ニュース
今週末は「ヘッドフォン祭mini」、final「MAKE MOD」、AK新DAP「SP4000」、STAXにも注目
2025年7月4日 11:52
フジヤエービックが、7月5日にステーションコンファレンス東京で開催する「夏のヘッドフォン祭mini 2025」。finalやアユートなど、各社が出展情報を発表している。その中から、代表的なものをピックアップする。
final
finalのブースでは、finalやDITAブランドの新製品を試聴可能。未発表モデルとしては、finalの「MAKE MOD」というステンレス筐体のIEM型を初展示する。3モデルをラインナップし、3BA構成の「MAKE MOD 1.1」、1DD+1BAのハイブリッド構成の「MAKE MOD 2.1」、1DD構成の「MAKE MOD 3.1」を用意する。
このMAKE MODは、finalの人気シリーズ「MAKE」のシステムを活かして、最新の音質を小ロットで製品化していく新しいシリーズで、8月の発売を予定している。
finalの新フラッグシップイヤフォン「A10000」も出展。トゥルーダイヤモンド振動板を搭載し、超低歪DUを実現。「誰も経験したことのない音を実現した」という。筐体には高級時計の内部部品に採用されることの多い技術「コート・ド・ジュネーブ」という波状の精密切削加工を施している。
final「DX6000」は、これまでにない革新的なダイナミックドライバーの開発を軸とした新たなヘッドホンシリーズ「DX series」の最初のモデル。新開発した「トランジェントコイルシステム」により、高精細で滑らかなサウンドを実現。高いトランジェント性能も備えている。
DITAからは、新IEM「Prelude」が登場。7月発売予定の最新エントリーレベルイヤフォンで、DITAの基幹的な技術であるシングルダイナミックドライバーを実装しながらも、手に届きやすい価格になるという。このイヤフォンの詳細は、7月11日に発表する。
finalはブース以外に、試聴用個室も用意。新フラッグシップイヤフォン「A10000」のほか、新ヘッドフォンシリーズの「DX6000」や「D8000 DC/D8000 DC Pro Edition」を静かな環境でじっくりと試聴できる。試聴時間は各製品につき、入れ替え時間込みの1枠20分で、事前にWEB予約が必要。
アユート
アユートブースでの注目は、Astell&Kernから今後日本で発売予定の、新たな最上位DAP「A&ultima SP4000」だ。8月発売予定で、予想価格は693,000円。
ディスプレイサイズがSP3000の5.46インチから、SP4000では6インチへと大型化、高精細化。DACは、SP3000と同じようにAK4191EQ、AK4499EXを採用しているが、その構成がさらに理想的なものになった。
SP3000はAK4191EQ×2基、AK4499EX×4基だが、SP4000はAK4191EQ×4基、AK4499EX×4基構成に。1つのAK4191EQに対して、1つのAK4191EQを割り当てられ、真のクアッドDAC構成になっている。
オペアンプの構成もリッチになり、搭載する個数がSP3000の2倍、さらにオペアンプを並列配置(SP3000は直列構成)とした。従来は、出力を上げるとノイズも増加し、ノイズを下げようとすると音量が不足するというジレンマがあったが、出力を上げてもノイズを抑えられるようになったという。
並列配置した2倍のオペアンプを使うモードは「High Driving Mode」と名付けられ、Astell&Kernでは「車の四輪駆動」に例えている。なお、High Driving Modeを利用すると、バッテリーの消費は大きくなる。
代表のJack Vang氏が新たに立ち上げた米国新ブランドVOLK AUDIO(ヴォルクオーディオ)から、イヤフォン「ETOILE(エトワール)」が登場する。発売は8月予定で、予想価格は693,000円。
ブランド第1弾となるクアッドブリッド10ドライバー構成のユニバーサルIEM。グラミー賞を5度受賞したロサンゼルスのOsiris StudioのサウンドエンジニアであるMichael Gravesと共同開発され、彼のマスタリング環境における音色の正確さと空間制御を捉えるために精密に調整されたニアフィールド・リファレンス・モニターを目指したという。
6061-T6アルミニウムをCNC加工したフェイスプレートに24K金メッキ加工が施された、ラグジュアリー感漂う世界350本限定生産モデル。
MUSIN
TOPPINGは新製品として、7月下旬発売予定の「TOPPING DX5II」を出展する。予想価格は49,500円。
コンパクトな薄型ボディに、7600mW@16Ωのパワフルな出力と一台で完結するコネクションを備えた「TOPPINGの新たなベンチマークモデル」だという。入力として、USB-DAC、Bluetooth受信、光デジタル、同軸デジタルを備え、出力にはヘッドフォンアウト(6.35mm/4.4mm/XLR 4pin)、ラインアウト(XLR/RCA)を備える。
SHANLINGからは発売されたばかりのDAP「M3 Plus」が登場。価格は62,370円。アルミニウム製の新たなウェーブデザイン筐体を採用し、4.7インチの大画面ディスプレイを搭載したAndroidプレーヤー。
Cirrus Logic CS43198を4基搭載したQuad DAC回路を採用。後段のアナログ回路にはSGM8262アンプを搭載することで最大800mW@32Ωの高い駆動性能を実現している。
iBassoの新DAP「DX260MK2」も登場。価格は159,390円。CS43198を8基搭載したOcta DAC回路を採用した「DX260」のCPUとROMをアップグレードしたマイナーチェンジモデル。
SoCパーツのアップデートに加え、OSをAndroid 13アップデートすることで、動作性の向上を図っている。
STAX
スタックスブースでは、6月30日に発売したばかりの静電型イヤースピーカーSR-007シリーズの最新モデル「SR-007S」が注目だ。価格は275,000円。
シリーズの持つビンテージ感を取り入れながら、現代の製造技術の恩恵を受けた新ハイクラス機として開発。従来機のSR-007、SR-007Aから振動膜、固定電極を刷新した新型ユニットを採用。レスポンスの向上により、細部のクリアな表現力を高め、シリーズの特徴であった重厚感のある響きとの両立を図った。
新設計された大型円形の固定電極は、開口孔の直径を前機種に比べ20%極小化。高精度なエッチング処理を施し、音響特性を高めている。また、フラッグシップ「SR-X9000」のステンレス製アークから得た着想をSR-007Sにも導入。継ぎ目のない1枚のステンレスプレートから曲げ加工を行ない、共振抑制効果を追求したARSアークを採用した。これにより、剛性を高めながら不要共振を抑制。ヒンジパーツを設けた可動部を採用し、装着感をさらに向上させている。
同社静電型イヤースピーカーを駆動するヘッドフォンアンプ(ドライバーユニット)最上位モデル「SRM-T8000」に、機能を追加するUSB DACオプションボード「UIM-1」(132,000円)にも注目。
日本で独自開発されたUSB DACモジュールで、ESSの「ESS9038Q2M」を左右に1基ずつモノラルモードで使用、ローパスフィルターなどDAC以降の回路も、LR完全独立としている。
ミックスウェーブ
HiByの小さなDAP新モデル「HiBy R3 Pro II」が登場する。発売時期や価格は未定。SocにX1600を採用、DACはCS43198をデュアルで、オペアンプはOPA1622を4基搭載。ステレオミニに加え、4.4mmのバランス出力も搭載する。
Unique Melodyからは「From The Start」というイヤフォンが登場。発売時期や価格は未定。自社製のシングルダイナミックドライバーを搭載し、深みのある響きの低音、きらめく海の波を思わせる中音、そして爽やかな海風を思わせる高音が特徴という。付属ケーブルには、4.4mmバランス接続。
Beat Audio「Silversonic MKVIII」(発売時期や価格は未定)は、新しいワイヤーコアの配合により、中音域の豊かさが大幅に向上したというケーブル。前モデルと比較して、Silversonic MKVIIIはメインコアの周囲を取り囲む導体の数を2倍とし、低音域の存在感を高めている。
最新のチューニングアーキテクチャである「マルチレイヤーコラボレーション」も採用。周囲の構造は独立して動作し、低音域と中音域間の干渉を防ぎながら、明確なリスニング体験を生み出すという。
FitEar
FitEarのブースでは、今年4月のヘッドフォン祭で公開した「Monitor-1 Studio Reference(SR)」の開発プロトタイプに続き、今回はその量産プロトタイプ「Origin-1」を出展。Monitor-1SRのコンシューマー向けパッケージで、ケーブルは3.5mmプラグの仕様となっている。価格や発売時期は未定だ。
FOSTEX
フォステクスブースの注目は、7月4日発売のヘッドフォン2機種。どちらも全面駆動型平面振動板の第4世代RPドライバーを搭載しており、価格はオープン、市場想定価格は黒胡桃無垢材ハウジングの密閉タイプ「T60RPmk2CL」が64,350円前後、密閉型のモニターヘッドフォン「T50RPmk4CL」が34,650円前後。
RPテクノロジーの全面駆動型平面振動板ドライバーは、第4世代で平面振動板の振動領域の拡大と均一化のため、振動板を挟み込むマグネットを増量しプリンテッドコイルのパターン形状を新設計。さらに磁気回路の構成部品も一新して磁束分布を最適化することで、振動板の不要共振を抑え鋭いレスポンスでの音の立上がりと立下がりを実現している。
T60RPmk2CLは、黒胡桃無垢材ハウジングを採用したT60RPmk2を、新たに密閉型としてアレンジしたモデル。密閉型の特長を最大限引き出す音響調整を施し、リスニング用平面振動板ヘッドフォンとして開発。「密閉型ならではの濃密な聴き心地で、豊かでしっかりとした低音域の深みから濁りが無く伸びやかな高音域が楽しめる」という。
T50RPmk4CLは、既存のセミオープン型モニターヘッドフォン「T50RPmk4」を密閉型としてアレンジ。T50RPmk4のハウジングをベースに各通気部を入念に遮音するとともに、サウンドバランスを綿密にチューニング。「遮音性を確保したことでより濃密な原音に集中したモニタリングが可能。ハウジングの内部形状までT50RPmk4CLとT50RPmk4で同一であることで、密閉型とセミオープン型での音の違いを気にすることなくレコーディングからミックスまで作業や環境に応じて選べる」という。
左右どちらでもケーブルが接続できるよう、左右のハウジング両方にコネクタを装備。また、左右のハウジングを同じ形状とすることで、コネクタ部の有無による内部構造と容積の左右差で生じる音質差を低減。
Pentaconn
Pentaconnブースでは、新イヤフォン「sloflo MS001GM」が登場する。発売時期や価格は未定。臨場感を感じやすい音質を実現したというイヤフォンで、特にライブ音源にマッチするという。
slofloが独自開発したダイナミック型ドライバーユニットには、口径10.2mmの大きな振動板を使用。クリアで繊細な中高音域、厚みのある低音域を再現する。
Pentaconnリケーブルのプロトタイプも登場。こちらも発売時期や価格は未定。Pentaconnリケーブルシリーズの中で、初めて使用した素材になる。
GREEN FUNDING
GREEN FUNDINGブースでは、Skullcandyの新ヘッドフォン「Aviator 900 ANC」が登場。発売日や価格は未定。
THX空間オーディオとヘッドトラッキングが連動し、ユーザーの動きに合わせて立体的なサウンドが広がるという。さらに、6マイク搭載のアクティブノイズキャンセリングで周囲の雑音をカットする。