◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
ソニー、レーザープロジェクタ用の高輝度赤色レーザーを開発
-RGBのレーザーを合成して投写。愛・地球博から進化


新開発の赤色半導体レーザー
8月21日発表


 ソニーは、フロントプロジェクタなどで使用するレーザー光源として、世界最高出力を実現したという赤色半導体レーザーを開発した。9月に開催される「2008年秋季第69回応用物理学会学術講演会」にて学会発表する。レーザープロジェクタの製品化時期などは未定だという。

 ソニーは2005年3月に開催された日本国際博覧会(愛・地球博)において、縦10m、横50mの2005型という、超巨大スクリーン「レーザー ドリームシアター」を出展。レーザーを光源としたフロントプロジェクションシステム「GxL」を用いて、映像を投写した。

 R/G/Bのレーザーから発せられた光を、それぞれに対応したGxL素子で制御。3つの光を合成することで映像を投写するというもの。光源に色純度に優れたレーザーを使うことで、色鮮やかな色彩表現を可能にしていた。

 今回開発されたのは、赤色レーザーを生み出す赤色半導体。愛・地球博で使われた波長645nmのレーザーと比べ、視感度が高い波長635nmとすることで、従来比約1.6倍の輝度を実現したという。

愛・地球博に出展された「レーザー ドリームシアター」

 長さ10mm、エミッタ数25個というアレイ構造の半導体チップを、銅製ヒートシンクに結合。レーザー構造の中の活性層薄膜の均一性を向上させたほか、クラッド層材料であるアルミニウムインジウムリン(AlInP)の高純度化と、p型伝導を得るためのマグネシウムドーピングの濃度コントロールを強化した結果、レーザーの発振開始電流が低減。レーザー発振の性能向上を実現したという。

 また、レーザーアレイとヒートシンクの接合に新しい実装技術を導入、ヒートシンクへの排熱効率を向上させたほか、レーザーアレイの実装位置精度も向上。レーザー光の光学部品への光の結合効率も向上した。その結果、光出力は7.2W、エネルギー変換効率23%、動作温度25度を達成。プロジェクタに組み込む際の熱/光学設計も容易になるとしている。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200808/08-099/index.html
□関連記事
【2005年3月18日】愛・地球博が25日開幕。18日よりプレスプレビューを開催
-ソニーのGxL採用2005インチシアターなどが公開
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050318/aichi.htm
【2004年12月22日】ソニー、「愛・地球博」に2005型レーザードリームシアターを出展
-新技術「GxL」を採用。10×50mの超ワイド画面に投射
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041222/sony2.htm

(2008年8月21日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.