拡大を計画する。
■ 「エンタメコンテンツの国会図書館」目指す
TSUTAYAとしての音楽配信では、TSUTAYA onlineにおいて2001年に事業性を検討していたが、サービスインを前に撤退した経緯があるという。 同社は今期からのミッションとして「ALL TSUTAYA」というキーワードを掲げており、リアル店舗や携帯/パソコンによるレンタルや販売、テレビの「アクトビラ ビデオ」での映像配信といったサービスの多様性を持たせながら、シームレスに利用できることを目標としているという。今回サービスを始めた理由について「レンタル/セルを網羅するために音楽は欠かせない」と説明している。 「MPS」(マルチパッケージストア)、「MUS」(マルチユースストア)という言葉を挙げ、「ネットとリアルのいいところを両方使えるようにする」ことを目指す。現在では、レンタルとCD購入のIDが別になるなど、統合されていない部分もあるが、最終的にはIDを統一し、全サービスが利用できる環境を構築するという。 執行役員社長の根本浩史氏は、USENと提携した理由について「やり方は何でもよかったが、今回は既に運営されているサービスと組むほうが、エンドユーザーに早く『MPS』と『MUS』の価値を提供できるのではないかと考えた。iTunes Storeやmoraなどいろいろなサービスがあるが、ユーザーにとって一番大切なのは全て選べること。USENと排他的な契約ではなく、いろんなパートナーと提携する可能性はある」とした。 また、中期ビジョンとして根本氏は「エンタメコンテンツ版 国会図書館」という言葉を提案。あらゆる作品情報やレビューなどを駆使して検索でき、好みの商品に出会えること、多様なコンテンツが会員向けの“Tポイント”で繋がることなどをイメージしているという。
□ツタヤ・ディスカスのホームページ ( 2008年7月30日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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