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パナソニック株式会社は27日、2009年3月期通期連結業績予想を下方修正すると発表した。 4月28日発表の予想に対し、売上高はマイナス7,000億円(7.6%減)の8兆5,000億円、営業利益は2,200億円減(39.3%減)の3,400億円、純利益は2,800億円減(90.3%減)の300億円に修正した。 修正の理由については、「米国発の金融危機が世界中に連鎖し、国内外における景況感が著しく悪化している」とし、「経営環境は、想定をはるかに上回る円高や、国内外における消費の低迷、価格競争の激化等により、急激に悪化している。加えて、株式市況の悪化による保有株式評価損や、構造改革等の実施が見込まれる」と説明している。 また、17時30分から行なわれた会見には、パナソニックの上野山実取締役が出席。「上期連結決算の発表からわずか1カ月での下方修正は、金融危機を発端にした株価低迷、為替の変化が、10月下旬からの激しくなり、また、世界的な金融危機の広がりが影響した。経営トップが11月中旬に提出した計画によると、販売減や構造改革の必要性が出ており、第3四半期の結果を待って手を打つのではなく、早めに手を打つことを優先した。厳しい状況であるが、この危機をチャンスと捉え、成長力強化、経営体質強化に取り組んでいきたい」とした。営業利益は、2,200億円の悪化となるが、そのうち、3,000億円の悪化が景気減速や競争激化による影響とし、「販売減で約2,200億円、価格下落で800億円の影響がある。合理化や固定費の削減といった経営努力で、1,400億円を改善しているが、これに為替の影響、原材料価格の高騰などがマイナスとなり、2,200億円の悪化となった」。 販売価格の下落では、薄型テレビの影響が大きく、「市場全体では20%程度の価格下落と想定していたが、30%もの価格下落となりそうだ。市場に液晶テレビの市場在庫が溜まっていること、サムスンがウォン安で価格競争を加速していることが影響している。しかし、消費マインドが冷えているなかで、必ずしも価格だけで動く市場にはなっていない。当社にとって幸いなのは、在庫が少ないという点」などとした。 今回の修正で、下期の連結売上高は4兆1,563億円と、公表値に比べて6,537億円の減少。そのうち、デジタルAVCネットワークソリューションが4,300億円の減少となった。「液晶パネルは、今年度は大きな赤字になる。また、プラズマディスプレイパネルやセット(薄型テレビ)は、下期は厳しくなってきたのは事実で、収益は厳しい状況にあるとだけいっておく」と説明する。
なお、薄型テレビの通期目標として掲げている1,100万台の出荷計画については、「若干下回る可能性がある。だが、1,000万台を切ることはない」とした。また、台数よりも価格低下の影響が大きいとした。 一方、設備投資については、当初見通しの5,300億円の計画を、4,800億円に削減したことを明らかにした。また、2009年度の稼働を予定しているプラズマディスプレイパネル生産の尼崎第5工場、液晶パネル生産のIPSアルファの姫路工場については、「どちらも一気に稼働させるのではなく、第1期から第3期にわけて稼働させる計画であり、姫路の2009年1月の第1期稼働も、予定通りに行なう。ただ、第1期の内容をすべて一気にやるかどうかは検討している。また、2期、3期も市場動向を見ながら投資する計画には変更がない」とした。□パナソニックのホームページ ( 2008年11月27日 ) [大河原克行/AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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