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ヤマハシンセのFM音源がiPhoneアプリに。外部連携も可能な「FM Essential」

 ヤマハは、FM音源を搭載し、iPhone/iPadでリアルタイムにシンセサイザーの演奏や音色の編集ができるアプリ「FM Essential」を7月22日より無償で提供開始した。iPhone 5s/6/6Plus/SEと、第6世代以降のiPod touch、iPad Air、第2世代以降のiPad mini、iPad Proで利用でき、対応OSはiOS 9.0以降。

FM Essential

 ヤマハが1985年に発売したシンセサイザー「DX100」や1989年発売の「V50」など往年の同社シンセサイザーの音色を搭載。画面上でのシンプルな操作で音色の編集や演奏ができる。iPhoneやiPad単体でFM音色を楽しめるが、音色数など一部機能に制限がかかる。9月1日発売の同社ミュージックシンセサイザー「MX49 BK/BU」や「MX61 BK/BU」と接続すると制限が解除され、すべての機能が使用可能となる。

iPhone版のエディット画面
iPad版のエディット画面

 アプリ画面のボールコントローラをドラッグして動かし、連動した複数のパラメーターを同時に操作して音を変化させることが可能。それぞれの音色に適したパラメーターがセットされ、直感的な操作で各音色の個性的な変化を楽しめるという。

 ステップシーケンサ機能を使うと、ボールコントローラの位置を最大16種類まで保存可能。16分音符のステップシーケンサとしてループ再生して演奏音を変化させることができる。さらに、エディット画面でノブパラメータを操作し、FM音源特有の様々なパラメータを調整して音作りができる。そのほか、アルペジエータやコードパッドなども搭載。

ボールコントローラ
ステップシーケンサ

 同社シンセサイザーの「MX49 BK/BU」や「MX61 BK/BU」(MX BK/BUシリーズ)に接続することで、iPhone/iPadなどの単体で利用する場合に制限がかかっているアプリの内蔵音色271種類が全て使用可能になり、音色保存機能も使えるようになる。なお、iOS機器との接続には別売のLightning-USBカメラアダプタが必要。

 アプリの音源をMX BK/BUシリーズの外部音源として使用できるほか、MX BK/BUシリーズ本体からプログラムチェンジによるアプリの音色切り替えや、ノブ操作によるパラメータのコントロールが行なえる。

 アプリにはドラムパッドも搭載し、エレクトロ、ハウス、ヒップホップの3つの音楽ジャンルにそれぞれ適したドラムフレーズを鳴らせる。ドラムフレーズをループさせて鳴らしながらシンセ音色を演奏し、手軽にパフォーマンスを楽しめる。

ドラムパッド

 デジタル音源方式の一つであるFM音源は、1980年代初めからヤマハのデジタル鍵盤楽器に搭載。1983年発売のFM音源搭載デジタルシンセサイザー「DX7」が世界的にヒットし、普及した。それまでのアナログ方式の音源では表現できなかったエレクトリックピアノやグロッケンなど複雑な倍音を含む音が、FM音源によってリアルに再現。演奏表現の幅を広げ、音楽シーンに大きな影響を与えた。1990年代からはサンプリング技術を応用した音源方式が徐々に主流となってきたが、現在でもFM音源の独特な音色にはファンが多い。