◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
任天堂、新型ゲーム機「ニンテンドーDSi」を発表
-SDカード対応で音楽再生可能。カメラも搭載


「ニンテンドーDSi」を手にする岩田聡社長
10月2日発表


 任天堂株式会社は2日、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の新モデル「ニンテンドーDSi」を発表した。11月1日発売で、価格は18,900円。つや消しのホワイトとブラックの2色を用意する。なお、DS Liteは併売。DSiの海外での発売は2009年が予定されている。

ロゴマーク ホワイト ブラック

 新たにSDカードスロットを備え、音楽再生機能「DSiサウンド」を標準搭載したのが特徴。開いた筐体の上下両方に液晶ディスプレイを備える基本レイアウトはDS Liteを踏襲。しかし、DS Liteでは両方とも3インチだった液晶ディスプレイが、どちらも3.25インチに大型化されている。より輝度の高い設定も1段追加された。なお、タッチスクリーン機能があるのは従来と同じ下側画面のみ。

 30万画素のデジタルカメラも新たに搭載しており、ヒンジ部内側と本体の外側に合計2つ搭載。撮影機能「DSiカメラ」が利用できる。顔認識機能も備え、タッチペンを使って写真に落書きをしたり、2人の人物を撮影して相性をチェックするといった機能も用意。写真はSDカードに保存でき、起動すると上画面にランダムに表示。カレンダー表示をして撮影日から写真を検索するなど、ビューワーとしての機能も充実している。

 外形寸法は74.9×137×18.9mm(縦×横×厚さ)で、DS Liteの73.9×133×21.5mm(同)から、2.6mm薄型化した。横幅は4mmほど伸びている。また、タッチペンの長さが約18.9mmから約92mmになった。タッチペンとバッテリを含む重量は約214gと、DS Liteの約218gより軽量化した。そのほかの仕様比較は下表の通り。

 内蔵メモリも大容量化されており、前述の「DSiカメラ」や「DSiサウンド」といったソフトはこの領域に保存されている。ユーザーが同領域にソフトを追加することも可能で、DSi専用ソフトをネット経由でダウンロード購入(無料ソフトもあり)できる「DSiショップ」サービスも実施。同サービスでは無料アプリ「DSiブラウザー」と「うごくメモ帳」を用意しており、DSiブラウザーはWebブラウジングができる。決済にはWiiポイントを使うが、DSiでも使用できるようになったことから「ニンテンドーポイント」に改名される。

新機種(左)と旧機種(右)。画面が上下とも3インチから3.25インチへと大型化した 右側面にSDカードスロット搭載 ゲームボーイアドバンスのカセット用スロットは省かれた
右側がDS Lite。若干薄型化している 下がDS Lite。横幅は長くなっている カメラはヒンジ部の内側と、ボディ外側に合計2個備えている
外側のカメラ部 パッケージ DSカードスロット用のスロット部

 ゲーム機能では下側手前にあったゲームボーイアドバンス用カセットのスロットが省かれ、アドバンス用のゲームはプレイできなくなっている。

 ワンセグ受信アダプタの「DSテレビ」はDSiでも利用可能。アドバンス用スロットが省かれているため、カメラアダプタをアドバンス用スロットに装着する「大人のDS 顔トレーニング」のアダプタには非対応。

 充電はACアダプタで行ない、ステレオミニの音声出力も用意。マイクも従来通り内蔵しており、DSiではSDカードにAACで録音する機能も備えている。

 無線LANも引き続き内蔵。セキュリティ機能が向上し、WEPだけでなく、WPA/WPA2もサポート。バッファローの「AOSS」やNECアクセステクニカの「らくらく無線スタート」などの設定機能も備えている。「DS用ソフトを使った際の通信速度は従来と同じだが、DSi用のソフトではさらに高速な通信が利用できる」(岩田聡社長)という。

【主な仕様】
 ニンテンドーDSiニンテンドーDS Lite(参考)
液晶3.25型×2
(TFT、26万色表示)
3.0型×2
(TFT、26万色表示)
対応ソフト
ニンテンドーDS専用ソフト
ニンテンドーDSi専用ソフト
ゲームボーイアドバンス専用ソフト
ニンテンドーDS専用ソフト
入出力端子 DSカードスロット
SDカードスロット

ACアダプタ
ステレオヘッドフォン/マイク
DSカードスロット

ゲームボーイアドバンスカートリッジスロット
ACアダプタ
ステレオヘッドフォン/マイク
充電時間約2時間30分約3時間
電池継続時間 最低輝度:約9~14時間
低輝度:約8~12時間
中輝度:約6~9時間
高輝度:約4~6時間
最高輝度:約3~4時間
最低輝度:約15~19時間
低輝度:約10~15時間

高輝度:約7~11時間
最高輝度:約5~8時間
外形寸法
(縦×横×厚さ)
137.0×74.9×18.9mm133.0×73.9×21.5mm
タッチペン92mm87.5mm
重量
(バッテリ、タッチペン含む)
214g218g
価格18,900円16,800円


■ ゲームのように楽しい音楽再生機能

 音楽再生で対応するフォーマットはAACのみだが、「公式にサポートするのはAACのみ」という含みを持たせた表現になっており、MP3などが再生できる可能性はある。DRMに関しては「巷の一般的なDRMには対応していない」という。なお、現時点でPC用ソフトなど、任天堂がAACファイルを作成するためのツールやサービスを提供する予定は無いという。

 起動後に下画面に表示されるメニューの中から「DSiサウンド」を選ぶと音楽再生メニューが立ち上がる。下画面にフォルダが表示され、タッチペンで検索。ボリュームや一時停止、AB間リピート再生の設定などもタッチスクリーンから行なえる。また、再生速度やピッチを変える機能や、ラジオのような音質、カラオケのようなセンターボーカルキャンセル再生、エコーを付けた再生、さらにファミコンのような8bit時代のゲーム風の音に変化させて再生する機能も備えている。

 再生中、上画面には卵から生まれるヒヨコや、懐かしのゲーム「エキサイトバイク」などの画面が表示され、波形や音量に合わせて動くビジュアライザーとして機能。さらに、横スクロールするマリオの画面では、L/Rボタンを押すことで音楽のテンポの速さに合わせて走るマリオをジャンプさせ、コインを取ることもできる。再生ピッチを上げればスクロールも早くなるため難易度がアップするなど、ニンテンドーDSiらしい、遊び心に溢れた音楽再生機能だ。これら音楽系機能の開発には、宮本茂氏も携わっているという。

DSiサウンドの画面 再生中の画面。上画面にビジュアライザーが表示されている。マリオのバージョンはジャンプさせることも可能だ 録音した音声にエフェクトをかけて再生できる。扇風機に向かって声を出したような音になる“せんぷうき”など、ユニークなものが多い

 ステレオミニのイヤフォン端子を備えるほか、スピーカーも内蔵。音量や音質も向上したという。また、イヤフォンを接続した状態であれば、本体を閉じた状態でも音楽を再生し続けることが可能。ボリュームはスライド式からボタン式になった。

 録音は最大10秒間行なえ、AACファイルとして保存可能。音声ファイルは吹き出しのようなアイコンで一覧表示され、音声メモとして活用することもできる。

 カメラ機能の「DSiカメラ」にもユニークな機能が多数搭載されている。ライブビュー表示をタッチペンでさわると、引っ張ったようなゆがみができ、ゆがんだ状態で撮影することも可能。顔認識機能も備えており、ネコ耳などのパーツを被写体の人物に重ねて撮影することもできる。怒ったような顔、泣いているような顔など、表情を変えた写真も撮影できるほか、2人の人物を同時に写して両者がどれくらい似ているのか? を数値で示す機能なども用意。撮影した画像には、タッチペンを使って絵や文字を書き込むことができる。

タッチペンでゆがませて撮影することも可能だ 顔認識機能を使ってネコ耳をつけることも可能

 「色かえカメラ」では、タッチした部分の色を変化させることが可能。ルイージの緑の服をマリオのように赤くするといったことも可能だ。SDカードに記録された写真は、起動時に上側の液晶にランダム表示される。カレンダー機能から、その日に撮影した画像を見るといったこともできる。

 なお、動画撮影はできないが、パラパラ漫画も描けるソフト「うごくメモ帳」で、カメラで撮影したデータを白黒の絵の1コマとして使うことはできる。


■ 生活の中に音や映像を取り込み、楽しみ、生活をより豊かにする

 DSiで追加されたカメラや音楽再生機能について、岩田聡社長は「これらの機能はたいていの携帯電話に搭載されており、『こんな機能を内容するのは任天堂らしくない』、『これらの機能が内蔵されることが、DSの今後の普及のために大きな意味があるとは思えない』という声もあるかもしれない」と語った上で、ツールとしてこれらの機能を盛り込むのではなく、「生活の中に音や映像を取り込み、楽しみ、生活をより豊かにするためのもの」と説明。豊富な機能を紹介しながら、“音楽/画像を使って楽しむ”という側面が強くアピールされた。

 さらに、SDカードを採用したことで個人的な画像が記録できるようになったほか、ソフトウェアをユーザーが追加できるようになったことなどを「自分専用にDSiを強化して持ち歩いていただける。ソフトウェアメーカーの皆さんには、新たなビジネスチャンスにもなる」と紹介。

 岩田社長は「6人に1人が持っているほど普及したDSだが、普及の究極は1人に1台」と語り、今後のDSプラットフォームに向け、個人によるカスタマイズ機能を強化したDSi開発の背景を語った。

DSiの発表後は、宮本茂専務取締役が登壇。Wii用の音楽ソフト「WiiMusic」のプレゼンテーションを行なった 発表会は代々木体育館で行なわれた


□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2008/081002.html
□ニンテンドーDSのホームページ
http://www.nintendo.co.jp/ds/index.html
□関連記事
【9月29日】富士ソフト、初の「Wii」向け動画配信サービスを12月に開始
-「みんなのシアターWii」。視聴ソフトをWiiウェアで販売
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080929/fsi.htm
【2007年10月25日】任天堂、DS/DS Lite用ワンセグを11月20日発売
-「DSテレビ」。直販限定で6,800円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071025/ninten.htm
【2006年6月8日】ニンテンドーDS用ワンセグチューナは1万円以下
-8,500円程度が基準。秋発売
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060608/ninten.htm
【2006年2月15日】任天堂、ニンテンドーDS用のワンセグ受信カードを年内発売
-上の画面で視聴、下のタッチ画面で選局
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060215/ninten.htm

(2008年10月2日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.