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B&O PLAY初のBluetoothイヤフォン「H5」。小型スピーカー「A1」は形と色にこだわり

 Bang&Olufsenは5日、カジュアルブランドB&O PLAY初のBluetoothイヤフォン「H5」を発表。7月下旬に29,900円(税込)で販売する。さらに、発売中のBluetoothスピーカー「Beoplay A1」を紹介するイベントも開催。同製品のデザイナーも来日し、製品へのこだわりを紹介した。どちらも販売は完実電気が担当する。

B&O PLAY初のBluetoothイヤフォン「H5」。ダスティローズ。磁石で左右のイヤフォンを固定できる

B&O PLAY初のBluetoothイヤフォン「H5」

 スカンジナビアのデザイナー、ヤコブ・ワグナーがデザインを担当。「アクティブなライフスタイルの中で音楽を楽しむ事」をコンセプトに開発されており、防滴・防塵加工も施されている。ただし、スポーツ向けイヤフォンとして限定的な用途提案をするのではなく、「日常で使えるモデルとして提案している」という。

カラーはブラック、ダスティローズの2色

 首の後にまわせる長さのケーブルで左右のイヤフォンを接続したデザインで、ケーブル着脱はできない。カラーはブラック、ダスティローズの2色。

 イヤフォンのハウジングはテクスチャー素材のゴムとポリマーで作られており、汗や汚れから電子部品を保護している。6.4mm径のダイナミック型ドライバを搭載。DSPも備え、「疲労感のないオールラウンドなサウンド」にチューニングされているという。

イヤフォン部分

 ハウジングには磁石を搭載しており、左右のイヤフォンを固定、ネックレスのようにする事もできる。ハウジングを合わせる事で、自動的に電源が切れ、電池の消耗を抑える事もできる。

 Bluetooth 4.2に準拠しており、コーデックはAAC、aptX、aptX LL(aptX Low Latency)に対応する。

 対応するスマートフォンとワイヤレスで接続可能。Android、iPhone向けに「Beoplay App」というアプリも用意。プリセットイコライザを搭載しており、音楽に合わせて音のカスタマイズが可能。ユーザーのプリセットを保存する事もできる。楽曲再生コントロールや、H5のバッテリ残量の確認も可能。ファームウェアアップデートにも利用できる。

 また、Apple Watch向けアプリも用意。腕時計から各種操作や確認が行なえる。

 ケーブルにはリモコンを装備。マイクも搭載している。イヤフォンの内蔵バッテリは100mAhで、最大5時間のワイヤレス再生が可能。チャージングキューブと呼ばれる充電器を同梱しており、キューブの中にバッテリを搭載。マグネットでイヤフォンをキューブに固定し、約2時間でイヤフォンの充電が可能。キューブ自体の充電はUSB経由で行なう。キューブだけの個別販売も実施する。

ケーブルにはリモコンを装備

 イヤーピースはシリコンタイプに加え、Comply Sportのオープンセル構造フォームタイプも同梱。汗を防ぐSweatGuard膜も備えている。イヤフォンの重量は18g。再生周波数帯域は20Hz~20kHz。

チャージングキューブを使い、外出先でも充電可能

Bluetoothスピーカー「Beoplay A1」

 5月から発売されている「BeoPlay A1」は、円形筐体が特徴のBluetoothスピーカー。価格は29,900円(税込)。カラーはNaturalとGreenの2色を用意する。

「BeoPlay A1」。左からGreen、Natural

 筐体はアルミニウムをメインとし、机などと触れる底部に二重成形のポリマーべースを配置。ソフトレザーのストラップも備えている。デザインにこだわり、突起のあるボタンなどは排除して表面をスムースな仕上げとした。外形寸法/重量は13.3×4.8cm(直径×厚み)/約600g。

 日常使用による衝撃や摩擦に十分な耐久性を備えるとし、机や棚などへの設置に加え、バッグなどに吊り下げて持ち運ぶ利用も想定している。

アルミを多用した筐体
側面にはUSB端子などを備える
底面

 サウンド面では、360度全方位に音を広げる「True360オムニディレクショナルサウンド」を採用。ユニットは、3.5インチ径でネオジウムマグネットを使った、新開発のアルミコーン・フルレンジ×1と、3/4インチのシルクドーム・ツィータ×1の2ウェイ構成。これを、30WのクラスDアンプ×2で各ユニットをドライブしている。最大出力は140W×2。再生周波数特性は60Hz~24kHz。

 ステレオミニの音声入力も備えており、Bluetooth非対応機器からの音声も再生可能。

ボリュームボタンも本体に備えている

 スマートフォンと連携した場合は、内蔵マイクでのハンズフリー通話も可能。スピーカー底縁部のデザインにより、360度どこからでも均一なマイク感度を実現したという。これにより、マイクの向きや角度を気にせず通話ができる。

デザインやカラーにこだわり

 B&O PLAYのグローバル・プロダクトマネージャー、ソフィー・H・キルドセンさんは、Bang&Olufsenは90年の歴史を持つメーカーだが、B&O PLAYは2012年に生まれたばかりのブランドであり、「スタートアップ企業だと考えている」と説明。

グローバル・プロダクトマネージャー、ソフィー・H・キルドセンさん

 B&O PLAYで重視しているポイントは「音質」、シンプルな「デザイン」、そして「象徴的、アイコニックである事」と説明。さらに、「職人的な技能を活用し、アルミやレザーなど本物の素材を使う事も重要。“アルミに見えるものは、本当にアルミでなければならない”という信念で製品づくりをしている」と説明。そうしたこだわりから、ユーザーの86%がパフォーマンスに満足し、69%がまたB&O PLAYの製品が欲しいと答え、50%が「デザインが選択の決めてとなった」と回答するなど、アンケートでも高い評価を獲得しているという。

 初のBluetoothイヤフォン「H5」については、「スニーカーのように、気軽に日常生活の中で使っていただけるもの」と位置付けたデザインと共に、音質と、誰の耳にもフィットする形状や使いやすさにもこだわったという。

 Bluetoothイヤフォン市場には両耳が分離したタイプなども続々登場しているが、キルドセンさんは「大切なのは機能性、サウンド、そしてポータビリティ。ユーザーのニーズがあり、それを満たすことを我々は重視している。ニーズがないのに、無理に新しい機能や要素を盛り込んだ製品を出す事はしない。どのような要素を選択するかは、常に強く意識している。今後もトレンドをフォローしながら、意味のある選択をしていきたい」とコメント。

 Bluetoothスピーカー「A1」のデザインを担当したセシリエ・マンツさんは、それ以外にも、多くのB&O PLAYのスピーカーをデザイン。家具なども手がけ、過去に数々のデザイン賞を受賞している。

セシリエ・マンツさん

 マンツさんは、A1の形状について、「円形にしたのは、バッグに入れたり、手にした際にスムーズに使える事を重視した」と説明。「ポータブルスピーカーをデザインして欲しいと依頼され、デザイン性、機能性、そして多用な機能を小さなスピーカーに閉じ込める技術的な部分も意識してデザインした。筐体は異なる素材を組み合わせているが、その変化するポイントをスムーズにしているのもこだわり」だという。

 また、「デザインのインスピレーションは、天から降りてくるようなものではなく、依頼されたテーマから試行錯誤して生み出すもの。プロトタイプを幾つも作るなど、皆さんが想像されるよりも大変な作業です。まだ存在していないモノを作るのですから、どっちの道に行くか、常に大きな責任が伴う選択をしていく必要もあります。(試作をしても)60%くらいは実際の製品にはなりません」と、モノづくりの苦労話も披露した。

 B&O PLAYの製品に関してのこだわりとしては、「ライフスタイルの中で自由である事。プラスチックと共に、伝統的に使われているアルミやレザーも活用し、素材を大事にして、使いやすい製品にする事にこだわっている。カラーもデザインプロセスの一環で、後で“この色にしようかな”と選んでいるわけではない。特にA1のような、一箇所にずっと置いておくような製品ではない場合、どんな空間にもマッチするようなほのかな色にするなど、カラーにもこだわりがある」という。

 なお、マンツさんはこれまで、B&O PLAYのスピーカーを多くデザインしてきたが、「スピーカーが多いのは偶然。ヘッドフォンを作るのも楽しそうです。デザインに関する知識は豊富に蓄積しています。もしヘッドフォンを手掛ける事になった場合でも、今までのように、何よりもシンプルである事を重視したい」と語った。

屋外での利用を想定したイメージ