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CEATEC JAPAN 2008では大手電機メーカー以外にも通信キャリアや、デバイスメーカーなど多数の会社が展示ブースを設けている。会場で見つけたさまざまなトピックを紹介する。 ■ DolbyはSIM製の46型液晶で高コントラスト技術「HDR」をデモ
Dolbyは、専用のシアタールームやTrueHDの体験ブース、ドルビーボリュームの説明コーナーなどを設置。さらに、液晶テレビの高コントラスト化技術「HDR」のデモが行なわれている。 HDRは、LEDバックライトを利用し、液晶テレビのコントラストを改善する新技術で、映像をリアルタイムで解析して、画像の明暗部を検出。検出した明暗にあわせて、1つ1つのLEDを動的に制御し、1画面内でも暗い画面はより暗く、明るい画面はより明るく表現可能とする。 昨年のCEATECや、年始のCESでも同技術のデモが行なわれていたが、今回イタリアのSIMが開発したHDR搭載46型液晶ディスプレイを展示。昨年の展示機では、1,380個の白色LEDを内蔵していたが、今回のデモ機では1,800個以上のLEDを搭載しており、より高いコントラスト性能を実現しているという。
□関連記事 ■ 太陽誘電は卵型スピーカーと4倍速BD-R LTHメディア
太陽誘電は、卵型のスピーカー「TG-BS01」を出展している。価格や発売時期は未定。 卵を模した曲面を生かしたデザインが特長のバッシブ型スピーカー。キャビネットが卵形なだけでなく、ユニットの振動板形状も曲率をキャビネットにあわせている。そのため、約240度と広い音場再生が可能となる。 さらに、全方位に均一に音が広がるため、スピーカー内の反射波が少なく、反射音による音質への悪影響が生じないという。また、高さ感の再現性も優れているとしている。 ユニットは9cm径のフルレンジ。キャビネットは樹脂製。再生周波数帯域は70Hz~18kHz、インピーダンスは4Ω。外形寸法は140×140×200mm(幅×奥行き×高さ)、重量は0.9kg(1本)。価格は未定だが、「それほど高価な製品にはならない」という。
また、4倍速記録に対応したLTH(有機色素系)タイプのBD-Rを参考出展。Blu-ray Disc AssociationでBD-R LTHの4倍速規格が策定されたのを受けて、実用化に取り組んでいる。発売時期については年内を目指している。 BD-R LTHの4倍速記録にはドライブ側の対応も必要なため、既存製品についてはファームウェアのアップデートが求められる。ただし、「大手のBDレコーダなど、今後発売する製品は順次対応していくのではないか」としている。また、2倍速LTH対応ドライブであれば2倍速で記録できるという。 価格は未定だが、現在の2倍速BD-R LTHとさほど変わらない価格設定を見込んでいるという。
■ Yahoo!動画対応テレビなど シャープのブースでは、「Yahoo! JAPAN for AQUOS」の最新バージョンと、Yahoo!動画対応のデモを行なっている。AQUOS用のネットサービスYahoo! JAPAN for AQUOSでは10月から写真のWeb共有機能や放送地域情報を生かした天気情報の配信、リモコンによる操作性改善などを追加。これらは今後発売されるAQUOSで搭載されるだけでなく、5月以降に発売されたYahoo! JAPAN for AQUOS対応製品でも10月中にアップデートにより対応する予定。
さらに、次の進化の方向として、Yahoo!動画への対応もデモを行なっている。新たにオーバーレイ表示を行なう新GUI「新・Exシステム」を採用。Yahoo!動画のストリーム再生にも対応する。 動画の再生中に、ほかのYahoo! JAPAN for AQUOSの情報サービスにアクセスすることも可能。Yahoo!動画の表示番組はPC向けのものと共通だが、サービス展開の詳細については未定で、実現の時期も決まっていない。ただし、Yahoo!はテレビへの対応を積極的に進める方針としており、現在サービスの方向性を検討している最中という。 シャープ以外にも、東芝と日立のブースでも、REGZAやWoooにおけるYahoo!動画対応のデモを行なっている。
■ 富士ソフト「DVD Download」のシステムを展示
富士ソフトはDVDフォーラムが策定した、オンデマンドDVD規格「DVD Download」に対応した配信サーバーのデモを行なっている。 DVD Downloadは、DVD-Rディスクに市販のDVDビデオソフトで使われている「CSS」による著作権保護を施して、記録するオンデマンドDVD規格。DVD-RへのCSS記録を行なうため、専用のディスクが必要となるほか、DVD再生/記録についても対応ドライブ/プレーヤーなどが必要となる。 同様のオンデマンドDVDサービスには、KDDIがPCやDVDレコーダ向けに展開している「DVD Burning」があるが、こちらはCPRMでDVD-RWに記録する方式となっており、互換性は無い。 富士ソフトでは、配信サーバーを構築。メディアについてはスタートラボが、コンテンツはSPEや角川映画などが提供。デュプリケータはデータンクが、プリンタをエプソンが提供し、システム全体の流れを例示している。 DVD Downloadでは2層記録の規格も策定され、市販DVDと同一の素材を用いて、DVD化が可能となる。今後、サービスの実現に向けパートナーとの連携を図っていくという。
■ その他 各社が3D技術やレーザー光源を使った新しい映像技術をデモ。コニカミノルタは、レーザー光源を使ったプロジェクタや、ホログラム光学素子を使ったヘッドマウントディスプレイなどを出展している。
ヤマハはランニング/ウォーキング用の音楽プレーヤー「BODiBEAT」を出展している。 通常の音楽プレーヤーとして利用できるほか、フリーワークアウトモード、フィットネスモードなどの再生機能を搭載。フリーワークアウトモードでは、走るピッチにあったテンポの曲を自動再生する。 フィットネスモードでは、運動中の心拍数に応じて、最適な有酸素運動のペースを音楽で知らせるという。米国で10月に発売し、日本での発売も予定しているという。 また、ブラウザ上でVOCALOIDを利用できる「NetVOCALOID」のデモも実施。アップロードした音源に対し、ピッチ調整やコーラスなどのエフェクトを適用できるオンラインサービス「Auto Vocoder Box」も展示している。これらはヤマハ自身がサービスを展開するわけではなく、サービス事業者などへの技術提供を想定しているという。
□CEATEC JAPAN 2008のホームページ ( 2008年10月3日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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