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液晶TV「AQUOS」からYahoo! JAPAN IDにログイン可能に
-Yahoo!がサービス強化。'09年度にYahoo! 動画も


「Yahoo! フォトアルバム」を利用しているところ
10月22日開始


 ヤフー株式会社は22日、シャープの液晶テレビ「AQUOS」向けに展開しているインターネットサービス「Yahoo! JAPAN for AQUOS」をリニューアル。新たにYahoo! JAPAN IDを使ったログイン機能を実装し、フォトアルバムサービスを開始。さらに、天気やニュース機能も強化。携帯電話用リモコンアプリとの連携機能にも新たな要素を追加した。

「Yahoo! JAPAN for AQUOS」のトップページ

 「Yahoo! JAPAN for AQUOS」は、同社がシャープと協力し、5月末からAQUOSのフルHDパネル採用モデル向けに展開している無料のサービス。リモコンの「AQUOS.jp」ボタンを押すと、オーナーズラウンジと名付けられたネットサービスのポータルサイトにアクセスでき、その画面から「Yahoo! JAPAN for AQUOS」にアクセス。Yahoo! JAPANが提供する各種サービスが、テレビ向けのGUIで表示される。

 従来は地図表示や旅情報、最新ニュース、「Yahoo! オークション 人気キーワードランキング」、米国の静止画共有サービス「Flickr」から、テーマに沿った静止画を表示する「スライドショー」など12のサービスを提供していた。しかし、IDやパスワードで個人を認識してパーソナルなサービスを提供する機能は実装されておらず、ユーザーがアップロードした静止画を見たり、天気予報でユーザーが暮らしている地域の予報を最初に表示するといった事はできなかった。

ニュース機能では記事全文と写真が見られるようになった

 22日からの機能強化により、Yahoo! JAPAN IDを使ったログイン機能に対応。PCや携帯電話を使ってアップロードした「Yahoo! フォトアルバム」の静止画を、テレビの大画面で表示できるようになった。さらに、共有アルバム機能も利用でき、離れて暮らす家族や他のユーザーのアルバムも閲覧できるようになっている。

 さらに、従来北海道から順番に表示された天気情報では、郵便番号を設定することでユーザーの地域の予報が最初に表示されるなど、カスタマイズ機能が強化された。「ニュース」の機能も強化され、従来はトピックス部分の文字情報のみが表示されていたが、新たに記事全文が写真入りで読めるようになっている。


■ ログイン機能に対応

 新サービスの根幹とも言えるのが、ログイン機能に対応したこと。これによりユーザー個人が特定できるようになり、お勧め情報の提示など、ユーザー毎によりパーソナルな情報が提供できる基盤が整った。開始時期は未定とされているが、将来的に予定されているYahoo! オークションへの入札や、ネットショッピング機能の実装への道筋が出来たことにもなる。

 ログイン方法は、テレビのリモコンが文字入力に適していないことなどから、2種類の方法が用意されている。両方とも携帯電話を利用するのが特徴で、1つ目は、まず携帯電話でYahoo! IDにログインする。その状態でAQUOSのユーザー登録画面で表示されるQRコードを携帯電話で撮影。専用ページにアクセスし、携帯電話に4~8桁の任意の数字(利用コード)を入力する。その後、AQUOS側で利用コードを入力すると、携帯電話を通じて本人確認ができたことになり、AQUOSでYahoo! IDにログインできる。

 2回目以降は、利用コードを入力するだけで、携帯電話を使わずにログインが可能。利用ユーザーは1台のAQUOSに対し、最大5人まで登録できる。

ログイン画面。利用ユーザーは1台のAQUOSに対し、最大5人まで登録できる QRコードを利用し、携帯電話を使って認証を行なう 初回の認証で任意の数字を決めれば、以降はその数字を入れるだけでログインできる

 2つ目の方法は、ソフトバンクの携帯電話「923SH」を使用すること。専用のリモコンアプリを使うことで、ログインに必要な情報をIrSSでテレビへ送信。IDだけでなく、数字も入力不要でログインできる。リモコンアプリでは、そのまま携帯電話を使ってAQUOSを操作することも可能。さらに、アプリにもブックマークメニュー機能が追加。ショートカット機能と呼べるもので、例えばテレビを見ている状態から「Yahoo! JAPAN for AQUOS」に入り、IDを入力し、フォトアルバム機能へ移動するといった操作を、携帯電話からダイレクトにアクセスできるようになった。

 なお、フォトアルバム機能では、ログインすることでユーザー自身がアップロードした静止画を、全画面やスライドショーなど、様々な方法で表示することが可能。BGM付きのスライドショーも使用できる。また、公開設定を行なうことで、他のユーザーのAQUOSからも鑑賞できる。鑑賞するユーザーを制限することもでき、数字で構成する「合言葉」をあらかじめ指定すると、その数字を入力しないと表示できない。これを利用することで、例えば子供の写真をアップロードし、家にPCの無い祖父母に合言葉を伝えることで、祖父母の家のAQUOSから、孫の写真を見るといった使い方ができるようになる。

ソフトバンクの携帯電話「923SH」を使えば、リモコンアプリからログイン可能 写真機能の選択画面。公開設定されている他ユーザーのアルバムを見ることもできる 写真を表示しているところ


■ テレビ向けの「Yahoo! 動画」も参考展示

参考展示された「Yahoo! 動画」をテレビで試聴するサービス対応試作機

 発表会場では、「CEATEC JAPAN 2008」のシャープ、東芝、日立ブースで展示されていた「Yahoo! 動画」をテレビで試聴するサービスの参考展示も行なわれていた。具体的なサービス開始時期は決定していないが、2009年度の実施が予定されている。

 会場にあったのはシャープの液晶テレビを使ったデモのみで、この試作機ではWebサービスを高速/快適に表示するシャープ独自の「Exシステム」を動画対応させた「新・Exシステム」を利用しているのが特徴。透過表示機能を持っているのが注目ポイントで、デモではハイビジョン解像度の映画トレーラーを表示し、その映像に重ねるようにして「ニュース」、「天気」、「写真」など「Yahoo! JAPAN for AQUOS」のメニュー画面を表示している。

VODコンテンツを、ジャンル別にチャンネルのように表示。リモコンのチャンネルボタンから切り替え可能

 「Yahoo! 動画に対応した将来のトップページのイメージ」(ヤフー)で、デモ機はネットワーク接続されておらず、内蔵したMPEG-2映像を表示している。「VODサービスのYahoo! 動画も、テレビと同じような感覚で楽しめること」を念頭に開発が進められており、単にコンテンツ一覧から観たいものを選ぶのではなく、「アニメ」や「音楽」など、ジャンルごとにテレビのようなチャンネルにまとめられ、そのチャンネルを選ぶと、個々のコンテンツを指定しなくても、チャンネル内の動画が順番にループ再生される。

 そのまま順番にコンテンツを視聴することもできる一方、そのチャンネル内の別のコンテンツをVOD視聴することもできる。「ユーザーが能動的に選ばないと何も表示されない従来のVODとは異なり、何も選ばなくても映像が次々に表示されることにこだわった」(同社)とのことで、その理念はチャンネル/コンテンツのザッピングにも一貫している。

 VODサービスではコンテンツ再生までに、数秒のバッファリングが必要であり、その間は黒い画面が表示されがちだ。しかし、試作機ではコンテンツ視聴中にリモコンの左右/上下ボタンを押すことで、画面下部に各コンテンツの文字情報(メタデータ)が表示される。テレビのザッピングとは若干異なるが、黒画面を表示させずに他のコンテンツの情報を得ることが可能になっている。ほかにも、映画情報のトレーラー表示のバッファリング時には、映画のポスター静止画を表示させるなど、様々な部分に“テレビの感覚に近づける”試みがなされている。

 なお、CEATECで展示された東芝/日立ブースの「Yahoo! 動画」デモでは、アクトビラ・ビデオなどと同様に、デジタルテレビ用のWebブラウザが使われている。そのため、「新・Exシステム」を使うシャープの半透明表示などを実現するのは難しいとのこと。「将来的に、ヤフーが提供しているサービスは同じだが、テレビによって見え方が違うといったことはありえる」という。

動画にオーバーレイ表示してメニューなどを表示できる 映画紹介コンテンツ。ユーザーの居住地情報と連携し、近くで上映している映画館の情報も表示できる メタデータを使って、映像を表示させたままザッピングが可能


■ シャープ以外のテレビにも

事業推進本部デジタルホーム事業の坂東浩之室長

 事業推進本部デジタルホーム事業の坂東浩之室長は、同社が従来から取り組んでいる、PCだけでなく携帯端末やゲーム機、カーナビ、テレビなど、様々な端末でYahoo! のサービスにアクセスできるようにする「Yahoo! Everywhere構想」を改めて紹介。その中には「機器ごとに最適化されたUI」、「利用者の属性・好み・履歴に合った情報の出し分け(パーソナライズ)」という2つの重要なテーマがあり、「今回は2つめへの取り組みになる」と、進捗状況を説明。

 今後もパーソナライズ機能を強化させ、開始時期は未定だが「ログオン機能ではオークションの入札、ショッピングサービスでの買い物。カスタマイズ機能では、居住地域を中心とした地域情報提供、よく使う機能をデフォルトにするといった機能を今後実現していきたい」という。

 シャープ以外のテレビでの対応については「各社からも動画配信対応テレビが登場しているので、そうした機器の進化に応じて、より楽しめるリッチなサービスに育てていきたい」と語り、CEATECで行なった東芝/日立との協力展示を紹介。「ヤフーとしてはあらゆるテレビに対応したいが、テレビメーカーの希望もあるので、お互いのやりたいものが一致した部分からスタートしているのが現段階。現在はシャープさんとの取り組みが進んでいるだけで、シャープさんだけでサービスを提供するというわけではない」と、今後も対応メーカー/機種を増やしていく考えだ。

 ヤフーでは5月のサービス開始時に、目標ユーザー数を100万としていたが「現在は数万単位」だという。坂東室長は「オークションやショッピングなど、今後も“テレビで使えたらわかりやすい”サービスから優先的に実現していきたい。Yahoo! 動画への対応も非常に大きなサービスと考え、取り組んでいる。利用者数が一定を超えれば広告やEコマースなど、ビジネスとしての展開も考えられるが、それは後からついてくるもの」と語り、サービスの魅力アップを優先してく考えを示した。

□ヤフーのホームページ
http://www.yahoo.co.jp/
□新サービスの紹介ページ
http://aquos.yahoo.co.jp/service/index.html#album
□サービスの紹介ページ
http://aquos.yahoo.co.jp/
□関連記事
【9月30日】【CEATEC】
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http://bb.watch.impress.co.jp/cda/event/23320.html
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-フルHDを活かした地図表示。生活/エンタメ情報も
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080514/yash.htm

(2008年10月22日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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