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TASCAM、旭化成ADC×2基でSN比109dBの録音が可能なハイエンドPCMレコーダ
2016年7月6日 19:34
ティアックは、TASCAMブランドの業務用PCMレコーダハイエンドモデル「DR-100MKIII」を7月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後。ウインドスクリーンやグリップなどのアクセサリーキット「AK-DR11G MKII」も用意し、店頭予想価格は3,500円前後。
「DR-100MKII」の後継機で、TASCAMのPCMレコーダハイエンドモデル。最高でPCM 192kHz/24bitまでのWAV(BWF)と、44.1/48kHz、128k~320kbpsのMP3での録音ができ、WAV(BWF)とMP3でのデュアルフォーマット録音や、バックアップ用ファイルを同時に録音するデュアルレベル録音なども可能。PCM録音において、従来機では設定できなかった88.2kHzフォーマットにも対応する。
ADコンバータに、VELVET SOUNDアーキテクチャを採用した旭化成の「AK4558」を計2基採用。機能に応じて様々な組み合わせで使用する。
このADコンバータとオーディオ回路の見直しにより、回路全体のSN比は102dBを実現。2基のADコンバータをパラレルで使用するデュアルADC機能を使うと、録音時にS/N比を109dBまで高めることもできる。
なお、録音時のSN比が回路全体のSN比を上回るため、デュアルADCで録音したデータをDR-100MKIII本体で再生するとSN比は102dBに制限されるが、録音データ自体はSN比109dBで記録されている。
また、デュアルADC機能を使用する場合、前述のデュアルフォーマット録音やデュアルレベル録音、リミッター機能は利用できなくなる。
デュアル(単一指向性/無指向性)ステレオマイクユニットを装備。マイクユニットの取り付け方法やハウジング構造の見直し、長期間の録音テストとチューニングにより、従来モデルよりも音質を改善した。単一指向性ステレオマイクはDR-100MKIIと同一、無指向性マイクはDR-05と同じユニットを使っている。耐音圧レベルは125dB SPL。単一指向性マイクには、ショックマウント機構も内蔵し、振動によるノイズ混入を軽減する。
外部マイク用に、XLR/TRS入力も装備。ディスクリート構成のHDDA(High Definition Discrete Architecture)マイクプリアンプを備え、高音質化している。コネクタはAmphenol製で、ロック機構も備えている。
記録メディアは128GBまでのSDXCカードが利用可能。前モデルと比べ、2倍以上に大容量化した3,950mAhのリチウムイオンバッテリを搭載。単3電池を利用する事もでき、内蔵バッテリとの併用でより長時間の録音も可能。
筐体にはアルミ材を採用。ハードな使用にも耐えられるという。内蔵クロックは、業務用マスターレコーダーでも採用されるTCXO(温度補償水晶発振器)を採用。映像と外部音源との編集時に誤差の少ない録音ファイルが作成できるという。
外形寸法は155.7×80×35mm(縦×横×厚さ)。重量は425g(電池含む)/375g(電池含まず)。
アクセサリーキットの「AK-DR11G MKII」には、ウインドノイズを低減するファーウインドスクリーン、手持ちでの録音で使えるグリップ、ACアダプタ、ソフトケースが付属する。対応モデルはDR-05、DR-07MKII、DR-40、DR-22WL、DR-44WL、DR-100、DR-100MKII、DR-100MKIII。