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ビクター、マグネシウム振動板採用のフロア型スピーカー
-ボトムウーファ2基を加えた「SX-M7」。ツイータも強化


スピーカーベースは付属しない

10月上旬発売

標準価格:315,000円(1台)


 日本ビクター株式会社は、マグネシウム製ユニットを採用したフロア型スピーカー「SX-M7」を10月上旬に発売する。価格は1台315,000円。

 6月に発売されたブックシェルフ型「SX-M3」(99,750円)に続く、「SX-M」シリーズの第2弾モデル。M3の上位モデルと位置付けられ、M3と同様にマグネシウム製ユニットを搭載するほか、新たにパルプコーンウーファ2個も加えた3ウェイ4スピーカーとしたことで低域の量感を向上させている。

 第1弾の「SX-M3」は、同社が'74年に発売した名機「SX-3」のコンセプトを受け継いだという製品。シリーズ高級モデルとするSX-M7も、ターゲットユーザーはM3と同様に50歳前後を想定する一方で、団塊ジュニアと呼ばれる世代に向けても、次のオーディオ愛好者層を育て、増やすという考えからプロモーションを行なうとしている。

 マグネシウム製の1.9cm径オブリドームツイータと14.5cm径オブリコーンウーファの2ウェイ部分をコアとし、専用のチューニングを施しながら、新たに19cm径コーン2個のボトムウーファを採用。ボトムウーファは最上電機製のノンプレスパルプコーンで、M7専用にパルプをブレンドしたという。

 一般的な3ウェイとは異なり、マグネシウムコーンウーファ部はローカットを行なわず、「2ウェイスピーカーに2個のウーファをアンサンブルとして低域をブレンドした」という。エンクロージャも内部を2ウェイ部とボトムウーファを別構造としたスタガード・バスレフ型としている。


M3と同様にマグネシウムのオブリドーム/オブリコーンを採用 追加されたパルプコーンのボトムウーファ 背面のバスレフポート/端子部

 M3では「2ウェイという制約の中でも音像定位や空間表現、歪みの少なさなどで狙いの完成度が出ていた」としながらも、「M3の空間再現性を活かして、低域を増強した。通常の3ウェイと異なるネットワーク構成としたことで、広帯域に渡って素材の違いによる音色の変化が少ない」としている。

 2ウェイ部の振動板に採用されているマグネシウムはアルミニウムの2/3と軽量でありながら、音速や剛性は同等。なおかつ内部損失は2倍以上あるという。軽量であることから、アルミニウム振動板よりも厚さを1.5倍とし、剛性は3倍になっている。これをオブリコーンとすることで、より歪感の少ない自然な音を実現したという。

 ツイータにもマグネシウムを使用。オブリドームのユニットを、メカニカル・ロス無くドライブするため、DDOD(ダイレクト・ドライブ・オブリドーム)構造を採用。ドームとボイスコイルボビンを一体化ししており「澄み切った高域、ベールをはぎ取った自然な音を実現した」という。

 低域の強化に伴い、高域部ではツイータの磁気回路において、M3のフェライトマグネットからネオジウムマグネットに変更し、磁束密度を向上。さらに、銅キャップの採用により、高域における歪みの低減とリニアリティの向上も図っている。

背面に傾斜をつけたリア・テーパード・キャビネットを採用

 エンクロージャは、M3と同様に「メカニカルベースマウント」構造を採用。磁気回路部分をベースに固定し、駆動点を安定化。バッフル/天地/裏板を一体化した強固な構造とした。さらに、約6kgの鋳鉄製ベースと3点支持のフットで振動を抑える。

 一方、ユニットの振動を効率的に逃がすために側板にはMDFをチェリー材の突き板で挟んだ板材を使用。自然な響きで振動を分散させるという。内部には「サウンドバー」と呼ぶ、チェリー無垢材の補強で響きのコントロールを図った。

 再生周波数帯域は26Hz~65kHz。クロスオーバー周波数は150Hz・3.5kHz(12dB/oct)。出力音圧レベルは88dB/Wm。最大入力は150W、定格入力は38W。インピーダンスは6Ω。

 外形寸法は274×419×968mm(幅×奥行き×高さ)、重量は39kg。


エンクロージャの内部構造 側板は、バッフルなどとは異なる素材で、振動のコントロールを図っている 3点支持のフット部


□ビクターのホームページ
http://www.jvc-victor.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.jvc-victor.co.jp/press/2008/sx-m7.html
□製品情報
http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/hifi/sx-m7/index.html
□関連記事
【5月15日】ビクター、マグネシウム振動板採用の新スピーカー「SX-M3」
-ツイータもマグネシウム。どちらもオブリ形状
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080515/victor.htm

( 2008年9月2日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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