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オーティコン、Bluetoothに対応可能な新デザインの補聴器
-別売ユニットで携帯電話/ポータブルプレーヤーと通信


1月20日発売

標準価格:16万円~45万8,000円


 オーティコン株式会社は、両耳間の音声をワイヤレスで伝送する補聴器の新製品「デュアル」シリーズを1月20日より発売する。価格は下表の通り。

シリーズ 製品名 Bluetooth対応
(オプション)
価格(1個/非課税)
補聴器
デュアル コネクト デュアルXW 45万8,000円
デュアルW 32万円
デュアルV 22万円
デュアルPro 17万円
デュアル ミニ デュアルm9 34万円
デュアルm7 24万円
デュアルm5 16万円
Bluetoothアダプタ
ストリーマー ○(A2DP/HSP) 4万5,000円

 独自方式の無線伝送を行なうデジタル処理チップ「RISE」を搭載し、両耳間をワイヤレスで高速通信できる補聴器。デュアルXW/W/VはオプションのBluetoothアダプタ「ストリーマー」を追加することで、対応携帯電話やポータブルオーディオプレーヤーなどでのワイヤレス通話/楽曲再生にも対応する。

 コネクトシリーズは、2007年に発売した高速ワイヤレス対応モデル「エポック」から形状を変更し、三角形のデザインを採用。ボディカラーは14色をラインナップし、購入時に選択できるほか、有料での交換も可能。これまで補聴器を使用したことがない人にとっての抵抗感の軽減を図っている。また、「RISE」の処理性能向上で、ノイズ除去などの音質面も強化したという。

 電池の大型化や、チップの高性能化による消費電力軽減で連続使用時間が向上したことも特徴。エポックシリーズは110時間だったが、160時間まで強化されている。なお、ストリーマーはスタンバイ時が70時間、音楽再生が50時間。

 ミニシリーズは、コネクトシリーズより一回り小さく、機能も制限したモデルで、エントリーユーザーを主なターゲットとしている。


デュアルXW。約2gという軽量設計 写真の上がコネクトシリーズ、下がミニシリーズ 14色のカラーバリエーションを用意

最上位モデル「デュアルXW」は、音源の定位を判別できる「音空間認知機能」を搭載。また、ハウリングを防ぎながら正確に音を再現する「両耳ダイナミック・ハウリング・キャンセラー2」(DFC2)、自身の声を認識することで、話しているときにも周囲の騒音をカットする「マイボイス」機能も装備。周波数帯域はXWとm9が最高10kHzで、それ以外のモデルは全て8kHzまで。イヤーピースは、オープン型やダブルフランジの密閉型などを用意。個人の耳型をとってイヤーピースにする(10,500円)ことも可能となっている。

 オプションのBluetoothアダプタ「ストリーマー」は、「エポック」のものと同じ。首掛け型のマイク内蔵ユニットで、通話ボタンやボリューム調整ボタンを搭載。音楽再生時に着信があった場合、ワンボタンで通話に切り替えられる。BluetoothのプロファイルはA2DPとHSPに対応。ステレオミニの音声入力を備え、ポータブルプレーヤーなどとの有線接続も可能。


オプションのBluetoothユニット「ストリーマー」。首掛けのワイヤー部分がアンテナの役割を持っている マイクを内蔵 ステレオミニ入力と充電用のUSB端子を装備


イヤーピースの一部。肌色のイヤーピースは、耳型をとったもの 付属のケース ポータブルDVDプレーヤーでの利用など、様々なシーンを提案



■ 山本氏「バイオリンの高音が聞き取れた」

日本の補聴器普及率

 新シリーズは、デザイン性の高さが大きな特徴。現在の日本における補聴器普及率は、潜在ユーザーのうち24.1%(日本補聴器工業会調べ)で、オーティコンのアンケート調査によれば、補聴器を使用したくない理由として最も多かったのが「恥ずかしい」(41%)だったという。これを改善することで、普及率を高めたいとしている。

 デンマーク本社のプロダクトマネージャーであるヴァージニア・ウォーカー氏は「これまでの常識では、最高の機能を持つ製品は、最高のデザインを持つことができなかった。その逆も同じ」とこれまでの製品の問題点を指摘。

 デュアルが登場したことで、「性能とデザインのジレンマで悩むことはない。この小ささとユニークな外観が、難聴者の装用意欲をかき立てる。もうためらいや恥ずかしさを感じることはない」とアピールした。米国など海外では2008年秋に発売され、米国では集客率を2倍に拡大したとしている。

 日本法人の社長で、自身もコネクトとストリーマーのユーザーである赤生秀一氏は「運転時に携帯電話が使えることはもちろん、雨の日に傘と荷物を持っていてもボタンを押すだけで通話ができる。今までの補聴器は目の前の声に重点を置いて研究されてきたが、ようやく付加価値を広げられた」と自信を見せた。また、自身の経験から、「テレビを見ていてCMでトイレに立ったときも、(Bluetoothで)音は聞こえ続けるので、急ぐことがない」と意外なメリットも紹介した。日本での販売目標は、年間1万個以上としている。


補聴器を着けたくない理由 デンマーク本社のヴァージニア・ウォーカー氏 日本法人社長の赤生秀一氏

フリーアナウンサーの山本文郎氏

 同社は、新製品のイメージキャラクターとして、元TBSアナウンサーで現在フリーの山本文郎氏と、由美子夫人を起用。夫婦円満、家族円満をコンセプトに、補聴器を使うことが、一緒に話をする配偶者や家族にとって有用なものであることをアピールする。

 発表会場には山本氏と由美子夫人が来場し、コネクトを試した感想を話した。音が聞こえにくいという自覚はそれほどなかったものの、検査したところ1kHzを超えると聴こえにくいことがわかった山本氏。デュアルを着けてみると、劇団四季「ライオンキング」でのソプラノの声、「ツィゴイネルワイゼン」でバイオリンが奏でる高音を聞き取ることができたことなどに大きな喜びを感じたという。

 由美子夫人にも「えっ?と聞き返すことがなく、会話がスムーズになった」と好評で、「子供たちもかっこいいって言っている」とのこと。山本氏はイメージキャラクターとなることについて、「これからも僕の経験を正直に文字や形にして伝えていきたい」と語った。


山本文郎氏と由美子夫人 メガネとも併用でき、横から見ても装着していることはほとんどわからない 家族にも好評と話す由美子夫人


□オーティコンのホームページ
http://www.oticon-jpn.jp/
□製品情報(英文)
http://www.oticon.com/com/ourproducts/consumerproducts/dual/overview/index.htm
□関連記事
【2007年7月3日】オーティコン、Bluetoothにも対応するワイヤレス補聴器
-オプション追加で携帯/ポータブルプレーヤーと通信
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070703/oticon.htm

( 2009年1月19日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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