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「エコプロダクツ」に、ソニーの「odo」や新太陽電池など
-テレビ購入前のエコ比較サイト「しんきゅうさん」も


期間:12月11日~13日

会場:東京ビッグサイト

入場料:無料(登録制)


 国内最大級の総合環境展示会「エコプロダクツ2008」が12月11日に開幕。13日まで開催している。会場は東京ビッグサイトで、入場は無料(登録制)。主催は社団法人産業環境管理協会と日本経済新聞社。

 今年で10回目を迎え、最大規模という出展者数758社・団体、出展数1,796小間。家電メーカー各社はテレビやデジタルAV機器などにおける省電力化や、リサイクル材の採用、新エネルギーを活用した試作機などを各ブースで展示した。また、テレビなどの買い替えに際し、購入予定製品の環境性能を調べられるウェブサービスなども紹介されている。



■ ソニーが「odo」のフォトビューワや新電池をデモ

odoの新ラインナップ

 ソニーブースでは、2007年の同イベントでも披露したキネティックエンジン(手動発電)採用のデジタルスチルカメラなど「odo」(オド)シリーズの試作品を展示。

 2007年の展示では、撮影した写真を見るときに、毎回USBでPCにつないで表示していたが、今回は新たに専用フォトビューワを追加。小型のメモリーカードに約1,000枚まで記録でき、フォトビューワにカードを挿すことで写真が閲覧できるようになった。カメラ/フォトビューワともに本体のローラー部分を床などにつけて前後に回転させることで発電。カメラは満充電で1回の撮影、フォトビューワは約20秒間の表示が可能となっている。


カメラのローラー部分をテーブルに押し付けて回す 中央の穴の部分がファインダー メモリーカードをフォトビューワに挿す

フォトビューワにも充電用のローラーを搭載 静止画を表示した状態 試作機にはカラフルなバージョンも

 また、開発中の色素増感太陽電池の試作機も展示。従来の太陽電池で用いられるシリコンの代わりに、ミカンの皮など植物から抽出した色素を使用したもので、ステンドグラスのようなカラフルなデザイン性や、低コストなどの特徴を持つ。将来的にはウォークマンなどの機器に充電するといった実用化を目指す。

 期間中は、ブースの中心に子供が参加できるワークショップを実施。会場内で参加を受け付け、色素増感太陽電池を実際に手作りし、オルゴールを鳴らす体験ができる。


色素増感太陽電池を用いた試作品。手前にあるファンが給電により回っている ルームライトのようなデザインのバージョンも。今回の展示では通常のバッテリで点灯していた 子供を対象にしたワークショップで色素増感太陽電池を手作り。どの子供も真剣に取り組む姿が印象的だった



■ TVなどの買い替え前にエコ性能を調べる「しんきゅうさん」

エコラボレーションプラザ。多くの家電メーカーが出展する東4ホールの中心にある

 パナソニックやシャープ、東芝、日立、三菱、三洋などの家電メーカーが協力して出展する「エコラボレーションプラザ」では、テレビや冷蔵庫などの買い替え前に、今使っている機種と購入したい機種のエコ性能を比較できるサイト「しんきゅうさん」を紹介。

 環境省による「チーム・マイナス6%」が運営するサービスで、テレビや冷蔵庫、エアコン、照明を買い換える際に、今使っている機種と年間消費電力量や電気代、年間CO2排出量、年間CO2吸収量などの環境性能を比較できるというもの。パソコン版と携帯電話版を用意する。

 2009年2月の正式スタートを予定し、12月11日より試用版としてテレビ/冷蔵庫/エアコンの項目が利用できるようになっている。正式版では、さらに詳しい項目での比較や、複数カテゴリの製品をまとめた比較にも対応する予定。製品情報などのデータベースは財団法人省エネルギーセンターが年2回発行するデータから利用。国内メーカーであれば、2008年の最新機種もほとんどが含まれていた。


テレビの場合の画面。今使っている製品を、購入年やサイズ、メーカー、型番から選び、続いて購入したい製品を同様に絞り込んで選ぶ

判定中 消費電力やCO2排出量などがグラフで表示される 「しんきゅうさん」の紹介コーナー

経済産業省のブース

 また、経済産業省のブースでは、テレビ/エアコン/洗濯機/冷蔵庫の現行製品について、詳細なエコ性能を比較できるサイトのデモ版を紹介。

 まだデータは仮のものだったが、「リサイクルしやすい」、「包装材を減らす工夫」などの条件で絞込み、購入の参考とされることを想定している。2008年から計画がスタートし、約3年で実用化を目指す。


デモ版のページ 仮のデータだが、「リサイクルしやすい」、「再生プラスチックの使用」など独自の項目名で比較できる。外形寸法などの仕様も表示 その中から任意の製品を選んでさらに詳細な項目でも比べられる



■ そのほかのデジタル家電エコ技術

東芝は、CEATECでも展示した2009年発売予定の低消費電力REGZA(左)を参考出展

 そのほか、各社ブースでは、最新の薄型テレビを旧機種と並べて省電力などをアピールする展示や、再生プラスチックを使用するパーツといった、普段の製品紹介では目に付きづらい部分のエコ技術を展示している。


ソニーのブースでは、液晶テレビ「BRAVIA」において、1年前の機種と現行のJE1シリーズの消費電力をリアルタイムで表示 シャープは、液晶テレビ「AQUOS」のスタンドとして、バイオ樹脂塗料を使った試作品など パナソニックは、業務用カムコーダのP2カードをリユースすることでCO2排出量を年間約1.5トン削減しているという

パイオニアは、LD→DVD→BDという光ディスクの変遷から大容量化=省資源化をアピール。独自のBD多層化技術によるディスク枚数削減も ウイスキーを作り終えた樽を使用する「ピュアモルトスピーカー」も紹介

JVCケンウッドホールディングスのブース。ビクターはオカラやフスマなどを原料とするエコプラスチックを用いたスピーカー「kirikabu」を、ケンウッドは洞爺湖サミットで使われた監視カメラシステムなどを展示

三洋はeneloopを模したブースデザイン。ポータブルナビ「ゴリラ」のエコドライブ機能や、ICレコーダの省電力駆動、HIT太陽電池モジュールなどを紹介していた カシオブースでは、超スロー撮影対応の「HIGH SPEED EXILIM」を使ったミルククラウン撮影にチャレンジできる

バンダイナムコグループのブースでは、プラモデルの生産工程で出るプラスチック片(スプルー)やテスト部品のリサイクルを紹介。リサイクル材を用いたガンプラ「エコプラ」が展示されていた。静岡市のバンダイホビーセンター見学者向けに販売されており、一般発売は未定


□エコプロダクツのホームページ
http://www.eco-pro.com/
□関連記事
【2007年12月13日】ソニーの“odo”デジカメなどが「エコプロダクツ」に登場
-撮影も可能に。各社がテレビ環境性能など紹介
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071213/eco.htm
【2006年12月14日】エコプロダクツ2006開幕。各社最新環境性能をアピール
-環境負荷への低減を強調
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061214/eco.htm

( 2008年12月11日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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