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エプソン、4K/HDR対応で30万円台のプロジェクタ「EH-TW8300」。レンズ電動化
2016年7月21日 13:00
エプソンは、4K/HDR対応の液晶プロジェクタ「EH-TW8300/TW8300W」を8月下旬より発売する。液晶パネルは0.74型/フルHDの透過型高温ポリシリコン(HTPS)TFT液晶パネルだが、独自の4Kエンハンスメントテクノロジーにより4K相当の高画素化を実現する。有線接続の基本モデル「EH-TW8300」と、Wireless HDによるワイヤレスモデル「EH-TW8300W」が用意され、価格はオープンプライス。店頭予想価格はEH-TW8300が369,980円前後、EH-TW8300Wが399,980円前後。
30万円台でも4K相当を実現。HDR対応も
特徴は4Kエンハンスメントテクノロジーによる4K/HDR対応で、コントラスト比も100万:1に、輝度は2,500ルーメンに強化されたほか、広色域化により、DCI P3の色域を100%カバー。Ultra HD Blu-rayなどのHDR映像への対応を強化した。同社のホームプロジェクタ「dreamio style」の最上位モデルで、「外装から光学レンズ、内部処理など全てを一新し、エプソンの持つ技術の全てを搭載した」(セイコーエプソン ビジュアルプロダクツ事業部 内藤恵二郎 副事業部長)という。
0.74型/1,920×1,080ドットの液晶パネルを採用。フルHDパネルだが、新開発の4Kエンハンスメントテクノロジーにより、4K相当の映像表現を実現。平らなガラスプレートを高速振動させながら光の屈折を利用し、画素2倍にしているほか、時分割駆動により4K相当の映像表現を可能とする。
反射型液晶を採用した最上位機「EH-LS10000」とは異なり、ガラスプレートを用いた「4Kエンハンスメントデバイス」を開発。これにより、30万円台のプロジェクタでも4K相当の投射を可能にした。
「目指したのは明るさと高コントラストの両立」としており、新光学エンジンやアイリスによる黒の締りを高めてるだけでなく、輝度も向上。明るい環境でも高画質に楽しめるとする。
フォーカスやレンズシフト電動化。HDR対応で色域・コントラスト向上
2.1倍ズーム(F2.3-3.6)レンズを搭載。上下96%、左右47%のレンズシフト機能を備え、幅広い設置シーンに対応できる。新たにレンズシフトと、フォーカス、ズームの操作が電動式となり、リモコンで調整可能となり、大幅に設置や設定の柔軟性を向上した。
また、シネスコ(2.35:1)や16:9などの映像に応じてズーム位置を調整し、記憶しておく「レンズポジションメモリー」も備えている。投写画面サイズは50~300型。
新オートアイリス機構と、反射型液晶パネル採用の最上位プロジェクタ「EH-LS10000」と同じレンズアイリスの採用により、コントラスト比を100万:1まで拡大(従来モデルは60万:1)。高輝度、高コントラストを活かし、HDRの表現力を高めている。
480Hzのパネル駆動技術「Bright 3D Drive」や高コントラスト化技術の「DeepBlack」は従来モデルEH-TW8200シリーズから踏襲。より高輝度な光源ランプと、新ダイクロイックミラーの採用により、前機種よりR/G/Bの波長をより純粋にし、カラースペースのカバー率を上げている。
HDMI入力は2系統で、HDMI1のみが4K/60p、HDCP 2.2をサポート。HDR信号はUltra HD Blu-ray(UHD BD)の「HDR 10」に対応する。ダイナミックレンジは100nit(HDR1)から10,000nit(HDR4)まで4段階で設定可能だが、初期設定では1,000nit(HDR2)としている。オートにしておくと、入力コンテンツに応じて、HDR/SDRを切り替え。HDR1~4の切り替えは手動で行なう。
フレームシーケンシャル方式の3D表示に対応し、3Dメガネも1つ付属する。
4Kでワイヤレスは世界初。Wireless HDモデルも
EH-TW8300Wは、Wireless HDトランスミッターを同梱し、レシーバーを本体に内蔵。トランスミッタには4系統のHDMI入力を備えており、いずれも4K伝送とHDCP 2.2に対応。1系統のHDMI出力から音声信号のみの出力も可能となっている。
4K/60p信号をWireless HDで伝送できるが、カラーフォーマットの上限は4:2:0、10bitまでとなる。またTW8300WのみHDMIケーブル(2m)が付属する。エプソンでは、「4K映像伝送対応で、ワイヤレスは世界初」と説明。高画質とともに、利便性、使い勝手、価格のバランスの良さをアピールしていく。
なお、EH-TW8300にWireless HDトランスミッタを追加しても、本体にレシーバーが入っていないため、Wireless HD対応とはならない。
本体側の入力端子はHDMI×2、D-Sub 15ピン×1。トリガー端子やRS-232C、USBを装備する。USB端子からの電源供給(300mA)にも対応。ChromecastやFire Stick TVなどのHDMIストリーミングデバイスの電源供給での利用を想定している。EH-TW8300Wの端子はWireless HD接続時に利用しないため、カバーが設けられている。
動作音は20dB(最小)。外形寸法は520×450×170mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約11.2kg(EH-TW8300)/約11.2kg(EH-TW8300W)。